No.050 (2002/08/28)公開討論「気象長期予測は可能か?」

 このコーナーで数回にわたって、数値シミュレーションによる気象現象の長期的な予測に関して考えてきました。この件に関しまして、国立環境研究所などに議論への参加を打診しておりましたが、幸い実現する可能性が高くなりましたので、公開討論の第2弾として実施したいと考えております。まず、この間の経緯を紹介します。

 国立環境研究所に宛てたコメント要請のメールを紹介します。

件名 数値シミュレーションによる気象の長期予測は可能か?
国立環境研究所 御中

from 近藤邦明

お世話になっております。

 貴研究所のネットワークからのアクセスが何度かありますので、既にご承知の方もいらっしゃると思いますが、私はHP「環境問題を考える」http://env01.cool.ne.jp/の管理をしています近藤と申します。現在、掲題の件についてHP上で検討を行っております(HP管理者よりNo.48,49をご参照ください)。有意義な議論を行うために当事者である貴研究所のご意見を伺えれば幸いと思い、メールを差し上げた次第です。

 さて、掲題の件に関しまして、貴研究所から出向されております江守氏がHP
http://www.moriyama.com/netscience/Emori_Seita/index.html
において、大変興味深いお話をされております。私は氏の発言は、多分数値シミュレーションについての実像に近いものだと考えておりますが、それは同時に国民世論を欺く、ほとんど犯罪的な行為だと認識しております。この点につきましてもご意見をお聞かせいただきたいと存じます。

 以上2点につきまして、お答えを頂ければ幸いです。

このメールに対する返信を紹介します。


近藤邦明さま

国立環境研究所にお問い合わせ頂いた件について、ご返答させて頂きます。
まず、インタビュー中の私の全ての発言は私個人の責任において行われていることをご了解下さい。
私の発言を取り上げて頂き、地球環境研究についてのご関心とご議論が盛り上がるのは私の喜びとするところです。しかし、ホームページを拝見しますと、残念ながら、私の発言の一部に過剰に反応されているようであり、前後を読んで頂ければ容易に解けるような誤解がことさらに大きく取り上げられていますので、そのような状況で私がその議論に参加するつもりはありません。 インタビューもまだ連載途中ですので、全編が揃いましたらもう一度よくお読み頂ければ幸いです。その上で、建設的な議論にでしたら参加させて頂くこともやぶさかでありません。
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江守 正多 (EMORI Seita) 地球フロンティア研究システム モデル統合化領域


この返信に対する私のメールを以下に紹介します。

江守 正多 様

from 近藤邦明

 早速のご返事、ありがとうございます。

 まず最初に確認しておきますが、私の先のメールは江守さん個人宛てではなく、国立環境研究所に対するメールであり、あなたの判断ではなく、国立環境研究所の見解を問うたものです。江守さんから頂いたメールのCcを見ると国立環境研究所にも送付されているようですから、国立環境研究所とあなたが相談のうえ、その了解の上、あなたが返信を書かれたものだと理解しております。
 また、ホームページ上に掲載されたあなたのインタビューはあくまでも「地球フロンティア研究システム モデル統合化領域 研究員(独立行政法人 国立環境研究所より出向中)】」という肩書きのもとで行われているものであり、インタビュアーもこの立場にある江守氏だからこそ、あなたに対してインタビューし、読者もそのように理解します。個人の立場の発言というのは詭弁です。

 頂いたメールでは、残念ながらどのあたりが過剰発言といわれているのか、具体的には理解できません。それはさておき、議論への参加については、あくまでもお願いですのでご判断は江守さん(というよりは国立環境研究所はじめ研究者の方)に判断頂くしかないと考えております。幸い、インタビューがすべて掲載された後には江守さんは議論に参加いただけるようですので、楽しみにしております。
 現状では、数値シュミレーションによる予測値が意味もなく一人歩きしている状況ですが、その具体的な内容についてはほとんど情報がありません。当事者の方からこのあたりの事情を解説していただくことは、お互いにとって「誤解を解く」ためにも大変有意義なことだと考えております。インタビューが終わった段階で改めてお願いいたします。もし議論に参加いただけるならば、まず江守さん(=国立環境研究所?)のご意見について、そのままHPに掲載し、そこから改めて議論を始めたいと思います。有意義な論議が出来るものと期待しております。

 まずは用件のみにて失礼いたします。今後ともよろしくお付き合いください。もしご了解いただけますなら、頂いたメールをHP上に公開したいと存じますので、よろしくご検討ください。尚、このメールは国立環境研究所にも送付しておきます。

このメールに対する江守さんからの返信を以下に紹介します。


近藤邦明さま

>  まず最初に確認しておきますが、私の先のメールは江守さん個人宛てではなく、国立環境研究所に対するメールであり、あなたの判断ではなく、国立環境研究所の見解を問うたものです。江守さんから頂いたメールのCcを見ると国立環境研究所にも送付されているようですから、国立環境研究所とあなたが相談のうえ、その了解の上、あなたが返信を書かれたものだと理解しております。

説明が足りませんで失礼致しました。そのとおりです。

>  また、ホームページ上に掲載されたあなたのインタビューはあくまでも「地球フロンティア研究システム モデル統合化領域 研究員(独立行政法人 国立環境研究所より出向中)】」という肩書きのもとで行われているものであり、インタビュアーもこの立場にある江守氏だからこそ、あなたに対してインタビューし、読者もそのように理解します。個人の立場の発言というのは詭弁です。

これも言葉が足らなかったようです。
インタビューのきっかけは確かにそうです。しかし、インタビュー中の私の発言は、何らの組織や団体を代表するものではなく、私個人のリアリティーに基づいた勝手な立場からのものであり、同時に何らの組織や団体や他の個人に責任を押しつけるつもりもない、という意味でご理解下さい。
個人として発言する上でも、所属と身分の明記は発言に責任を持つ上で望ましいものと考えます。

> 頂くしかないと考えております。幸い、インタビューがすべて掲載された後には江守さんは議論に参加いただけるようですので、楽しみにしております。

建設的な議論にならば、参加します。
ここからは仮定の話ですが、仮に、結論は既に用意されていて、その結論を強固なものに見せるため、それと反対の主張をする論者を言い負かすことを目的とするような議論があった場合、それに参加するつもりは毛頭ありません。また、仮に、相手の論者が自分の立場のみは普遍的で偏りがないものと信じて疑っておらず、自分の立場を相対化して考える契機を一切持たないような場合には、こちらからの一切の議論は無駄になりますので、なおさらです。以上は仮定の話です。
その判断は、こちらでします。上で「仮に」としたような議論に少しでもなってきたと私が判断した場合には、その時点で、議論への一切の参加を打ち切ります。
大切な税金で研究を行っている以上、研究内容に関心を持っておられる方々に説明をし、議論し、その方々からの意見に耳を傾けるべきという姿勢でおりますが、同時に、大切な税金で研究を行っている以上、無駄な議論に時間と労力をかけて、仕事に支障を来すわけにはいきません。

> 変有意義なことだと考えております。インタビューが終わった段階で改めてお願いいたします。もし議論に参加いただけるならば、まず江守さん(=国立環境研究所?)のご意見について、そのままHPに掲載し、そこから改めて議論を始めたいと思います。有意義な論議が出来るものと期待しております。

最初にこちらから意見を提示することは致しません。インタビューの内容を誤解無くお読み頂き、建設的な問いかけがありましたら、どうぞご質問下さい。

このメールと前のメールは、どうぞ、原文のまま、ホームページにご掲載下さい。

追伸:ホームページを拝見して、大変懐かしい気分になりました。学生のころ、「資源物理学入門」や「石油と原子力に未来はあるか」を興味深く読みました。
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江守 正多 (EMORI Seita) 地球フロンティア研究システム モデル統合化領域


 現在、議論に参加いただく場合の具体的な議論の進め方について、以下のメールを送り、初めに国立環境研究所、あるいは江守さんの総括的なご意見を紹介するところから始めたいということを、再度依頼をしております。

江守 正多 様

from 近藤邦明

 ご丁寧な返信、ありがとうございます。

 ただし、まだ私としては混乱している部分があります。私の最初のメールは、国立環境研究所に宛てたものです。このメールに対して江守さんが国立環境研究所を代表してお答えくださったと理解してよいのでしょうか?それとも国立環境研究所はこのメールにはノーコメントで、江守さん個人がお答えいただいたのでしょうか?この点は明確にしておきたいと存じます。
 次に、インタビューについてですが、江守さんが語っている内容は、例えあなたの個人的な見解とはいえ、それは国立環境研究所を始め、関係機関が国家予算を得て遂行している仕事の内容についてであり、それは組織を代表する意見と考えるのが適当だと考えます。前の疑問にも関連しますが、全く一個人としての発言とは到底理解できないものです。最初に江守さんから頂いたメールは国立環境研究所を代表したものであるが、インタビューの内容は個人的発言だというのは、私には理解しがたいことです。
 HP上の議論に参加いただけることは、心より感謝いたします。議論の目的は第一義的に掲題の件に関する科学的な理解を深めることです。私どもの立場としては、国立環境研究所を始めこの件について、実際のプロジェクトに参加している側からの情報があまりにも少ないため、マスコミ情報として数値のみが一人歩きし、十分な判断材料がないという限られた条件はありますが、長期の数値シミュレーションによる気象現象の「定量的」な予測については無理ではないかと考えているのは事実です。
 しかし、勿論この考えに固執するつもりは毛頭ありませんし、そのためにも国立環境研究所を始めとする当事者の方のお考えを、マスコミによる歪曲なしで直接お聞きしたいというのが願いです。また、最初に頂いたメールでインタビューの内容に関する誤解があるということですが、未だに私には良く分かりませんので、このあたりの誤解をご指摘いただく意味でも、まず最初に国立環境研究所あるいは江守さんによる数値シミュレーションの実態についてのご報告から始めたいと考えております。ご検討ください。

 公開討論を実施するにあたっては、国立環境研究所あるいは江守氏の参加が不可欠ですので、出来る範囲で江守氏のお申し出に沿う形で議論を進めていきたいと考えています。数値シミュレーションに実際に携わっている方からの直接の意見をお聞きできる大変貴重な機会です。沢山の皆さんからの率直なご意見・ご質問をお寄せください。ご意見・ご質問に関しましては、メールを利用してお寄せいただきたいと存じます。
 尚、議論を効率的に進めるために、江守氏のインタビュー記事 NetScience Interview Mail を通読した上で議論に参加されることをお願いいたします。

No.049 (2002/08/23)気象長期予測は不可能!!

 はれほれさんに教えていただいた NetScience Interview Mail のホームページの最新の更新で、はれほれさんの書き込みにあるシミュレーションモデルの『フラックス調節』なる手法を紹介した部分を確認しました。詳しくは原文のNo.09を読んでいただきたいと思います。
 結論的に言って、現在の気象の長期予測は、超大型の電子計算機という仕掛けを使った国家的なイカサマです。このイカサマに関わっている当事者の以下の発言を見てください(○はインタビュアー氏の発言、■は江守氏の発言です。このくだりはシミュレーション結果の解釈に関する部分です。)。

○確かにそれはありますよね。全体の傾向としてポカポカ暖かくなるかもしれないけど、細かいところが、どれくらい誤差の範囲というか、何%ぐらいの確度なのかということは、全然、僕らには確かに分からないです。
■わからないです。やってる人間もあんまり真面目に考えたことないんですよね。

 国家予算を投入した大規模なプロジェクトに携わっている当事者が、結果とした得られた数値に対してこの程度の認識しかもっていないのが現状であり、その程度の予測値がさも事実であるというふうに世間に流布されている現状、そしてこれをベースに人間社会の方向を決定する政策が立案されている現状には戦慄してしまいます(このイカサマという表現は私が言っているわけではなく、当事者である江守氏自身が「イカサマもやってます。」とインタビューの中で自ら述べているのですから、名誉毀損にはならないでしょう。)。
 江守氏は、こうして「イカサマ」によって得られた結果をどう解釈するのかは、解釈する側の問題であると受け取れる発言をしていますが、これは自らの立場に課せられた責任からすれば、責任放棄であり、国家予算を投入されていることを考えれば国民のみならず国家に対する背信行為、いや犯罪行為であり、許されざることです。
 もし江守氏始め、この種の気象の長期予測プロジェクトに関わっている研究者に良心があるのならば、現状では長期的に気温予測を行うことは技術的に不可能であると公式に明らかにすべきです。そして現在言われている二酸化炭素地球温暖化による気温上昇には、全く根拠がないことを表明すべきです。

 繰り返します。気象の数値シミュレーションによる長期予測は不可能です!!

No.048 (2002/08/21)気象長期予測は可能か?

 先日、はれほれさんのホームページの掲示板に以下の書き込みがありました。


[566] NetScience Interview Mail 投稿者: はれほれ 投稿日:2002/08/17(Sat) 06:37
というメールマガジンを購読しています。(無料!)今はシリーズで気候モデルを研究している方のインタビューが配信されています。横浜の世界最速のコンピューターを使って予測をするのだとか。この研究者は古気候について全く知識がない方のようです。過去の気候変動を知らずに未来が予測できるのかどうか、税金を投入した事業ですので気になるところです。
 最新号で気候モデルで「フラックス調節」なるテクニックが紹介されています。こんな気候モデルを信用している人が今だにいるのは私には信じられないのですが・・・。興味のある方は下記をクリックしてください。
http://www.moriyama.com/netscience/Emori_Seita/index.html


 早速HPにアクセスして内容に目を通しました。なかなか興味深い内容を含んでいますので、興味のある方は是非御覧下さい。このHPの内容について、はれほれさんと気象予測モデルについて何度か意見交換をしました。そのやり取りを再録しておきます。ただし、はれほれさんも私も実際の数値シミュレーションの実態を正確に把握しておらず、多分に推測の部分があることをご了承ください。
 幸い、はれほれさんのHPと私のHPの閲覧者の中に国立環境研究所、気象庁のネットワークからのアクセスがあります。もしこれを御覧下さったならば、気象庁、国立環境研究所はじめ専門家の方が議論に参加いただけるとより有意義な議論が出来るものと考えます。お手数ですが是非ご意見をお寄せください!
 まず、インタビューを読んで思った私の書き込みから始めます。


[568] Re[566]: NetScience Interview Mail 投稿者: 近藤邦明 投稿日:2002/08/17(Sat) 20:27
 早速覗いてみました。江守さんという方は、(日本の?)典型的な学者という感じがしました。縦に深く穴を掘るのは得意なのかもしれませんが、横穴は全然駄目のようです。炭素循環についてもあまり詳しくない人が二酸化炭素の温暖化を云々する立場にあるとは・・・。
  さて、気象予測の数値モデルについては、これといって意外な話はなく、『間違いなく』現状の数値モデルでは気象現象の実用に耐える長期予測が行えるレベルにないこと、また、将来的にも長期予測が実用に耐えるレベルになることはない、との持論に確信を持ちました。槌田氏が言うように、地震予知や核融合同様、「学者にとって出来そうで出来ない研究が最も研究対象として望ましい」のでしょう。
 興味深かったのは、江守氏自身、最近の温暖化が二酸化炭素の影響によるかどうかについて明言を避けている点です。また、現在のモデルに多くの問題点が内在していることを認めている点です。正直といえば正直ですが、江守氏に課せられた課題と国家予算が投入されることを考えるとき、これが許されて良いのか・・・?
 それはさておき、私としてはこの記事で最も興味を持ったのは、むしろインタビュアー氏の二酸化炭素地球温暖化に対する偏向したスタンスでした。このような最初から色眼鏡をかけた人が編集するメールマガジン、胡散臭いですねー!


 はれほれさんの返事です。


[570] Re[568][566]: NetScience Interview Mail 投稿者: はれほれ 投稿日:2002/08/18(Sun) 14:54
こんにちは、はれほれです。
> 気象予測の数値モデルについては、これといって意外な話はなく、
失礼しました。実は今週号の話はまだ下のサイトにはアップされていませんでした。私がびっくりしたのは「フラックス調節」といって自分の都合のいいように式を追加するという日本独自の方法です。アインシュタインの宇宙項みたいなものですが、そういえばきのうのNHKでは宇宙項が見直されてましたね。(笑)
> 『間違いなく』現状の数値モデルでは気象現象の実用に耐える長期予測が行えるレベルにないこと、また、将来的にも長期予測が実用に耐えるレベルになることはない、との持論に確信を持ちました。
予報期間が長くなると的中する確率は下がります。福岡の場合毎日「晴れ」予報を出すと3回に2回は当たるそうです。(的中率67%)ところが、コンピューターモデルで予報をするとそれより落ちるそうです。でたらめな予報のほうが当たる確率が高い!これはどういうことかという笑い話?を気象庁の方に伺ったことがあります。
 現在のモデルがだめなのは長期になると海洋の振る舞いがよくわからないからだと思います。初期値さえよくからないというのが実情です。ここをクリアーすればもう少し精度が良くなるのではないかと思います。
>  興味深かったのは、江守氏自身、最近の温暖化が二酸化炭素の影響によるかどうかについて明言を避けている点です。また、現在のモデルに多くの問題点が内在していることを認めている点です。
自分で掘った縦穴が深すぎて出ようとしてもどこの穴にも移れない状況かもしれません。(笑)
>  それはさておき、私としてはこの記事で最も興味を持ったのは、むしろインタビュアー氏の二酸化炭素地球温暖化に対する偏向したスタンスでした。このような最初から色眼鏡をかけた人が編集するメールマガジン、胡散臭いですねー!
Mさんというフリーライターのかたのようですが、これで25000部出して、広告収入がどれくらいなのでしょうか?世の中お金をもうけるのがうまい人がいますね。わが身を振り返るにつけ、トホホです。(笑) 


 その後、気象現象の長期予測の数値シミュレーションについて以前から思っていたことをまとめて以下の書き込みをしました。


[573] 気象予測モデルについての素朴な疑問 投稿者: 近藤邦明 投稿日:2002/08/18(Sun) 19:49
 私は、気象予測の数値モデルについて、具体的には全く知らないのですが、基本的には一般的な数値解析と同じプロセスだと理解しています。
 私が扱ったことがあるのは構造物の設計がらみですから、固体の力学的な応答解析なので、比較的簡単なモデルであり、それ程極端な非線形性や不連続性のあるモデルではありませんでした。それでも3次元的なメッシュ分割する場合、分割点において物理量の整合性を満足するモデルを作ることはかなり難しく、逆に分割点の整合性を無視したモデルの方が良い結果が得られたりと、それほど単純なものでもありませんでした。
 数値実験における問題は、まず第一に、支配方程式自身が現象を的確に抽象しているかどうかという問題があります。次に、自然現象の大部分の支配方程式は非線形微分方程式系ですが、数値的にこれを直接解くことは出来ず、線形化した近似方程式系に収束計算を行って解を求めることになりますが、誤差に敏感な問題ではこの過程でとんでもない誤差を発生する危険性があります。更に、対象とする領域に含まれる不連続面や特異点近傍の処理などの問題です。
 気象現象を考える場合、どうも海洋・陸と大気のエネルギー交換を時間方向の解析においてある時間間隔で補正しながら、基本的には大気運動を解析しているように読めたのですが、実際はどうなのでしょうか?
 解析手法としては差分法をまだ使っているのでしょうか?差分法では境界形状などの表現は難しいでしょうから、有限要素法を用いているのかと思っていましたが。
 インタビューから想像するに、解析領域の分割はどうも地球の表面を四角形のメッシュ分割しているようですが、鉛直方向(大気厚さ方向)の分割はどうなのでしょうか?
 素人考えでは、合理的な(必ずしも実用的ではない)気象予測モデルをもし作ろうとすれば、生態系・工業生産システムを含む炭素循環、アルベドなど各種地表の表面状態の変動、海洋の海流の影響など等、考慮すべき要素は数限りなくあり、これらを適切にパラメータ化しようとすれば膨大なパラメータ数になると考えられます。又これらの値自体が非線形現象であり、適切な値を与えることはほとんど不可能だと思います。
 又、大気という圧縮性流体の地球規模のモデルになれば、平面的な流れ、鉛直方向の流れが複雑に混在し、いたるところに流速の不連続面や(例えば前線?)や特異点(低気圧、高気圧の中心など)が発生したり消滅したり、絶えず移動していることになると思います。これを適切に表現する数値モデルはまず作りえないと思います。
 更に得られた大気循環モデルのメッシュ点における物理量から、メッシュ領域内の各種の物理量を適切に求めることも非常に難しい問題だと思います。あまりにも不確定性の多い数値を何度もフィードバックしながら、各ステップで収束計算を行い、更に時間方向に計算を繰り返すという作業を行ったとして、実用に耐える結果が得られるとは到底考えられません。
 これらは本質的な問題であって、計算機能力が上がり、たとえメッシュ分割・時間ステップをいくら細かくしても解決され得ないと思います。逆に精緻なモデルになればそれだけ誤差が蓄積され、あるいは誤差に鋭敏に反応してモデル全体の不安定性が増すのではないかと思われます。
 地球全体の長期気象予測という大規模な問題は、安定した信頼性のある解を得る数値モデル化は不可能であり、気象に影響する自然現象自体にも不確定要素が多いことともあいまって、数値シミュレーションになじまない問題なのだと断言しても良いのではないかと考えます。


[574] Re[573]: 気象予測モデルについての素朴な疑問 投稿者: はれほれ 投稿日:2002/08/20(Tue) 19:09
>  私は、気象予測の数値モデルについて、具体的には全く知らないのですが、基本的には一般的な数値解析と同じプロセスだと理解しています。
☆実は私も各研究者のいう「気候モデル」の詳細については知りません。(笑)原著を読めばわかるのかもしれませんが、時間と労力の無駄のような気がして・・・・。(笑)
>  私が扱ったことがあるのは構造物の設計がらみですから、固体の力学的な応答解析なので、比較的簡単なモデルであり、それ程極端な非線形性や不連続性のあるモデルではありませんでした。それでも3次元的なメッシュ分割する場合、分割点において物理量の整合性を満足するモデルを作ることはかなり難しく、逆に分割点の整合性を無視したモデルの方が良い結果が得られたりと、それほど単純なものでもありませんでした。
>  数値実験における問題は、まず第一に、支配方程式自身が現象を的確に抽象しているかどうかという問題があります。次に、自然現象の大部分の支配方程式は非線形微分方程式系ですが、数値的にこれを直接とくことは出来ず、線形化した近似方程式系に収束計算を行って解を求めることになりますが、誤差に敏感な問題ではこの過程でとんでもない誤差を発生する危険性があります。更に、対象とする領域に含まれる不連続面や特異点近傍の処理などの問題です。
>  気象現象を考える場合、どうも海洋・陸と大気のエネルギー交換を時間方向の解析においてある時間間隔で補正しながら、基本的には大気運動を解析しているように読めたのですが、実際はどうなのでしょうか?
☆近藤さんは実際に数値実験をされた方なんですね。私には本で読んだ知識しかありませんし、それも試験の時に覚えた昔の知識です。うまくできるかどうかわかりませんが、私のつたない知識で説明をします。私自身の理解も気候モデルは「現在の天気予報に使われている数値予報モデルを発展させたもの」と考えていますのでそれについて少し説明します。
 今の短期予報(いわゆる「天気予報」)に使われているモデルは全球モデルではなく「領域モデル」と呼ばれています。近藤さんのおっしゃるように日本付近(5120kmx5120km)を水平方向を20km四方の格子に分割し鉛直方向には地上から10hPaの高さまでを36層に分割しています。これを時間方向に2分間隔で線形に近似した方程式を解いて予測をしているようです。
 予報期間が長くなると、全球モデルを使う必要が生じます。ただ全球モデルでは格子の間隔を荒くしないと計算が間に合わないようです。(1ヶ月予報をだすのに計算に1ヶ月かかっては意味がありません)週間予報、1ヶ月予報に全球モデルが使われています。週間予報では格子間隔が55km、鉛直方向に30層となっています。1ヶ月予報ではそれより荒く、水平180km、鉛直は30層(トップは1hPaの高さ)となっています。週間予報では海水温は気候値と偏差(今平年より何度高いかということ)でやっているそうです。1ヶ月予報では常にその偏差が1ヶ月間続くと仮定しているようです。もちろん水面下の動きは全く無視です。私が前の書き込みで述べたのはそういうことです。海は海洋表層だけでは語れない、という意味です。おそらく温暖化予想に使われているモデルもにたようなものだと勝手に想像しています。
>  解析手法としては差分法をまだ使っているのでしょうか?差分法では境界形状などの表現は難しいでしょうから、有限要素法を用いているのかと思っていましたが。
☆すみません、「差分法」「有限要素法」ともに私には理解できない用語です。今は「差分法」をやめて「スペクトル法」を採用しているとのことです。(スペクトル法もまたよくわかりません)(笑)
>  素人考えでは、合理的な(必ずしも実用的ではない)気象予測モデルをもし作ろうとすれば、生態系・工業生産システムを含む炭素循環、アルベドなど各種地表の表面状態の変動、海洋の海流の影響など等、考慮すべき要素は数限りなくあり、これらを適切にパラメータ化しようとすれば膨大なパラメータ数になると考えられます。又これらの値自体が非線形現象であり、適切な値を与えることはほとんど不可能だと思います。
☆おっしゃるとうりです。基本的には非線形の結合ですので完全なモデルは無理だと思います。
>  又、大気という圧縮性流体の地球規模のモデルになれば、平面的な流れ、鉛直方向の流れが複雑に混在し、いたるところに流速の不連続面や(例えば前線?)や特異点(低気圧、高気圧の中心など)が発生したり消滅したり、絶えず移動していることになると思います。これを適切に表現する数値モデルはまず作りえないと思います。
>  更に得られた大気循環モデルのメッシュ点における物理量から、メッシュ領域内の各種の物理量を適切に求めることも非常に難しい問題だと思います。あまりにも不確定性の多い数値を何度もフィードバックしながら、各ステップで収束計算を行い、更に時間方向に計算を繰り返すという作業を行ったとして、実用に耐える結果が得られるとは到底考えられません。
☆短期予報のような細かな予想は不要で、低緯度、高緯度など大まかな傾向がわかればいいというのがモデルを信じる人の主張のようです。
>  これらは本質的な問題であって、計算機能力が上がり、たとえメッシュ分割・時間ステップをいくら細かくしても解決され得ないと思います。逆に精緻なモデルになればそれだけ誤差が蓄積され、あるいは誤差に鋭敏に反応してモデル全体の不安定性が増すのではないかと思われます。
>  地球全体の長期気象予測という大規模な問題は、安定した信頼性のある解を得る数値モデル化は不可能であり、気象に影響する自然現象自体にも不確定要素が多いことともあいまって、数値シミュレーションになじまない問題なのだと断言しても良いのではないかと考えます。
☆気象にかかわる人間として、数値予報を全否定するのは少し抵抗がありますが、今の全球モデルは週間予報でも近藤さんのご意見に反論できないレベルにあるのは事実です。(笑)貴重なご意見有り難うございました。


 以下、再度私の書き込みです。


[575] 気象予測モデルについての素朴な疑問 その2 投稿者: 近藤邦明 投稿日:2002/08/20(Tue) 21:06
 気象予測モデルについて、それ程的外れでもなかったので少し安心しました。
 スペクトル法というのは、インタビューの中に出てきたフーリエ級数の利用のことでしょうから、これはかなり古い方法です。私が学生だった頃に既に使っていました。この方法を有限要素法に適用した場合は「半解析的な有限要素法」などと呼んでいました。確かに要素分割の次元をひとつ落とすことが出来るので、未知数をかなり少なくすることが出来ます。ただし、級数展開(滑らかな連続関数)を利用する関係上、領域内の不連続面や特異点の扱いはより困難になると思います。いずれにせよ本質的なモデル改良とは次元の違う、解析手法の問題ですね。
 さて、長期予測に関しては短期予測ほど細かい情報は要らないことは理解できます。前のメールで括弧書きで「必ずしも実用的ではない」と断ったのはそのことが念頭にあったからです。
 しかし、基本的なモデルとして、短期的にもあまり適切な予測の出来ないモデルをベースに、分割を更に荒くして計算した長期予測が傾向を適切に予測できると考えるのは全くの暴論だと思います。ましてそのような予測で±1℃のオーダーの気温予測など全くお笑いだと思います。
 現在、あまりにも電子計算機を頼りすぎ、力技で将来を予測しようという試みがあらゆる分野で進められている半面、基本的な理論的な考察やデータの積み重ねが軽んじられているように思います。
 江守氏のインタビューの中にもありましたが、気象に影響を与える突発的な自然現象をシミュレーションに内部化することは不可能なのですから、この意味からだけでも気象の長期予測は数値シミュレーションにはなじまないものであり、長期予測など無意味だと思います。
 仮に、正確な情報を与えれば適切な応答を返すモデルが出来たとしても、それは過去のデータを与えることによる現象の再現でしかなく、予測不能な突発的な自然現象が予測できない限り、長期の気象予報は金輪際有効な結果を出すことは出来ないと考えますが、いかがでしょう。


 以上が、気象の長期予測の数値シミュレーションについてのこれまでのやり取りです。皆さんはどのようにお感じですか?これ以上の議論には、どうしても直接気象予測のシミュレーションの実態を把握している方のご意見が必要だと考えています。気象庁、国立環境研究所の皆さん、お手数ですが是非当事者としてのご意見をお聞かせください!!

No.047 (2002/08/14)拝啓、NHKさま

ホームページのリンク先をチェックしていましたら、幾つかのリンク先が切れていました。ご迷惑をおかけいたしました。なるべくリンク先のチェックは頻繁に行うようにしていますが、お気づきの点がございましたらお手数ですが連絡いただきたいと存じます。
 その中の一つが、このHP管理者からのNo.33『拝啓、原文振さま』の中の役員名簿へのリンクでした。この名簿には、平成13年11月22日付けの新任の理事の中に『日本放送協会編成局担当局長 二宮 知道』なる人物がいたのですが、日本最大の報道機関の現職の局長が、このような非常に偏った組織の役員に名を連ねることは異常ではないかとの主旨の意見をこのコーナーで述べました。
 その後、内容照会のため何度かメールをNHKの意見受付の窓口へ送りました。アクセスログから、このHPへNHKのネットワークから何度かのアクセスがあったことを確認していますが、ついに回答は今日まで受け取っていません。(正確には一度NHKからメールが届いたのですが、なんとそれはNHKのネットワークを踏み台にしたウイルス感染メールでした。日本を代表する、それも通信関係の巨大組織のネットワークのセキュリティーの脆弱性には別の意味で驚きました。住民基本台帳ネットのセキュリティーなど押して知るべしでしょう。)
 さて、リンク先のチェックのために原文振のHPを確認したところ、役員名簿が更新されており、新役員名簿は平成14年5月31日付けのものになっていました。平成13年11月22日付けの名簿の控えをとっていなかったので確認は出来ないのですが、『日本放送協会編成局担当局長 二宮 知道』の名前がなくなった以外はそれほど大きな変化はないようです。
 No.33『拝啓、原文振さま』が2002年5月9日の日付で、新名簿の日付が5月31日ですから、この間にすばやい対応がとられたと言うことでしょうか?このあたりの事情をNHKから説明いただけるとありがたいのですが、無理でしょうね・・・?!私としましては、この弱小HPでも、巨大報道組織NHKに対して、何らかの圧力をかけうることが確認できたと思っています。今後ともNHKの環境問題に関する報道は徹底的に検証し、批判を続けていきたいと思います。
 この際ですから、NHKの環境問題に関する報道についての要望事項をまとめておこうと思います。ひょっとしてNHKの方が御覧下さるかもしれませんので・・・・。

@環境問題に限らず科学報道の根本姿勢は、内容を徹底的に自らの責任において検討すること。環境問題を含め、科学報道は今日、明日と言う緊急性よりもその内容の徹底的な科学的な検証を優先させること。
A対立する主張がある場合、たとえマイノリティーの主張であっても論理的な主張であれば同等のウェイトで報道すること。
B一旦報道した事柄については、徹底的にその後のフォローを行うこと。言いっ放しの無責任報道はしないこと。
C受信料で運営されていると言う特殊性を常に意識し、NHKが責任を負うべきは国家の体制ではなく国民一人一人の利益であることを認識すること。

 NHKの科学報道は、権威組織や学者によるこけおどしの権威主義、あるいは最近は特にCGを多用し、金をつぎ込んだ映像表現による視覚的な技術による番組作りが横行し、内容そのものの吟味があまりにも杜撰な報道が多すぎます。国民から集めた貴重な財源を投入すべきはこけおどしの番組作りではなく、報道する内容についての徹底的な科学性の検証作業そのもののはずです。現状では、NHKの何でも評論家=解説委員の発言など全く信頼できないものです・・・。
 さて、一体どこまでこの意見が届きますか・・・???

No.046 (2002/07/26)新刊紹介『新石油文明論』

 

最近は、『環境ショーウィンドウ行政』が盛んに行われています。官公庁の燃料電池車の前倒し導入だとか、公共施設での太陽光発電・風力発電などなど・・・。実質はともかく、形として環境に良いことを率先してやっていますよ、と言うことでしょうか?今日の大分合同新聞の朝刊にも、『エコ(新)エネルギーの導入を進めようと、県エコエネルギー導入促進条例(仮称)制定懇話会の初会合が25日、大分市内であった。』という記事がありました。
 このホームページで検討してきたように、地球温暖化を防ぐために、二酸化炭素排出量を削減するという文脈で代替(エコ?)エネルギーを導入すると言うのは、全く無意味なことです。新物好きで、目立ちたがりやの平松氏らしいと言えばそれまでですが、事は行政が税金を使って行う事業を、条例によって法的な根拠を与えるとなると、放っておいていいのでしょうか?
 大分県に限らず、行政の環境政策は、本質的な環境問題の検討を怠り、その結果、環境施策はショーウィンドウ的に形にすることだけが目的化され、実質として環境問題の改善にどう貢献しているのか、事後の検討さえも行わずに、やりっぱなしの税金の無駄遣いとしか言いようがありません。血税を投入する事業について、公務員諸氏はもっと真剣にその実効性を『科学的に』問いただすべきだと思います・・・、と言っても現状ではゴマメの歯軋りです。

 槌田氏の6月30日発行の最新の著書が届きました。「新石油文明論/砂漠化と寒冷化で終わるのか」(農文協)です。多くの内容はこのホームページに掲載されている槌田氏の各論文と重なりますが、環境問題全般を俯瞰的にまとめた内容になっています。このホームページでの議論をまとめる意味でも、是非御覧頂きたいと思います。
 ・・・文明論と題されている通り、有史以来の世界史的な出来事を環境問題という視点から分析した内容は、大変興味深いと思います。例えば、世界史的に見ると、温暖期には農業生産が盛んになり、文明が栄え、寒冷期が訪れると高緯度地方の住民の南方への移動、有体に言えば南方への侵略戦争が起こっているという事実は、重いと思います。
 私たちの住む世界はまだ、国家・民族と言う障壁を克服できずにいますから、再び寒冷化が来たとき、高緯度地方の国家の南下圧力は戦争を引き起こすことが十分考えられます。現在の破壊的な軍事力による全面戦争が起きたら、ただでさえ疲弊しつつある低緯度地方の限られた農地さえ大きな被害を受ける可能性があります。
 農地の砂漠化と、追い討ちをかける寒冷化、そしておろかな人間の侵略戦争によって石油文明は閉じる可能性が高いのではないかと、最悪のシナリオを思い描いてしまうのですが、これが杞憂であればよいのですが・・・・。

No.045 (2002/07/22)脱ダム宣言と治水政策

 長野県では、『脱ダム宣言』をした田中知事が議会との対立から失職し、再びダム建設を争点とした県知事選が行われることになりました。田中氏の脱ダム宣言の詳細を知っているわけではありませんが、現在のダム・連続堤による治水政策を、はれほれ氏のホームページの掲示板でのやり取りを抜粋して検討しておこうと思います。(赤い文字ははれほれ氏の書き込み、青い文字は近藤の書き込みです。)

 はれほれです。薬師院仁志氏の本からの受け売りです。「国土交通省は地球温暖化で懸念される海水面上昇に備えて11兆以上の予算をくんで護岸工事を計画している」そうです。すごい予算ですね。でも長野県には海岸線がない!
 私は防災の面からダムの必要性を検討したわけではありませんので脱ダムの善悪はわかりませんが、当選後に選挙の公約を実行しようとしてるわけですから、当選後に公約を全く忘れてしまう?大多数の政治家よりはまともだと思っています。

 ご無沙汰しています。地球温暖化の悪循環のお粗末を一つ。CO2地球温暖化論者いわく、「二酸化炭素の増加→地球温暖化→海面上昇→11兆円の大土木工事の特需発生!→工事による大量の二酸化炭素の増加・・・」。これではどこまでいっても温暖化は進む一方で、私のかつての仲間である土建業界は食いっぱぐれなしです。やはりCO2による地球温暖化でなければ、業界は困るわけです!
 田中氏は、はれほれさんの言う通り、政治手法には多少問題はあったのかとも思いますが、公約を実践しようとした日本では稀有の知事であり、評価すべきです。
 ダム建設については、尻切れトンボ状態ですが、ホームページの「公共事業」で少し触れていますので、興味があったら覗いてみてください。治水対策の手法は、なかなか一概には決めかねると思いますが、一旦中止した上で十分時間をかけて出来る限りの検討をすべきでしょう。私が学生時代(20年以上前)でさへ、既にダム・連続堤による治水の限界が指摘されており、流域の土地利用も含めた面的な対応を模索すべきとの議論がされていました。
 扇大臣の言うように「脱ダムなら代替案を示せ!」と言うのはちょっと乱暴で、正に業界の理論だと思っています。
 さて、知事選はどうなるのか、注目したいと思います。

☆「面的」なというのがよくわからないのですが、たとえば「川の流域から100m範囲に家を建てさせないで緩衝地帯にする」というような意味でしょうか?大きな声ではいえませんが私は「川は氾濫するもの」だと思っています。氾濫があるからこそ「沖積平野」が形成されたのですし、これは人間がいかに「治水」に長けたところでかわりません。従って川の流域にほど近い場所で生活することはそれなりのリスクを背負っていると思います。過去の人口の少ないころは危なくてだれも住まなかったような場所にも今はたくさんの人が生活しています。災害対策基本法第1条には「国土並びに国民の生命、身体および財産を災害から保護する」とありますが、それは人間サイドの論理で地球から見れば「やれるものならやってみろ!」でしょうか?(笑)

■現職の土木屋や研究者は本音は言いませんが、やっている者自身は絶対に安全な構造物など金輪際ないと考えています。設計基準とは、予算を獲得するため、国民を納得させるための方便と考えてよいでしょう。
 設計は過去のデータを確率論的に解釈しているだけですが、現実に生きている生身の我々にとって確率論的評価など本当は全く無意味です。たとえ確率的には1万年に一度の再帰確立の自然現象でも、それは明日起こっても全く不思議はないのですから・・・・。自然現象(災害)を人間社会の中に内部化して、飼い慣らそうなど、傲慢極まりない発想です。自分が危ないと感じたら、いくら行政や偉い先生が安全だと言っても自分を信じて身を守るしかないと考えています。
 話がだいぶ飛んでしまいましたが、沖積平野は河川が氾濫するから沖積平野となり、肥沃な土壌を形成しているわけですから、そこに人が集中して住めば、(人災としての)水害は必然的に発生します。強固なダム連続堤は、強固になるほど破堤時の災害は激甚なものになりますし、無邪気に安全性を信じる人は、生活の利便性のみのために危険を忘れてますます集まってきます。この繰り返しでは災害は絶えません。自然現象、例えば大水をごく普通に起こる現象として共存することが最も安全な対処法だと思います。
 さて、面的なとは、直接的には河川の後背地の遊水機能を利用することになると思いますが、広い意味では、河川の集水域全体(着目している河川に水が流れ込む地域を囲む分水嶺で囲まれた地域)の山の上から河川に至るすべての土地利用を含むものと考えています。そこには、自然林、経済林、里山の雑木林から、畑地、水田の配置、居住地域の配置や道の配置まで、あらゆるものを含めたグランドデザイン、そして管理保全のありかたまで含めた検討を行うのが理想です。
 ダムがだめなら代替案(=代替構造物案でしかないようですが・・・)をすぐ出せなどと言う扇氏や長野県の議員諸氏の主張は、こうした視点を全く持っていない、古い形の土建屋行政でしかないと考えています。土木行政が環境の視点を持つためにはまだまだ時間がかかりそうです。

 現在の治水工法は、平面形状としては河川流路をなるべく直線的にし、同時に河川断面を大きくすることによって、河川勾配を大きくして大量の水を速やかに下流域へ流し去ることを基本にしています。その結果、河川水はエネルギー損失が少なくなり、大きなエネルギーを温存したまま下流へ流れていきます。もし下流部に脆弱な部分があれば大きなエネルギーをもった河川水による被害はその点に集中し、急激かつ激甚な災害を引き起こすことになります。
 ダム・連続堤による治水は、氾濫しなければ災害は起こりませんが、一度災害が発生するとその被害はむしろ大きくなります。自然災害を完全に封じ込むことなど出来ないのですから、結果としてダム・連続堤の建設は水害を大きくすることになります。
 不可避の自然災害ならば、その対処法の基本はリスクの分散、災害規模の縮小が基本的な考え方になります。そのためには、今の治水工法とは逆に、河川勾配を緩くしてなるべく河川水をゆっくり下流に流すことです。これによって、小さな氾濫は多くなりますが、一つ一つの氾濫が及ぼす被害は減り、氾濫自体もダム・連続堤の破綻に比べて緩やかに進行することになり、災害時の避難も容易になると予想されます。
 ただし、ダム・連続堤による治水を単に止めれば済むものではありません。これまでの土地利用は、河川が基本的に氾濫しないことが前提で行われています。ダム・連続堤による治水から脱皮するためには、河川の集水域全体のグランドデザインの変更が不可避です。山林・原野、畑地・水田の維持管理・再配置、居住地域・道路などの再配置など、すべての地表状態の検討、そしてその維持管理に社会的にどう対処するのかというソフト面での対応までも視野に入れて検討しなければなりません。治水対策は、『国家百年の計』であり、十分な時間をかけた対応が必要だと思います。

No.044 (2002/07/17)NHKスペシャル、再考

 梅雨末期を迎えて、今年は太平洋高気圧の西側への張り出しが弱いせいか、立続けに日本に台風が上陸しています。今月はじめにHPを移設して以来、幸い大きなトラブルもなく経過しています。ただ、残念なのは、このホームページを訪れてくださる方の数に比べて、その中でアンケートにお答えくださる方があまりにも少ないことです。ご面倒だとは思うのですが、重ねてご協力をお願いいたします。

 さて、先日NHKテレビで放映された”NHKスペシャル「ヒートアイランド」〜今 東京に何が起きているのか〜”について、感想を述べておこうと思います。NHKのホームページによると、
「都市部だけが異常に気温が高くなるヒートアイランド現象。特に東京は、地球温暖化を上回るペースで暑くなり、その結果、局地的な集中豪雨や大気汚染など様々な問題をもたらしている。ヒートアイランド現象の原因と影響を徹底検証する。」
とのことです。
 ここで言う「地球温暖化」とは、勿論、人為的な二酸化炭素の増加による地球温暖化のことです。番組中でも述べられていましたが、単位面積あたり、太陽光から受けるエネルギー量に匹敵するような途方もない大量の人工的なエネルギーの消費を行う大都市にあっては、周囲に比べて気温が上昇するのは自明のことであり、当然のことながら加熱された大気は膨張し、軽くなることによって低圧部を形成することになります。
 日本のように海洋に囲まれた国の臨海部の都市では、海洋上で多くの水蒸気を含んだ大気が、この都市低圧部に流れ込み、更に軽くなった大気は強烈な上昇気流になることは説明の余地もないでしょう。その結果として、都市型の集中豪雨が頻発するようになったのは、当然の結果です。
 今更こんな当たり前の事を「徹底検証」して何の意味があるのか、私には良く分かりません。ヒートアイランド現象をどうするのか、と言う問題提起をするならばまだしもですが・・・。しかし、これも既に自明のことで、中島正氏『都市を滅ぼせ』(舞字社、1994)にある通り、エネルギー多消費型の近代都市を解体する以外にありません。
 NHKのこの種の『科学番組』には、ほとんど絶望していますが、その影響力の大きさを考えると、賽の河原に石を積む作業は止めるわけにはいきません。環境問題についての悪影響もさることながら、多くの国民から徴収したお金で、こけおどしの金のかかった番組を製作する姿勢も、批判し続けなくてはならないと思います。
 さて、番組の中で、ある研究者が「東京の過去100年間の気温上昇は、約3℃であり、今後100年間で地球温暖化で予測される気温上昇に匹敵する。ヒートアイランドのメカニズムの解明は地球温暖化による気候変動の予測に資することが出来る」というような主旨の発言をしていましたが、いかがなものでしょうか?
 ヒートアイランド現象とは、前述のように都市という限られた地域の局所的な気温上昇による周辺地域との気温・大気圧バランスの変化によって生じる現象です。言われている地球温暖化は(それが正しいかどうかは別として)地球環境の(特に高緯度地帯の)全体的な気温上昇であり、これに伴う全球的な気候・大気循環の変動を局所的な現象であるヒートアイランドの発生メカニズムによって予測するなど危険極まりないと思うのですが、どうでしょうか?
 ヒートアイランド現象を問題にするとき、それはむしろ、局地的な高温域の形成、対流圏上層に向かう強烈な高温大気の噴出による撹乱が地球の大気大循環に及ぼす影響、ひいては頻発する地球規模の異常気象との関連と言う文脈で研究されるべきだと考えます。
 
 さて、もうすぐ夏休みですが、NHKでは、NHKスペシャル”ジュニア版”「宇宙 未知への大紀行」という番組を予定しています。これは既に放映された番組の、子供向けリメイク版のようです。環境問題から注目すべきは第4回放送分です。本編の方ではマッド・サイエンティストとしか思えない、火星のテラフォーミング(=地球化)論者が登場していましたが、今回はどうか、注目の番組です。

7月13日(土) 第1回「クレーターの謎」 
7月20日(土) 第2回「地球の幸運」
7月27日(土) 第3回「地球外生命を探せ」
8月 3日(土) 第4回「もう一つの地球は作れるか」
8月10日(土) 第5回「星のカケラから私たちは生まれた」
8月17日(土) 第6回「宇宙に果てはあるのか」

No.043 (2002/07/01)再び、ご協力のお願い

 ホームページを開設して、この6月で丸2年が過ぎました。以前のホームページのスペースが少し手狭になってきたので先月はサイトの移設作業を行っていましたが、どうやら作業が一段落しました。今日からこのサイトで運用を開始します。
 今回の移設を期に、このホームページを訪れていただいた方との意見交換をこれまで以上に重視していきたいと考えています。当面、意見交換の『仕掛け』としてアンケートを実施することにしました。お忙しい方は、コメントは結構ですのでアンケートに是非ご協力をお願いいたします。(尚、サイトの移設による不具合がある場合はご一報いただければ幸いです。)
 ホームページを開設して2年が経過しましたが、やっとこのサイトも訪れる方が少しずつ増えてきました。訪れる方の最近の傾向として、詳しく分析したわけではありませんが、大学・学校・教育関係と地方公共団体のネットワークからのアクセスが、「感じとして」7割以上あるのではないかと思います。
 訪れる方は、かなりの割合で複数回のアクセスがあるようです。これは、何らかの意味でこのサイトに興味を持って頂いているのではないかと、勝手に解釈しています。出来ましたら、そのあたりの『実態』や、このホームページに対するご意見、ご批判など、生の声をお聞かせいただきたいと思っています。ご協力をお願いします。
 色々な組織の方が訪れて下さっているので、管理人の誠に勝手なお願いなのですが、環境問題に関するお手持ちの情報や、研究成果などを提供していただけるものがありましたら是非、ご連絡いただきたいと思います。また、具体的にはどのような形になるか分かりませんが、このホームページの運営に協力してくださる意志のある方が居られましたら、ご連絡いただきたいと思います。
 このホームページは、環境問題に対する出来るだけ正確な情報を提供することを主要な目的の一つとして運営しています。現状分析の次のスッテプとして、環境問題についての情報をいかに伝えていくかという意味で、環境教育は大きな課題の一つだと考えています。残念ながら、ネット上で見かける環境教育関連のホームページで述べられている内容は、基本的な科学的な分析がおろそかにされ、マスコミから垂れ流されている情報に、その多くを頼っているように感じます。
 環境教育の現場に関わっていらっしゃる方にとって、このホームページの多くの記述は、日頃現場で環境教育として取り上げられている内容と真っ向から対立する議論を多く含んでいると思います。ご意見を是非お聞かせ頂きたいと思います。

No.042 (2002/06/12)グリーンランド氷床移動の加速?
マスコミの科学報道の姿勢を問う

 このところ、環境問題についての『新発見』の報道が続いています。今回は、6月7日付大分合同新聞朝刊に報道されたグリーンランド氷床の移動についてのNASAの研究についての報道を題材に、マスコミの科学報道の姿勢について考えてみたいと思います。まず新聞記事から引用しておきます。
 まず、センセーショナルな表題からです。
北極域のグリーンランド/氷床移動が加速/早い温暖化の影響/NASAグループ指摘
 これだけを見ると、「NASAの観測の結果、(人為的な)温暖化の影響で、予想以上の速さでグリーンランド氷床の移動が加速されていることがわかった」と理解するのではないでしょうか?”人為的”なという修飾は私が勝手に付けたわけですが、これまでの新聞をはじめとするマスコミの報道の「成果」によって、『温暖化=人為的な二酸化炭素の増加による地球温暖化』との認識が広く定着しているので、大多数の人がこのように了解するのではないでしょうか?
 本文から引用します。
・・・衛星利用測位システム(GPS)を使ってグリーンランド中西部の氷床の移動の速さを観測。夏に比較的気温が低く、表面の氷が解ける量が少なかった1996年には1日1.5センチだった氷床の移動の速さが、夏に氷が多く解けた98年と99年には、それぞれ8.8センチ、7.3センチになっていることを突き止めた。
 大きな氷床では、氷の溶解が進んで氷床全体のバランスが変わったり、表面の熱が厚い氷の底部に伝わるまでには長い年月がかかる。このため、表面の溶解が氷床全体に影響を与えるまでには、数百年かかると考えられていた。
 本論に入る前に、ちょっと揚げ足を取ってしまいますが、『溶解』というのは、溶質が溶媒に溶け込むことであって、氷が融けるのは『融解』です。同様に『解ける』は『融ける』の方が適切でしょう。
 さて、この記事の前半だけを見ると、氷床表面の挙動についてしか触れられていません。この説明では後半の氷床全体の挙動については何ら説明になっていません。氷床表面の移動量をGPSで観測して、その移動量が気温の高い夏の方が大きいことは誰が考えてもそうだろうと思うことであって、そんなにたいした発見ではありません。また、最大で厚さ数キロに及ぶ氷床の移動と、氷床表面の移動を直接関連付けるには、かなり無理があるように思います。
 ちょっと、あまりにも荒っぽい説明に過ぎるので、米サイエンス誌のHPを覗いて見ました。私は米語は苦手なので、リードの部分だけをちょっと覗いただけであることをお断りしておきますが、NASAの研究の中心的な内容は、GPSの観測結果ではなく、氷床移動のメカニズムに対する新しい仮説であることがわかりました。
 詳しい内容については、いずれサイエンス誌の日本語版にも載るでしょうから、そちらで確認していただくとして、アウトラインだけ述べておきます。NASAが今回示した氷床移動の仮説は、夏に氷床表面が融けた水が、急速に氷床の載っている岩盤表面にまで移動し、その結果として、これまで考えられていた以上に急速に氷床表面の温暖化による影響が氷床全体の挙動にまで及ぶのではないかというもののようです。以下、米サイエンス誌のHPから紹介文を引用しておきます。解釈に誤りがあるようでしたら、お知らせいただきたいと思います。
Surface Melt-Induced Acceleration of Greenland Ice-Sheet Flow
Ice flow at a location in the equilibrium zone of the west-central Greenland ice sheet accelerates above the mid-winter average rate of 31.3 cm/day during periods of summer melting. The near coincidence of the ice acceleration with the duration of surface melting, followed by deceleration after the melting ceases, indicates that glacial sliding is enhanced by rapid migration of surface melt water to the ice-bedrock interface. Interannual variations in the ice acceleration are correlated with variations in the intensity of the surface melting, from a 1.5 cm/day velocity increase during the low-melt summer of 1996, to 3.8 cm/day in the average-melt summer of 1997, and to 8.8 cm/day and 7.3 cm/day increases during the high-melt summers of 1998 and 1999. The indicated coupling between surface melting and ice-sheet flow provides a mechanism for rapid large-scale dynamic response of ice sheets to climate warming.
 NASAの研究の内容についての検証は置くとして、ここでは新聞報道について考えてみます。今回の新聞報道は、故意にかどうかは分かりませんが、レポートの主題である、氷床の移動に関する機構には全く触れずに、1996年の観測値1.5cmと、98・99年の観測値8.8cm、7.3cmとの間の約5倍程度という比較にだけ焦点を当て、ことさら危機感を煽り立てているとしか思えません。また、温暖化傾向という長期の現象とわずか3年間の局所的な気候の変動を直接結びつける点も疑問が残ります。確かに報道された数値が誤っているわけではないにしろ、世論に大きな影響を与える報道、特に科学報道にあっては、伝える内容の正確さにもっと慎重になるべきではないでしょうか?

No.041 (2002/06/10)拝啓、航空自衛隊様?

 自衛隊が組織的に、情報開示を請求した人の個人情報を管理していることが明らかになりました。こんな時期にこのホームページにも何度か「航空自衛隊」のネットワーク(航空システム通信隊)からのアクセスがあります。時期が時期だけにあまり良い気持ちではありませんが・・・。
 自衛隊が環境問題に興味があるとは思えませんので(個人的な興味で空自のネットワークからアクセスしている「兵隊さん」がいるのかもしれませんが・・・)、多分興味があるのは日本の核兵器開発に関する記述なのだろうと思います。何かこのホームページの記述に誤りがあるでしょうか?もし訂正すべき内容がございましたら、お手数ですが管理者までご連絡ください。

 最近の、有事法制をはじめとする、憲法改正を視野に入れた平和憲法をないがしろにする小泉政権の動き、そして福田氏の非核三原則に言及した発言と、誠にきな臭い時代になってきました。戦後の一時期を除いて、歴代自民党政権は再武装、核武装を常に望んできていることは周知の事実です。しかし、ここまで露骨な発言をする政府はかつてなかったように思います。これまでならば、当然福田氏の首は飛び、内閣も解散というところではないでしょうか?ワールドカップのどさくさに紛れて、有事法制や情報制限を目的とする法案の成立を目指すなど、もってのほかです。このような政府を許している野党も、まことに情けない。所詮、民主党に期待するのは無理だとも思いますが・・・。
 既に、湾岸戦争に始まり、昨年の対テロを口実とした海外派兵という既成事実や、防衛のための最小の軍備を完全に逸脱した自衛隊の兵力を見れば、むしろ核兵器開発は当然の帰結だと思います。よほどの大ばか者か自殺願望がある者でない限り、「国内での利用」を目的とした「自衛のための核兵器」などありえません。核兵器とは相手の領土を先制攻撃して屈服させるための兵器です。核兵器を打ち込み合って戦う戦争など、特に国土が狭く人口の密集している日本にあっては全く無意味です。核兵器に言及するとき、そこには自衛の範囲を超えた戦争行為を想定していると言わざるを得ません。

No.040 (2002/06/05)東大、それともNASA?

 もうあまり触れたくなかった、環境問題に対する『科学的な予測』の問題なのですが、あまりにも面白い記事があったので紹介しておこうと思います。京都新聞6月5日付朝刊からの記事をまず紹介します。

 温暖化がオゾン保護帳消し/NASAが影響予測
 【ワシントン4日共同】今のペースで地球温暖化が進めば、エアコンのフロンを全廃するなどしたオゾン層保護対策の効果が薄れ、オゾン層の回復が遅れるとの試算結果を、米航空宇宙局(NASA)のゴダード宇宙科学研究所のグループが4日、発表した。
 温暖化によりオゾン破壊を進める水蒸気が増えることや、地上とは逆に成層圏の温度が下がり、オゾン層破壊が進むことが原因。「歴史的な成功例」とされたオゾン層保護の国際的取り組みが、温暖化で無になりかねないという。
 同グループは、大気中での化学物質同士の反応や移動のシミュレーションで、フロンから放出される塩素や二酸化炭素、メタンなどの温室効果ガスの濃度変化がオゾン層に与える影響を計算した。

 これは、つい数日前にこのコーナーでも紹介した国立環境研究所と東大気候システム研究センターとの共同研究の『シミュレーション』と全く反対の結果になっています。掲載された新聞は、一方は大分県の地方紙であり、もう一方は京都新聞ですが・・・。
 さて、掲載された新聞は別ですが、オゾンホールの問題について、いずれもそれなりの権威を代表する機関が、全く反対の結果を公表したわけですが、ジャーナリズムとしてはこの問題をそのまま放置しておくつもりでしょうか?これまでの報道姿勢から考えれば、いずれの組織の権威をより重要視するかと言う問題に摩り替えられてしまうのでしょう・・・。
 この報道機関の対応について、個人的には非常に興味があるのですが、環境問題の本質論としては全く不毛な議論だと思います。結局のところ、今回のオゾンホールを巡るシミュレーションは、いずれも信憑性にかけるものであって、この種の予測に一喜一憂することは馬鹿げた事であるというのが、唯一、積極的な教訓なのではないでしょうか?

No.039 (2002/05/30)ITERの国内誘致を考える

 5月30日付朝刊の三面に、「国際熱核融合炉/六ヶ所村へ誘致」という記事が載りました。国際熱核融合炉(=ITER)に関しての技術的な問題の詳細については、既にこのホームページに掲載しています『核開発に反対する物理研究者の会通信 第39号』に詳細に報告されていますので、これを御覧下さい。

 『・・・通信』の中でも触れられているように、既にこの計画から米国は早々と脱退していますし、ロシアは経済的に見てそれほど積極的な参加にはならないでしょう。欧州各国においても、フランス以外はそれほど積極的とは考えられません。ほとんど唯一積極的な誘致活動を進めているのは我が国だけと言っても良いでしょう。
 総費用は1兆3千億円と報道されていますが、技術の困難さ(と言うより、技術的には実現不能でしょう)あるいは不確定性を考えれば、実際の事業がもし実施に移された場合の費用・期間とも報道の数倍あるいはそれ以上になると考えるべきでしょう。
 もし『仮に』設備が稼動するようなことになれば、ITERから放出される放射性物質の総量は原発の比ではありませんし、未知の技術だけに操業時の事故の危険性も非常に高くなります。更に、廃炉後の核廃物処理に関する危険性、あるいは処理コストは膨大なものになることは疑う余地もありません。
 核廃物処理に関する技術的問題は、改めてここで触れるまでも無いと思いますが、我が国が負担することになるであろう数兆円あるいはそれ以上の財政負担は、冷静に考えればとても国民の納得は得られないと思います。
 しかし、ここでも問題になってくるのが「二酸化炭素による地球温暖化脅威論」です。日本政府の見解としては、COP3以降の二酸化炭素排出量の削減という文脈において、原子炉の輸出も含めて、原子力政策を強力に推し進めようとしています。
 核融合が二酸化炭素排出量の削減に結びつかないことは、ほとんど疑う余地はありません。しかし、現状では国民の圧倒的多数が原子力発電や太陽光発電、風力発電は二酸化炭素排出量を削減できると『信じて』おり、二酸化炭素地球温暖化脅威説がこれを強力に後押ししているという構図があります。
 無謀な核融合炉開発(核兵器開発?)を中止させるためにも、一日でも早く「二酸化炭素温暖化脅威論」を葬り去ることが必要だと思います。

No.038 (2002/05/29)オゾン・ホール、おまえもか!

 5月28日付夕刊の一面トップに、「40年後には回復/フロン規制が効果」という大見出しの記事が載りました。環境問題の記事が一面トップになるご時世なのだな、という少し複雑な気持ちになりました。

 さて、その内容ですが、No.36で触れたコンピュータ・シミュレーションと殆んど同じ状況がここでも起こっています。国立環境研究所と東大気候システム研究センターという日本の「最高権威」が「スーパー・コンピュータで詳細に計算した結果」なのですから、これは「事実」なのだということでしょうか?記事から少し引用してみます。

・・・地球温暖化が進行すると、成層圏のオゾン層では地表付近と逆に気温が下がるため、オゾン層の破壊は長引くとの見方もあったが、永島さんらは詳細な計算で、オゾン層がおおむね順調に回復に向かうことを確かめた。・・・(アンダーライン近藤)

 「オゾン・ホール拡大説」の問題点の詳細は、§1の槌田の分析やはれほれ氏の「オゾンホールはなぜできる?」を参照していただきたいと思います。オゾン・ホールがフロンによって拡大するという説が蔓延している背景には、二酸化炭素温暖化仮説の場合の原子力産業界同様、代替フロンの特許を持っている巨大化学産業の暗躍があるようです。それは置くとして、「オゾン・ホールのフロン原因説」「オゾン・ホール脅威説」の問題点をまとめておきます。
 まず決定的な問題として、現象としてのオゾン・ホールの観測データがあまりにも少なすぎて、まだその定性的な挙動すら殆んど把握できていないことです。映像的なデータとしては、NASAのニンバス7号の衛星写真が知られていますが、私の知る範囲ではその観測は高々1978年以降のわずか20年間程度のものでしかありません。このような短期間の観測結果で、果たして現象の周期性やその他の要因についての考察が可能なものでしょうか?
 また、オゾンが何らかの化学現象で大気中で破壊されるにしても、それがフロンを起源とする塩素によるものかどうかも甚だ疑わしいところです。オゾン破壊フロン原因説は、短期間の観測結果を牽強付会にも人為的なものだと仮定して、もしそうならばフロンに含まれている塩素との反応ではないかという「状況証拠」に拠っているに過ぎません。
 このように不確かな20年程度の基礎データを元にシミュレーションを行い、なんと40年先の予測をしようというのはあまりにも無謀としか言いようがありません。
 次に、南極のオゾン・ホールが発生しているのは、8月〜12月という限られた期間であり(北極では春先に発生すると言われますが、南極ほど明確ではありません)、発生する位置は高緯度地方の生物相の極めて希薄な場所です。しかも、高緯度地方では、太陽光の地球表面に対する入射角度が小さいため、波長の短い紫外線の多くは地表に達する以前に宇宙空間へと散乱すると考えられ、オゾン・ホールを通過して地上に到達する紫外線量はそれほど大きくなるとは考えられません。当面オゾン・ホールが生態系の脅威になるとは到底考えられないと思います。
 素人考えでも、この程度の疑問はすぐに頭に浮かぶことですが、「玄関ねた」を自前の検討作業を行わずに無批判に掲載する新聞を含めたマスメディアの「大本営発表」は強く批判すべきだと考えます。
 

No.037 (2002/05/28)パワー・ゲームと化したIWC総会

 No.30で触れたIWC総会が閉幕しました。前回も書きましたが、商業捕鯨に関しての情報にはあまり詳しくありませんが、行きがかり上、マスコミ報道として聞こえる範囲で感想を述べておきたいと思います。

 IWC(国際捕鯨委員会)総会の全体の印象としては、正に温暖化問題におけるCOP(国連気候変動枠組条約締約国会議)と同質の科学性を無視した先進国間のパワー・ゲームではないかと感じました。商業捕鯨再開を求める日本を中心とした水産国と、これに反対する米・欧との間の行き過ぎた(ODAや経済的な圧力まで含めた)多数派工作は、冷静な議論の場には全くふさわしくない状況に見えました。
 しかし、COPの場合とは異なり、少なくとも漁業資源としての鯨の生息状況を調査したデータに基づき、部分的な商業捕鯨の再開を主張した日本政府の方が正論であり、冷静な科学的議論を行わずに、あまりにも感情論に走る米・欧の主張には全く説得力を感じませんでした。
 断片的な議論しか報道されなかったわけですが、私の見た報道では、日本の沿岸のミンク鯨の生息数の回復状況を論拠に沿岸域での捕鯨再開を求める日本に対して、反対国の委員は「当面はホエール・ウォッチングでもしておいてはいかが」などと言うとんでもない主張で答えるというありさまです。
 COPにしろIWCにしろ、現状では国際政治あるいは経済政策における駒として二酸化炭素や商業捕鯨を使って覇権争いをしているだけのようです。いずれの議論も人類の生存戦略として、感情論を排し、冷静で科学的な議論の出来る場を再構築することが不可欠だと感じました。
 ちょっと気になったのは、海外のNGO(?)と一緒になって日本の商業捕鯨再開に反対する国内のNGO(?)の皆さんの対応です。少なくとも米・欧の科学的な議論を行わない姿勢よりも日本の主張の方が少しはましだと私は感じるのですが・・・?何となく二酸化炭素地球温暖化を無条件に信じている皆さんと同じような印象を受けました。

No.036 (2002/05/27)科学信仰としてのCO2地球温暖化

 観測結果とは多くの点で矛盾している「人為的な二酸化炭素増加による温暖化仮説」ですが、なぜここまで広く一般に信じられているのか、非常に不思議です。このあたりの事情は、薬師院氏の前掲書の中の第1章『コンピュータの中で生まれた危機』、第3章『社会問題としての地球温暖化問題』の中で取り上げられているのでそちらを参照していただきたいと思います。
 薬師院氏の著書の中で、安部公房氏の「第四氷河期」という作品が引用されています。この中で、ある科学者の発明した『予言機械』が非常に重要な要素になっています。薬師院氏は、コンピュータ・シミュレーションを予言機械になぞらえて現在の社会状況に警鐘を鳴らしています。ここでは、コンピュータ・シミュレーション=数値実験の信頼性と適用の限界について考えてみることにします。

 コンピュータ・シミュレーションとは、ある現象について色々な状況によって、直接実物や模型を使って実験出来ないような場合に、その「現象の数値的な表現が可能な場合」に、電子計算機を使ってあるアルゴリズムに従って数値的に計算を行うことによって現象を模倣・再現しようとするものです。
 模倣しようとする現象が比較的単純な場合には、(模型)実験と数値実験を繰り返し、数値実験が(模型)実験を適切に表現できるかどうかを確かめながら、数値モデルの改良を行い、(模型)実験を実用上十分な精度で再現可能だと判断された場合、はじめてその数値モデルを使って同種の問題の予測に適用することが可能になります。
 気象予測に用いられている数値モデルは、大気大循環モデルあるいは大気・海洋混合層モデルと呼ばれるもので、これをスーパー・コンピュータを使って数値計算しています。スーパー・コンピュータを使って膨大な計算の結果得られた結果だからといって、得られた結果が信頼に足るものであるかどうかは全く別次元の問題です。
 しかし、こうして得られた数値実験による予測は、その数値実験の過程を検証する手段をもたない一般の者にとっては、「予言機械」によるありがたいご宣託として「信じる」対象になっています。これが科学信仰です。
 この数値実験は、権力者あるいは経済力のあるものにとっては、大衆をコントロールするためには極めて都合の良いものです。場合によっては、設定するパラメータを恣意的に操作することによって、自らに都合の良い結論を導くために利用することも不可能ではありません。
 話を元に戻します。数値実験が余人には計り知れない、極めて高度で精緻な数値モデルによって構成されていたとしても、それ自身には大きな意味はありません。問題は『数値実験の結果が、適切に現実の気象現象を再現できる』かどうかです。素人で、気象現象や数学的なモデルに精通していなくたって、数値実験に対する評価を下すことは可能です。現実の観測データを数値実験によって適切に再現できているかどうかを判断しさえすればよいのですから。
 この観点に立てば、現在の気象予測、特に二酸化炭素による温暖化を予測した数値モデルは、過去の観測データと著しく違う結果を導くものであり、実用に耐えるものではありません(この点については、公開討論の参考資料を参照してください)。到底、外挿的に将来の温度上昇の予測になど利用できるものではないことは明らかです。まさか、数値実験の方が正しく、観測値という「現実」の方が間違っているのだと言うのでしょうか?
 さて、では数値モデルを更に精緻化することによって、数値実験の結果が改良される可能性はあるのでしょうか?経験から言うと、数値モデルの精緻化は必ずしも良い結果には結びつかないと思われます。気候現象に限らず、自然現象の多くは非線形現象であり、それが複雑に関連しあっています。個々の現象だけ取り出しても連続的な変化ばかりでなく、特異点や不安定な分岐、飛移もあるでしょう。繰り返し計算による誤差の蓄積、解の発散など、信頼に足る結果を安定的に得ることは極めて困難だと思います。精緻なモデルになるほど、条件に敏感になり、不安定性は増すのではないかと考えられます。
 これまでの科学的な手法は、現象を分析的に細分化し単純化することによって理解してきました。もし仮に、あらゆる現象を細分化してモデル化することに成功しても、それを集めることによって全体像を表現できるモデルを作り、これに膨大な数に上るパラメータに対して適切な初期値を与えて、意味のある結果を得ることは、ある意味で「全知全能の神の業」であり、人間にとっては不可能だと考えます。スーパー・コンピュータはいくら演算速度が速くなったとしても、所詮「電子計算機」であり、「予言機械」にはなり得ないのです。

No.035 (2002/05/16)経済戦略としてのCO2地球温暖化

 公開討論とも関連して、二酸化炭素地球温暖化について何回かにわたって書いていこうと思います。

 このホームページで「人為的な二酸化炭素の増加による地球温暖化」の問題(以下断りなしに温暖化といえばこの問題を指すことにします)と代替エネルギー問題を取り上げているのは、この問題が環境問題において本質的に重要な問題であるというのではなく、むしろ環境問題の本質を隠蔽する役割を担っているという「社会的な」意味における重要性からです。環境問題を考える上では、後ろ向きの検討作業なのですが、環境問題を冷静に議論するにはどうしてもこの問題を避けてとおるわけには行きません。まずこの点を確認しておきたいと思います。

 温暖化が問題視され始めた背景は、原子力産業の斜陽化を何とか梃入れするために、米国の御用学者が言い始めたという説がかなり信憑性が高いようです。また、環境問題に比較的冷淡であったフランスも、同様の理由で温暖化問題には熱心なようです。そして我が国政府も同じです。このあたりの事情は薬師院仁志 著 『地球温暖化論への挑戦』 八千代出版 (\2,000)に詳しいので、興味がある方はそちらを御覧下さい。
 公開討論の参考資料で示した観測データに限らず、温暖化説を否定する観測データはそれこそ枚挙にいとまがありません。それにもかかわらず温暖化がこれほど広く信じられているのは、政府・産業界がこぞって温暖化支持であり、その結果として温暖化支持の学者でなければ研究費が得られないという状況があるためのようです。付け加えれば、科学的検証の出来ない、権威追従の全く無能なマスコミの存在も大きな要因になっています(もっとも、No.33で触れたように、NHKのように原子力推進のいわば確信犯も存在します)。
 では、先進国政府並びに産業界がこぞって温暖化を支持する背景は何でしょうか?一言で言ってしまえば『エコ』は商売になるからにほかなりません。大きいもので言えば、「二酸化炭素を排出しない原子力発電」という巨大市場があります。経済性からの苦戦で斜陽にある原子力産業界にとっては千載一遇の巻き返しのチャンスですし、核兵器保有国にとっては核兵器を維持するための必要経費の支出に正当性を持たせる意味もあります。
 更に、一般的な工業製品の世界市場では、人件費の安い後発の工業国の追い上げによって、市場占有率の減少している先進工業国が、『環境技術』による製品の差異化によって、再び世界市場におけるシェアを拡大する大きなチャンスと見ているからです。
 更に、『エコ』製品は、例えば自然エネルギー発電システム(風力・太陽光など)に対して、二酸化炭素を出さない環境にやさしいシステムなのだから、多少のコスト高はやむをえないと言う消費者意識と、国家的な財政補助によって産業界にとっては非常に魅力的な市場を形成しているといってよいでしょう。これを下支えしているのが、先進国の都市住民という比較的裕福で、温暖化に関心を持っている『善意』の消費者が存在しているからです。
 エネルギー産業に限らず、自動車産業、電気産業を中心にあらゆる工業分野において『エコ』商品は収益率の高い新たな市場であり、『エコ』の名を冠することは先進工業国の企業の生き残り戦略として、いまや中心的な課題になっているのです。
 こうした企業の『エコ』戦略を理論的(?)に下支えしているのが人為的な二酸化炭素増加による地球温暖化説の存在なのです。環境問題は、これまでの政治課題と全く質が異なっているのは、この問題が人間社会の問題であると同時に、地球環境という物理的な実体を背景とする、自然科学の対象となるべき問題なのです。それ故、私たちはその政策判断以前に、環境問題の実態を理論的に理解する努力をしなければなりません。

No.034 (2002/05/12)CO2地球温暖化、再考

 公開討論を企画して以来、幾つかのHPの環境問題の掲示板を覗いてみました。二酸化炭素による地球温暖化について、これを疑うような書き込みはほとんどありませんでした。人為的な二酸化炭素増加による地球温暖化という『既定の事実』があり、これに如何に対処すればよいのだろう、というのが主流の論理展開のようです。
 公開討論のたたき台となった慶応の学生からの意見や疑問も、おおむね同じような傾向を持っているようです。また、公開討論にその後参加してくださった、Yokota氏もまた然りです。
 マスコミをはじめ、日常生活でよく耳にする情報こそ正しい情報であり、耳慣れない情報や少数派の情報は、何か異端のように思われるようです。
 二酸化炭素による地球温暖化の問題に興味を持っている方は、多かれ少なかれ環境問題に関心があり、善意から行動しようと考えている人です。その善意は疑うものではありませんし、敬意を表します。しかし、その善意ゆえ、最も基本的な問題点であるはずの、「人為的な二酸化炭素の増加による温暖化」が理論的に疑わしいなどという主張は、いわば既存の環境問題に対する最も基本的な理念に対する全否定と受け取られ、理論を検討する以前の拒否反応が強いようです。
 このような状況の中で、槌田氏の『CO2温暖化脅威説は世紀の暴論』という少数派の主張は、いくら客観的な観測データや理論を積み上げても、理論的な検討以前の段階で、なかなか受け入れられないという状況があります。また、本来ならば共に行動すべき環境保護運動の中からも、排斥されるというリスクが大きいのも事実です。
 この公開討論を通して、少しでもたくさんの方の疑問や意見を聞き、それを元に意見交換をすることによって温暖化(問題?)についての冷静で『科学的な』認識を深めていくことが出来ることを期待しています。

 今回、公開討論のための参考資料として、幾つかの観測データを提示しました。これを素直に見る限り、なぜ人為的に付加された二酸化炭素の増加が、近年の温暖化の第一次的な原因という仮説に結びつくのか、私にはどうにも理解できません。皆さんはどう思われますか?

No.033 (2002/05/09)拝啓、(財)原文振さま

 このホームページにアクセスしてくるのはどのような人がいるのか、アクセス解析の結果をたまに見に行くことがあります。最近は、学生さんなのか職員の方なのかわかりませんが、大学関係からのアクセスが目に付くようになりました。
 そんな中で、ちょっと珍しい方からのアクセスがあったので紹介しておこうと思います。それが表題の『(財)原文振さま』です。正式には、『財団法人 日本原子力文化振興財団』というそうです。素直に読むと日本の「原子力文化」を振興する財団ということですか・・・。「原子力文化」というのは何なのだろうと思い、早速、原文振のホームページにアクセスしてみました。


主な事業活動

● 内外情勢の調査研究
● 報道関係者を対象とする情報資料の作成、原子力講座の開催、取材協力
● 中学・高校の生徒や教育関係者を対象とする啓発普及活動の実施
(「原子力の日」記念中・高生作分・論文募集、高校生対象の放射線実習セミナー、教育関係者対象の原子力講座等の開催)
● 地方自治体職員や議会関係者を対象とする原子力講座等の開催
● 一般市民との懇談会や原子力に関する情報資料の提供、質疑応答
● 科学技術週間や原子力の日記念行事の開催、原子力施設見学会等の実施
● 新聞,雑誌などの媒体を通じての広報
● 国際交流の促進
● 原子力関係VTR、写真等資料の提供、貸出
● 各種広報素材(出版物、VTR)の作成、頒布
● 「未来科学技術情報館」の運営



 要するに、原発の建設を円滑に推進するための露払いのための宣伝活動をする財団なのだとわかりました。このような組織から私のHPがアクセスされるとは、大変光栄なことです。私のHPの中に原文振様を震撼させるような内容があればいいのですが・・・。今後そのように努力していきたいと思いますので、原文振様におかれましては、よろしくお付き合いいただきたいと思います。
 冗談はさておき、もう少しその実態を見るために、役員の構成を覗いてみました。大体予想通り、各電力会社、核関連企業の役員、太鼓持ちの御用学者、そうそうたるメンバーです。その中で「んっ」と思わずうなってしまった人物がいます。平成13年11月22日付けの新任の理事の中に『日本放送協会編成局担当局長 二宮 知道』なる人物がいたのです。これは、要するにあの巨大マスメディア、天下のNHKの現職の局長ですよ。
 法的にはともかく、日本最大のマスメディアの現職の局長が、原子力推進の旗振りをする組織の理事に名を連ねるというのは、マスコミの道義から外れているのではないですか?

No.032 (2002/05/01)公開討論への参加のお願い

 新しい試みとして、テーマを絞って集中的に一つの話題について意見交換を行う『公開討論』のコーナーを新設しました。今回は、世間で最もホットな環境問題に関する話題の一つである地球温暖化をテーマにしています。このホームページに掲載している槌田敦氏の「CO2温暖化脅威説は世紀の暴論」について意見交換することによって、二酸化炭素温暖化説の問題について認識を深めることを目的にしています。槌田氏のレポート、公開討論について御覧いただき、率直なご意見や疑問をお寄せいただきたいと思います。
 このホームページで取り上げることのできるテーマは、HP管理者の能力の限界から、どうしても限られたものになっています。出来るだけ、多くの人が関心を持つ話題を取り上げるようにしているつもりですが、どうしてもそれだけでは環境問題についての必要十分な情報を提供することは出来ません。あくまでも、このホームページを環境問題についての新たな視点を獲得するためのきっかけにしてもらえれば、それで十分だと考えています。
 理論的に更に詳しい、あるいは厳密な議論や、このホームページではカバーしきれていないテーマについては、今後文献紹介やネット上の情報を充実することで対処したいと考えています。興味深い文献やホームページがありましたら、情報をお寄せいただきたいと思います。
 今回は、槌田氏からの推薦図書を紹介しておきます。薬師院仁志 著 『地球温暖化論への挑戦』 八千代出版 (\2,000)。温暖化論の特徴をよく整理した内容となっているそうです。私もこれから読もうと考えています。

No.031 (2002/04/24)循環型社会を実現するための20の視点

 このホームページの内容は、既にご承知の方も多いと思いますが、エントロピー学会の研究成果に多くのことを教えられています。エントロピー学会が発足して20年の節目にあたって、昨年のエントロピー学会第19回シンポジウムで提案され、その後の討論で改定された内容が『循環型社会を実現するための20の視点(案)』という形でまとめられました。
 これは、いわゆる通俗的な「環境にやさしい・・・」的なハウツー物とは異なり、すぐに私たちが「お気軽に」実行できることをまとめたものではありませんが、環境問題を実効ある形で克服していくための重要な指針を簡潔にまとめた内容になっています。
 ともすれば、「何かしなくては!」という焦燥感から、たとえ善意からではあるにしても、何となく環境に良さそうで、お手軽な行動に走るケースが多いように感じます。個人的な取組みには敬意を表しますが、環境問題という、今日の人間社会の生産から消費にいたるすべてのシステムが関与している問題を克服するためには、社会的なシステム全体の変革を視野に入れた行動がなくては実効あるものにならないと思います。
 そのためには、まず環境問題の本質・全体像を的確に把握した上で、それに対処するためには私たちはどのような生産・流通・消費システムを創る必要があるのか、またそれに対応したどのような社会システムを構想すべきなのかを検討することが必要です。
 残念ながら、今日の社会状況は環境問題の本質的な議論さえまともに行える状況に無く、「とりあえずのお手軽な」環境対策を散発的に打ち出している状況です。環境問題に正面から向き合った議論ができる状況を作るために情報提供を行っていくのがこのホームページの目的だと考えています。

No.030 (2002/04/18)海洋生物資源の利用を考える

 来る4月25日から、IWC(国際捕鯨委員会)の年次総会が山口県の下関市で開催されます。

 捕鯨および鯨の生息状況に関してあまり詳しくないので、いわゆる『商業捕鯨』が是か非かという論争に首を突っ込むつもりはありません。この問題については、「Greenpeace Japan プレリリース 2002/03/07 捕鯨推進派からの捕鯨問題に関する公開質問に回答」などを参照してください。ここでは、捕鯨を含む海洋性の生物資源の利用全般について考えてみたいと思います。
 地球には太陽光を起源とする熱エネルギーの供給や天体としての重力場によって、様々な循環が存在しています。大気・水循環、そしてこれに起因する物質循環などです。ここでは特に、生態系における生物資源(これには糞尿や屍なども含みます。土も生物資源といっても良いかもしれません。)の循環について考えてみます。
 生体物質=生物資源は生態系の食物連鎖やバクテリアによる分解を通して生態系の中で循環的に利用されています。しかしながら、地球上の重さのある物質の運動は重力によって支配されています。水のように、地球上で氷・水・水蒸気という変化が許されている物質は本質的な意味で循環を形成することが可能ですが、それ以外の物質は最終的には『重力分布』に従って分布する方向へ、一方的に向かっています。
 地球上に生態系が存在しなければ、物質が重力分布に従う最終状態への移行はかなり速やかに行われると考えられます。生物資源を含むすべての物質が密度に応じて軽いものほど上に、重いものほど下に分布することになります。つまり、風化や地表水によって削り取られた物質は流水によって山から臨海部へ、そして海に運ばれ、やがて深海底へと沈降していくことになります。
 陸上生態系があり、陸上部における物質循環が存在することによって(生体)物質が河川から海洋に流失する速度はかなり遅くなると考えられます。また、一旦河川や海洋に流失した陸性の生物資源も、魚をはじめとする水棲生物の陸棲生物(鳥類も含む)による捕食そして陸上部への排泄によって再び陸上へと還流していきます。
 海洋の中においても、海洋生態系による物質循環が存在しています。また海水という密度の大きな液体の満たされた環境なので、陸上とは異なり、水流による生態系の関与しない物理的な運動による物質循環も大きな意味があります。特に重要なのが湧昇流と呼ばれる海底から海面に向かって流れる海流です。湧昇流によって一旦海底に沈んだ栄養分が海面近くに運ばれることによって、これが海洋生態系の循環を豊かにしています。経済的に言えば、湧昇の起こる海域は良好な漁場になります。
 このように、陸上生態系と海洋生態系、そして海と陸を繋ぐ、重力場に抗して行われる海洋から陸上への生物資源の還流が生態系の生物資源の大きな循環構造を形作っています。
 しかし、生態系の存在があっても、生物資源が最終的に海洋深海部へ流れ込んでいくという大きな流れは常に大きな圧力になっています。ひとたびバランスを壊せば、この流れは一気に加速されることになるかもしれません。工業化が進行し、陸上生態系が破壊され、山林の草地化、あるいは沙漠化が進行し、また人糞尿(処理・未処理を問わず)などの生物資源の海洋投棄によって、定性的に見て、すでに生物資源の陸と海との存在バランスは海のほうへ大きく傾き始めていると考えてよいのではないでしょうか?
 このような状況を考えると、海洋生物資源を積極的に陸上へと還流させることは陸上生態系(もちろんその中には人間社会も含まれます)を豊かにする上で非常に重要だと考えます。もちろん、それ以前に陸上の生物資源を海洋に垂れ流すことによる富栄養化による海洋汚染を極力減らすこと、例えば人糞尿の陸上における循環利用のあり方などを検討することが必要ですが・・・。
 さて、このように考えてくると、捕鯨も含めて漁業は海洋性の生物資源を陸上へと還流する大きな意味を持っていることがわかります。ただし、食べた後の排泄物をすぐ水洗トイレから海に戻してしまうという都会的な生活様式では、陸上への生物資源の還流は期待できません。陸上を豊かにするどころか、これでは海洋の持つ栄養分解能力を超えた物質の流入による富栄養化で海洋を汚染するだけです。
 人間の『食』を通した生物資源の循環を軸とした、生活様式や社会構造の根本的な見直しが必要です。その上で人間社会の安定的な生存戦略として、例えば動物性蛋白資源を摂取するには家畜や家禽に飼料を与えてこれを利用すべきか、海洋生物を利用すべきか、あるいは双方をどのようなバランスで利用すべきかを冷静に検討する必要があると考えます。
 その際、家畜・家禽は人間が食用のために飼育しているのだから食糧にして良いが、鯨は自然の動物だから利用してはいけないだとか、鯨は高等動物だから利用していけないという議論は無意味なことです。問題は、人間社会を持続的に維持していくという目的において、生態系における生物資源の安定的・持続的な循環を如何に確保するのかという視点からの冷徹な生存戦略として捉える必要があります。

No.029 (2002/04/01)農産品偽装と環境問題

 雪印食品の畜産加工品の内容を偽った表示が発覚して以来、次から次に類似の偽装事件が起こっています。大手・中堅の食品加工業者、さらには生産者に最も身近であるはずのJA関連の加工工場でも日常的に偽装が行われていたことが発覚しています。
 今回の事件は、それほど驚くことではなく、それどころかもっと普遍的にいたるところで行われているだろうと思います。大量に市場に流通する農畜産物・加工品のかなり多くが偽装されていると考えても、当らずといえども遠からずだと思います。農畜産品をはじめ、食品の供給に比較的まともだと考えられていた生活協同組合も、この状況から免れることができずに、偽装された商品を組合員に供給するという事態(失態!?)も起こっています。情けないことです。
 この「事件」は、表面的には商品の内容の不当表示ないしは内容詐称による詐欺行為ということになりますが、本質的な原因はもっと深いところにあると思います。
 現在の商品経済において、生物としての人間の生存に欠かせない、そして地球の生態系の持続的な物質循環に直接結びついている食糧さえ、雑多な「商品」の中の一つとして、世界市場の中で大量かつ長距離の流通によって供給されるようになっています。その結果、商品としての食糧品に求められる最大の要求は、「安価で安定供給される」こと、になっています。商品としての虚飾を取り払った、食糧の生産・消費という生態系の中の生物としての本質的な営みは、通常消費者は殆んど意識していないといってよいでしょう。
 今回の事件の本質は、食糧という生物資源を商品経済の中の単なる一商品として扱っている今日の経済構造そのものに起因していると考えられます。
 生物資源は工業生産物のように、そう簡単には生産調整はできないのです。特に環境が色々な面で汚染されている状況下で、手間ひまのかかる安全性に気を使った農畜産品を安価かつ市場の要求に必要な量を即座に供給できるわけが無いことは冷静に考えればあたりまえのことです。食糧を単なる商品として扱う=「安価に安定供給される」商品の一つとみなす経済構造・消費者意識が変わらない限り、今回と類似の事件は繰り返し起きることになるでしょう。
 生協について、少し触れておきます。今回の事件で見事に足元をすくわれてしまいましたが、この事態は必然的なものではないかと思います。今このキャッチフレーズを使っているかどうかわからないので、誤っていればご指摘いただきたいのですが、「より良い品をより安く」供給することは、工業製品ではいざ知らず、農畜産品をはじめとする食糧供給ではありえないことです。また、食糧品において、安さや品揃えを「充実」するための特産地の形成や長距離輸送は物質循環から見て好ましいものではありません。
 生協は、一般の流通業者と伍していくために、自らも流通業者の中に埋没して、設立の趣旨や食糧に対する倫理観を見失っているように感じます。分厚いカタログや、その内容を見るにつけ、どこかのカタログ販売の通販業者とどこが違うのだろう?と思うのは私だけではないと思います。

 最後に、私の地元で平飼いの鶏の卵を生産している方の発行しているミニコミ誌から、今回の問題についての文章を引用しておきます。

そんなことから無縁な生き方

 このところ、ホルスタインの肉が和牛肉に変わったり、白ブタが黒ブタに化けたり、ミニトマトの産地が変わったり、まことににぎやかなことである。このことに関して消費者は「何を信じていいのかわからなくなった」とうろたえているが「わからなくなる」ことはない。自分で食い物を作るか、信頼できる生産者から直接買えばすむことである。「そんなことはできない」と言うのであろうが、自ら、そういう大都市の生活を求めて農村や地方都市を出て行ったのだから、それは自業自得というもの。まして「消費者には安全な食料を得る権利がある」とでも思っているとしたら言語道断?
 確かに儲けのためにラベルを貼りかえる業者に弁明の余地はないが、そんなことのできない制度の構築に頭を悩ますより、私たち農村、地方都市に住むものは『そんなこととは無縁の生き方』を目指したほうがよほど賢明だし現実的だと思うのだが・・・。竹田市でも有機農産物の認証制度に独自に取り組もうと準備中である。この取り組みが、白ブタ・黒ブタの世界にまぎれ込むのではなく、『・・・無縁の生き方』の実現への支えとなることを願っている。
(たまたま通信 復刊No.42 より転載)

No.028 (2002/02/19)日本はどうなってしまうのか?

 世界中の国を軍事力による力の政策(=恐怖政治)で牛耳ろうとするアメリカ合衆国のブッシュ氏が来日し、わが無能なる小泉首相は、ブッシュ氏のこうした凶暴な政策に『理解』を示してしまいました。西欧先進国のNATO加盟国の中からさえ異論の出ているブッシュ氏の凶暴な政策に、平和憲法を持つわが国政府が理解を示すなど、私には全く理解不能です。
 また、温暖化議論はともかく、二酸化炭素排出量削減を目指した京都議定書を無視し、全く実効性の無い二酸化炭素削減政策を『独自』に打ち出したブッシュ氏に対してこれまた『理解』を示す小泉氏には、環境問題に対する積極的な政策を期待することは全く無理でしょう。いわく、『(更なる工業化を推し進めることによる)経済成長と環境問題の解決は両立しうる云々』。実に能天気なものです。
 また、今日は国会で田中元外相と鈴木議員に対する参考人質疑とそれを受けての予算委審議があったわけですが、小泉氏をはじめとする閣僚の非論理的な答弁を聞いていると、一体この国はどうなってしまうのだろうかと、非常に不安です。

 さて、今回の更新で槌田敦氏の「研究ノート 石油文明の次は何か」をこのホームページに公開することができました。このレポートは以前から公開させて頂くべくお願いしていたものですが、丸一年かかってやっと公開にこぎつけました。これで今年の目標の半分は達成できたような気がしています。このレポートに対するご意見・質問をお寄せいただければ幸いです。

No.027 (2002/01/29)環境問題にどう取組むか

 久しぶりの更新です。今年になって初めての『管理者から』です。

 先日、電力供給の自由化に伴い、新規に電力事業に参入する事業者に対して、原発を維持するための分担金のようなものを求めるという考え方が示されました。ついに、原子力発電の経済的な優位性が、推進者の側からも完全に否定されたわけです。電力の自由化によって、本来ならば経済的に淘汰されることが必然である原発を、ここまでして維持しようとする背景は何なのか?冷徹に見極めなくてはなりません。
 また、衛星打ち上げ用ロケットを、経済性を無視して是が非でも独自開発しようとする姿勢、更にはアフガニスタン問題を突破口に加速する有事法制論議などを勘案すると、日本政府が戦略核による核武装を念頭においているということは、かなり信憑性が高いのではないかと思います。こんな不安が杞憂だと言うのならば、日本政府は原子力開発に対する国家的な梃入れから手を引いて見せる必要があると考えます。

 さて、今年のホームページの予定(と言うよりは、私の希望に近いのですが・・・)について触れておきます。これまで約1年半にわたって、環境問題の現状についてのレポートを掲載してきました。この間のレポートで環境問題の本質的な問題がある程度明らかになってきたのではないかと考えています。要約しておきますと、地球上の大気・水循環および生態系を中心とする物質循環の(準)定常性を破壊して不安定な状態にすることが環境問題です。環境の変化と環境破壊(問題)は同義ではありません。生物活動を行う場の気温が多少上昇・降下することや、炭酸ガス濃度が多少上昇することが即、環境破壊ではありません。変化した環境中でそれに応じた大気・水循環および生態系を中心とする物質循環の定常性が保証されるならば、それは環境破壊ではないと考えられます。
 これまでの議論を踏まえた上で、今年は現実の人間の社会システムのどこに環境問題の原因があるのか、どうすれば環境問題を克服してゆけるのかを考えていきたいと思います。ご意見・疑問などをお寄せください。

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