No.990 (2015/04/14)新年度を迎えたPTA・・・

 

 このところ、バタバタしており、また天候が不順でもありあまり外出していませんでしたが、久々に近くの山にリフレッシュに行ってきました。この時期(4月12日)、大分から阿蘇の高原地帯の草原では、野焼きした後でまだ背の高い草が無いためにはキスミレの群落があちこちに見られます。この花は、かつて日本がアジア大陸と陸続きであった頃の名残=満(州朝)鮮系の植物です。小さな花なので、道を急ぐ車からはあまり気づかないかもしれません。

 さて、娘は大学に進学して親元を離れましたので、人としての仕事は大方終わったようなものです(笑)。娘の卒業した高校にこの春入学する子を持つ家内の知り合いによりますと、今年度はPTA加入は強制ではないが、昨年の加入率は99%以上(笑)だと説明されたとか・・・。微々たる変化ですが、それなりに私の抵抗もムダではなかったようです。皆さんの努力で更にPTA改革が進むことを期待したいと思います。

 PTA問題と同様に、環境問題以外でこのHPの重大テーマであるNHK問題、中でも受信料問題ですが、思えば久しく集金人さんが訪れなくなっていることに気づきました。改めてこのことに気付いたのは、娘の下宿(?と呼ぶには贅沢すぎですが、時代が違いますか・・・)に引っ越して早々にNHKの集金人が受信契約を結ぶように訪れたからです。娘は、テレビは持っていないと言ったのに対して、携帯電話のワンセグ放送で(NHKが)見られるでしょう、と契約を迫ったそうです。厚顔無恥というか、恐れいります(笑)。集金人は後日親御さんと話したいと言って帰ったそうです。
 後日集金人から電話がありましたが、私はNHKを受信契約してまで見るに値しない、公共放送ではなく大本営発表組織だと考えていますので受信契約は結ばないこと、どうしても受信契約を結びたいのなら私の主張に対して、これを覆すだけの合理的な説明をもって契約を取る努力をすべきことを話しました。籾井のようなとんでも無い人物を会長として戴くようになり、増々契約する意思は失せています。娘に対しては、私が契約を結ぶまでは契約することを認めないので、娘の契約を取りたいならば、まず私と契約する努力をするように話しました。今のところ私のところにはNHKの集金人は来ていません。

 先日、思いがけない方からメールを頂きました。風力発電問題でお名前を存じ上げてはいたのですが、直接お会いしたことのない方です。お子さんが熊本市でこの春高校に進学されたところ、お決まりの通り、早朝の補習講義に対して受講料を請求されたそうです(早朝の補講の有償化は文部省通知にも反することです)。ネット上で情報を検索していたところ、このHPにたどり着いたようです。
 この方は以前は、都会に暮らしていたのですが、地方都市に来てその保守性、官僚主義的な体質に強い違和感をお持ちになったようです。しかし、熊本市が特殊なのではなく、地方では多かれ少なかれどこでも似たような状況です。
 むしろ、私の経験から言えば、都会はソフトな仮面で本性を隠してはいますが、本質は同じだというのがこの日本という国だということです。一見ソフトで訳知り顔であるだけに、むしろ都市のほうが問題は根深いといえるのではないかとさえ考えています。田舎では問題が顕在化して衝突が表立っておきますが、都会では大多数の人のほうが何を言っても仕方ないと、自ら矛を収めてしまいます。いずれが危険なのでしょうか?

 

No.989 (2015/03/19)個人情報管理に無頓着な大分県の県立高校B

 私の娘は、大分県の県立高校を卒業し、春から大学に進学することになりました。

 このところ、北九州予備校から電話や勧誘のダイレクトメールが送られてきました。ダイレクトメールに記載されていた電話番号に問い合わせて確認したところ、娘が県立高校に在学中に受験していた大学入試の模擬試験の折に得たデータを使って電話をしたりダイレクトメールを送っているということでした。

 この、模擬試験における個人情報の管理については、娘が県立高校に入学した当初、2012年4月に高校から模試を行う事業者に対する開示に同意するように求められました。しかしその同意書では、個人情報として何が公開されるかどうかも記されておらず、また取扱についてどのようにするのかの説明もないもので、とてもサインできるような内容ではありませんでした。そこで、高校に抗議するとともに取り扱いの改善を申し入れました。その折に提出した文章を掲載しておきます。


 娘が県立高校に在学している期間にも、進研模試を実施しているベネッセが大量の顧客情報漏洩事件を起こしたことはご承知の通りです。

 今回、北九州予備校から受け取ったダイレクトメールの発送事務は、北九州予備校が直轄で行ったのではなく、ダイレクトメール発送を外部委託していました。一旦DM業者にデジタルデータとして開示されたデータは、常識的には完全にクローズにすることなど不可能と考えるべきです。

 同窓会といい、模擬試験と言い、県立高校の生徒の個人情報に対する無頓着ぶりは今のところ絶望的な状態にあるようです。

No.988 (2015/03/11)福島原発事故から4年、放射能漏れは止まらない

 

 東北地方太平洋沖地震とそれによる津波によって福島第一原発が空前の複数原子炉同時重大事故を起こしてから4年になります。この間、東京電力と国による原発事故処理は失敗を繰り返し、未だにその状況は本質的に事故直後から何も改善されていないのが実態です。

  福島第一原発の事故炉の本質的な問題は、核燃料・放射性物質を環境から隔離するための圧力容器、格納容器、原子炉建屋がいずれも破損しているために放射性物質が環境中に漏洩し続けていることです。
 しかも、日本の軽水炉は文字通り水を使って熱交換しているわけですが、事故後の言わば『孔の開いたバケツ』状態になった原子炉に対しても、原子炉が健全な場合の運転状況と同じように崩落した核燃料と核分裂物質=放射性物質の冷却を水冷によって行っています。孔の位置さえ特定できず、まして穴をふさぐことの出来ない現状で冷却水を流しこみ続ければ、放射性物質は環境に漏洩し続けることになるのはあまりにも当然の結果です。

 一日300〜400トンの汚染された冷却水が増え続ける一方で、汚染水から放射性物質を取り除く装置(ALPS)は故障続きでまともに動いたことはありません。汚染水処理のめどは全く立っていません。

 このままでは、原子炉水冷・汚染水貯水システムは早晩破綻してしまうしかないでしょう。結局、『現実的な汚染水処理方法』として、基準以下に希釈して海洋投棄することになるのではないでしょうか。
 当然のことですが、放射性物質の濃度を環境基準値以下に希釈したとしても、放射性物質の総量が減るわけではありません。濃度が低いだけ広範囲に拡散するだけの話です。放射性物質の確率的な危険性は希釈したからといって影響がなくなるのではないと言われています。
 放射性物質濃度の環境基準とは、あくまでも確定的=比較的短期間で誰にでも必ず現れる放射性毒性による身体症状に対する基準であって、低レベルの人工放射能による影響は考慮されていないのです。

 この4年間の福島原発事故に対する東京電力や日本政府の対応は、実態を無視した楽観論による科学・技術的な裏付けのない処理計画の発表と「予想外のトラブル」による失敗の繰り返しを続けています。もうそろそろ面子を繕うことはやめて、根本的な処理計画の見直しを行うべきだと考えます。
 これまで4年間の経過を見ている限り、水冷による冷却システムは放射性物質の環境への拡散の元凶であり、崩落した核燃料や核分裂物質の取り出しは現実的ではないと考えます。核燃料・核分裂物質の水冷以外のドライな冷却システムへの変更と、原子炉現場における最終処分への方向転換を考えるべきだと考えます。

 

 このような福島第一原発事故処理の現状を見る時、2020年に震災・原発事故からの復興をアピールするためのオリンピック開催などという絵空事は何と虚しいことでしょうか。予想通り、この虚像のオリンピックを実施するために、建設資材は高騰し、建設技術者の不足とあいまって震災復興や原発事故処理に直接的な悪影響を及ぼしています。
 更に、原発事故の本質的な実態は全く明らかになっていない現状で、事故の教訓を無視して、関連する30km圏内の自治体の同意を得ないまま原発の再稼働が目前に迫っています。

 この日本という国は、弱い立場の人間を踏み台にして、一体どこに向かおうとしているのでしょうか。

 

No.987 (2015/02/26)近刊紹介「公立高校とPTA」

「公立高校とPTA」不知火書房 注文書

 私の娘は3月1日に高校を卒業します。保護者として3年間関わった県立高校とPTAを巡る様々な出来事は、ある意味非常に刺激的なものでした。県立高校、そしてPTAの運営は正に一般社会の良識から隔絶された非合法の無法地帯でした。

 今回の本は、県立高校の使用する教科書における温暖化問題を始めとする記述の誤りを発見したことをきっかけに垣間見えた、県立高校、PTA、さらには教育行政を指導する大分県教育庁の実体を紹介すると同時に、この三者による伏魔殿に我が子を預けることになる保護者の皆さんが問題に直面した時に、何らかの手助けになればと思い、私の経験をまとめたものです。
 公立高校に生徒を通わせている保護者の方々だけではなく、公立高校の教職員や教育庁の職員の方々にもぜひ読んでいただきたいと考えています。

 内容は二部構成で、前半はドキュメンタリー風の私の経験の報告であり、後半部分は公立高校・PTA・教育庁にまつわる問題に対する資料をQ&A風にまとめたものです。興味のある方は、下記までお問い合わせください。

不知火書房:FAX 092-791-7161


帯裏面より

目次

No.986 (2015/02/21)日本の右傾化と選挙権年齢の18歳への引下げ

 毎日のように安倍自民党政権による日本の軍事国家化への動きが報道されています。

 曲がりなりにも武力紛争の歯止めである国連ですが、安倍自民党政権はついに国連決議がない武力行使に対しても日本が介入することを容認させようとしています。また、自衛隊の活動範囲を“日本周辺”に限定するという足枷を外して、世界中どこにでも自衛隊を派遣できるようにしようとしています。また、他国軍に対する後方支援を恒久法化しようとしています。
 憲法9条、その下で戦後に積み上げられてきた専守防衛を完全に否定する内容です。

 一方、2016年の参議院選を目指して、選挙権年齢を18歳に引き下げる法案が与野党で提出されます。大多数の野党も賛成していますから、おそらく本国会で成立することになるでしょう。
 18歳といえば、高校3年生です。日本の初等・中等教育では近世の日本史、世界史、政治経済という教科はまともに教えられていません。また、政府の監視下にある厳格な教科書検定制度によって、時の政府にとって都合の悪い内容は教えられず、その一方で誤った内容でも政府が推進する政策はそのまま教えられてしまいます。
 ある意味で初等・中等教育の教科の内容は時の権力に奉仕するための洗脳装置になっていることは、このHPで扱ってきた高校の教科書問題でも明らかなように、戦前とあまり大きく変わっていないのが現状です。
 このような状態で18歳に選挙権を引き下げることは、政権与党にとって圧倒的に有利に働くことになるのは明らかです。初等・中等教育に携わる教師はよほどこのことを自覚して、生徒に向かわなければ、再び、戦地に教え子を積極的に送り出した戦前・戦中の国家主義的な教育の片棒を担いだ歴史を繰り返すことになります。

 第二次世界大戦後、あまり間もない時期のベトナム戦争では、日本国内にはベ平連などの反戦平和運動があり、米国内にも徴兵反対などの反戦運動がまだありました。個別の運動の問題点はさておき、社会的に反戦という考え方が一定の勢力を持ち、特に若者たちは多かれ少なかれこの問題について考えていました。しかし、現在はそのような平和運動はほとんど消滅しているのが現状です。

 このような状態で選挙権を18歳に引き下げることは、日本の更なる軍事国家化に拍車をかけることになるのではないでしょうか。

 昔、高石ともやが歌っていた「学校で何を習ったの」の歌詞を思い出してしまいました。

詞曲
訳詞
トム・パクストン
高石 友也


学校で何を習ったの 可愛いいおチビちゃん
学校で何を習ったの 可愛いいおチビちゃん
  ワシントンは嘘はつかないと
  兵隊はめったに死なないものと
  誰も 彼もが自由だと
  先生が僕に話してくれた
■学枚で今日習ったよ そういうふうに習ったよ

学校で何を習ったの 司愛いおチビちゃん
学校で何を習ったの 可愛いいおチビちゃん
  お巡りさんは僕の友達で
  正義は決してほろびはしない
  殺人した人 罪で死ぬ
  時々まちがいはあるけれと
■学校で今日習ったよ そういうふうに習ったよ

学校で何を習ったの 可愛いいおチビちゃん
学校で何を習ったの 可愛いいおチビちゃん
  僕らの政府は強くって
  そしていつでも正しくて
  議員は立派な人達だから
  選挙のたびに同じ人選ぶ
■学校で今日習ったよ そういうふうに習ったよ

学校で何を習ったの 可愛いいおチビちゃん
学校で何を習ったの 可愛いいおチビちゃん
  戦争はそれほど悪くはないと
  フランスやドイツで戦って
  アメリカ軍は負けたことがない
  そのうち僕らも戦えるんだ
■学校で今日習ったよ そういうふうに習ったよ


 What Did You Learn in School Today?

Words and Music by Tom Paxton

What did you learn in school today,
Dear little boy of mine?
What did you learn in school today,
Dear little boy of mine?
I learned that Washington never told a lie.
I learned that soldiers seldom die.
I learned that everybody's free.
And that's what the teacher said to me.
That's what I learned in school today.
That's what I learned in school.

What did you learn in school today,
Dear little boy of mine?
What did you learn in school today,
Dear little boy of mine?
I learned that policemen are my friends.
I learned that justice never ends.
I learned that murderers die for their crimes.
Even if we make a mistake sometimes.
That's what I learned in school today.
That's what I learned in school.

What did you learn in school today,
Dear little boy of mine?
What did you learn in school today,
Dear little boy of mine?
I learned our government must be strong.
It's always right and never wrong.
Our leaders are the finest men.
And we elect them again and again.
That's what I learned in school today.
That's what I learned in school.

What did you learn in school today,
Dear little boy of mine?
What did you learn in school today,
Dear little boy of mine?
I learned that war is not so bad.
I learned of the great ones we have had.
We fought in Germany and in France.
And some day I might get my chance.
That's what I learned in school today.
That's what I learned in school.

 

No.985 (2015/02/17)再び、「イスラム国」について

 まず、イスラム国の問題に対する私とほとんど同じ視点からの文章を見つけました。法政大学総長の田中優子氏の新聞コラムを紹介します。

 田中氏の大航海時代以降の西欧・米国による侵略・植民地化の歴史、近世世界史に対する認識はほとんど同じです(“テロ特措法批判”参照)。そして、欧米による世界侵略の方法論、つまり「自らの目的を達成するためには抵抗勢力を虐殺することも厭わない」が正に“イスラム国”にも引き継がれているのです。現代においても未だに『勝てば官軍、負ければ賊軍』という前時代的な価値観がまかり通っているのです。
 欧米有志国連合とイスラム国の違いは、どちらがより多くの国を組織しているかの違いに過ぎません。その結果、有志国連合の虐殺行為は正義であり、イスラム国の虐殺行為は卑劣で非人道的と言っているにすぎないということです。バカバカしい!

 この愚かな暴力の応酬を止揚するためには、イスラム国の側だけでなく欧米、有志国連合の側も武力による問題解決という方法論を破棄し、田中氏流に言えば「堪えて共存と非戦の道をそのつど各国に示していく知性と交渉であり、その道を粘り強くめざすことのできる市民をつくっていく教育である」ということだと考えます。

No.984 (2015/02/15)NHKお馬鹿番組の記録25
水素社会元年 日本は世界に勝てるか?

 久々のシリーズの更新です(笑)。もう、NHKの番組の非科学性をいちいち取り上げるのは骨が折れますので、余程のことがなければ書かないようにしています。今回は、たまたまトヨタの燃料電池車ミライについて連載記事を書いた直後であり、愚かな安倍自民党政権が無駄金をドブに捨てようとしており、私たちに実害がある問題なので、書くことにしました。

●NHK週刊ニュース深読み 2月14日NHK総合8:15〜
「水素社会元年 日本は世界に勝てるか?」
●専門家
佐々木 一成(九州大学 教授)
町田 尚(芝浦工業大学 教授)
片岡 利文(NHK解説委員)

 NHKのホームページでは、次のように書いています。

水素社会元年 日本は世界に勝てるか?

今回のテーマは「水素」。エネルギーの9割を輸入に頼る日本が"エネルギー大国"になれるかもしれない!? 燃料電池車やエネファームなど、水素の技術で日本はぶっちぎり。 しかも今年は「水素社会元年」と位置づけられ、新年度の水素関連予算は700億円にも...。 しかし、水素エネルギーの普及には、安全性やコスト、海外展開など課題が山積み。 日本は"水素社会"を実現し、世界をリードすることができるのか? 深読みします。

●水素で走る車など水素技術について期待や不安は?
●水素社会実現のため新年度700億円の予算要求、どう思う?
●水素エネルギーで日本は世界をリードできる?

 これを見ても分かるように、燃料電池や水素製造のエネルギー収支という本質的な問題を全く考慮せずに、いかに普及させるかという全く頓珍漢な視点からの議論ばかりでお話になりません。

 この種の問題において、推進側の専門家というものは都合の悪いことには触れずにひたすらバラ色の未来像だけを提示し、いかに推進すべきかという偏った視点からの話しかしないわけですから、報道の立場としては人選から既に偏ったものであり、話になりません。早稲田大学の小島名誉教授の言葉を借りれば、

政治家や官僚は信頼できないが科学者は信頼できる,などということはあり得ない。体制化された科学者の集団は,大規模な研究資金の流れに拘束されており,そこには様々な利害が反映する。科学者の言うことにも批判的な判断(すなわち科学リテラシー)が要求される。

数学教室、2007年8月No.669、p10

ということは明らかです。報道は、批判的な科学者の意見こそ重視すべきです。

 九州大学は工学部キャンパスを移転するに当たり環境にやさしいキャンパスを目指し、「水素特区」を作り、水素社会への技術開発を目玉にしました。
 水素は気体そのままでは体積あたりのエネルギー量が小さすぎるために持ち運びできるようにするためには、超高圧の圧縮水素にすることが必要ですが、圧縮するためには莫大なエネルギーが必要になります。燃料電池によって圧縮水素1kgから得られるエネルギーは57.2MJ(効率40%)です。1kgの水素を350気圧にまで圧縮するのに必要な仕事量は13.79MJです。実に生み出すエネルギーの13.79÷57.2≒24.1%に当たります。
 そこで九州大学では、水素を製造段階から高圧の容器の中で反応させれば圧縮過程に必要なエネルギーを減らせるということで実験していたわけですが、見事に実験施設を吹き飛ばす事故を起こしてしまい、その後はどうなったことか…。番組に登場した佐々木一成氏はその実験の責任者ではないかと思います。この辺りの事情は、不知火書房の米本慎一氏の「はかた版元新聞 在りのままに見る」をご参照ください。

 燃料電池の技術的問題点は連載「トヨタ=政商となった亡国の自動車メーカー」で既に検討しましたので、そちらをご覧ください。

 NHKのホームページではこの番組に対する意見の投稿ができるようになっていましたので、私も投稿してみました。

水素社会は実現不可能
水素によるエネルギー供給システムの中核技術は水素製造である。水素が燃料として普及しないのは水素燃料を製造するために投入したエネルギー量を製造した水素から取り出せるエネルギー量が下回るという自然科学的な必然であるから。化石燃料が枯渇したら水素製造は出来ない。水素は自立したエネルギー供給は不可能。水素社会は非科学的な幻想。
ドイツが水素製造をしているのは、自然エネルギー発電という使いものにならない不安定電力を導入した結果、電気としてはそのまま使いものにならないものを、捨てるよりは水素製造に振り向けようという愚かな結果。
水素製造のエネルギー収支という本質的な問題に触れない、水素関連で一儲けをたくらむ愚かな研究者や企業の「補助金を出せ」という主張のお先棒を担ぐ、愚かな番組。
この種の番組では批判的な視点からの科学的分析こそ必要である。

 NHKのホームページには「忌憚のない意見を」ということでしたが、いつまでたっても掲載されないようです(笑)。

 

No.983 (2015/02/15)読者からのメール“「イスラム国」の件”

 前回の記事に対して読者からメールを頂きました。前回の記事の補足の意味も含めて、頂いたメールと私の返信を紹介しておきます。


近藤様

ずっと読んでます。
この「イスラム国」の記事よみました。

「イスラム国」は従わない住民を部族ごと殺してるとの報道もあります。
(はたして、住民の支持はあるのでしょうか。)
それでも、この論調はかわりませんか?

****と申します。エントロピー学会の会員です。

追記:私は学生時代に、本多勝一、槌田敦をしりました。

2015/02/14 18:30


 私は、前回の書き込みで、事の良し悪しという基準ではなく、イスラム国をはじめとする対欧米抵抗運動の背景となる欧米の過去の行為の事実に触れ、抵抗運動の側には抵抗するだけの理由が存在することを紹介しました。
 また、有志国連合もイスラム国も現在の紛争解決の手段として武力による殺戮を肯定していることを述べました。

@もし、人命を奪うことそのものを非人道的で卑劣、残虐というのならば、イスラム国と同様に有志国連合も非人道的で卑劣で残虐だということが合理的な判断です。
A行動の背景まで考慮すれば、少なくとも近年において欧米諸国による中東に対する手前勝手で理不尽な武力による介入の方に非があるのは明らかです。

 そこで、頂いたメールに対して次に示す返信を送ることにしました。


**** 様

 はじめまして、管理人の近藤です。

>「イスラム国」は従わない住民を部族ごと殺してるとの報道もあります。
> (はたして、住民の支持はあるのでしょうか。)
> それでも、この論調はかわりませんか?

●勿論、全く変わりません。イスラム国が武力闘争をしており、直接戦闘に関係ない人質をとってそれを交渉のコマに使っていることは、勿論私は賛成しておりません。またご紹介のように部族ごとの虐殺などを行っているとすれば、言語道断です。繰り返しますが、私は絶対平和主義者です。

●問題は“テロとの戦い”の名の下に、イスラム国同様に人殺しによってイスラム国を壊滅させる(すなわち大量虐殺を行うこと)という行動も、イスラム国同様に糾弾されるべき残虐な行為であるという公平な目を持たねばならないことを主張しているだけです。虐殺数から言えば、圧倒的に有志国連合側のほうが多くの人を惨殺しています。

●歴史的な欧米による中東地域に対する誠に理不尽かつ手前勝手な介入によって、住民は肉親や親族を大量に殺されてきていますから、根強い反発があるのは非常によく分かります。その中で武装闘争を肯定する者ならば当然今回のイスラム国のような行動に結びつくのは必然的であり、その意味で合理的です。追い詰められれば追い詰められるほど過激になり、妥協を許さない組織に先鋭化することになるでしょう。その極端な形が部族ごとの虐殺などという形で現れるのでしょう。

●一方、イスラム国を軍事的に壊滅する(=虐殺する)ために集まっている国の連合体である有志国連合に、民生部門であろうとも経済的に援助する日本はイスラム国にとって明らかに敵であり、標的にされるべき対象だというのが合理的な判断です。それが良いとか悪いとか言っているわけではありません。当然の帰結だという意味で合理的だというだけです。

●私は、有志国連合に対する経済援助はやめるべきだと考えます。同時に有志国連合は中東地域における軍事行動を中止すべきだと考えます。ここまでこじれてしまった中東の問題は、基本的に欧米の影響を排除した上で中東の人々が自ら解決するしかないと考えます。その中で、非軍事で援助できることがあれば、国連が中心となって調停に当たることが比較的公正な方法でしょう。

●戦闘を縮小するには、中東に対する武器輸出を完全に禁止し、イスラム国などの武力組織を経済的に孤立させることで間接的に戦闘ができなくさせることが有効です。(世界の武器輸出の大部分は皮肉にも(笑)国連安全保障理事会の常任理事国が行っているのですから、彼らは本気で戦争をなくそうとは考えていないところに大きな問題があります。彼らが本当に世界の紛争地域に武器を輸出することを停止する気があれば、軍事衝突は必然的に沈静化します。)

●有志国連合による圧倒的な武力による虐殺によって中東に見かけ上の安定が訪れても、憎しみは増幅されて受け継がれるだけです。憎しみの連鎖を断つためには非武力によって安定を回復する道を考えるしかないと考えます。

●中東地域において難民を救済するための活動をし、また報道するために当地に赴いている人たちが、イスラム国などに拘束されて命が奪われるのは、大変悲しいことですが、後藤氏が当地に赴く前に言っているように、そこで活動する人たちはそれなりの覚悟を持っていくわけです。何も日本に軍事行動によって介入して助けだしてもらおうとは考えていないのです。むしろ逆でしょう。

●少しでも早く戦闘状態をなくすためにこそ彼らの活動があるのであって、邦人の救済を名目に軍事介入出来るようにしようとする行動は、火に油を注ぐだけです。安倍自民党政権は今回の事件を利用して集団的自衛権の拡大解釈に向かおうとしており、危険です。これを阻止するためにも、有志国連合の軍事介入の残虐性を理解しなければなりません。

> ****と申します。エントロピー学会の会員です。
> 追記:私は学生時代に、本多勝一、槌田敦をしりました。

●私も槌田さんも温暖化問題に対するエントロピー学会の非科学性に呆れ果てて脱会しました。私は、本多勝一からの依頼を受けて、週刊金曜日誌において自然エネルギー発電の問題点の特集記事を槌田さんと室田さんと協同で企画した事があったのですが、週刊金曜日編集部中枢に近かったおそらく飯田哲也等の横槍による妨害にあい、本多もこれに屈服して企画の一方的な中止を通告してきました。以来、袂を分かちました。本多は残念ながら俗物だったようです。

●尚、今回のメールのやり取りは、HP管理者からに転載したい(匿名で引用します)と思います。 


 早くも安倍自民党政権は今回の人質殺害事件を利用して、昨年の閣議決定の内容をさらに拡大解釈しようと画策し始めています。また国民の中にこれを肯定するような雰囲気が醸成されつつあることを大変危惧します。
 中東を含めて世界の紛争地帯の問題を解決するためには武力による治安回復、集団的自衛権の拡大ではなく、今こそ日本国憲法9条の平和主義を世界に広める事こそ必要です。

No.982 (2015/02/11)イスラム国の合理性と日本の非合理性New!
名前を持つ個人の処刑と無名の大量殺戮のいずれが残虐なのか?

 イスラム国による邦人誘拐事件は、お二人とも殺害されるという最悪の結末になりました。心よりご冥福をお祈りします。

 しかし、この事件に対する日本政府の認識やマスコミ報道については全く論理性を欠いていると考えます。

 そもそも、イスラム国という集団が存在できる背景には、近世以降の欧米による中東に対する理不尽な侵攻による残虐行為を伴う不当な軍事・政治・経済的介入の長い歴史があります。中東地域には世代を超えた欧米に対する憎しみや反感が存在しているのです。
 たとえば、9.11のアルカイダによると言われる米国で起こったテロ事件に対する米国を中心とするアフガニスタン、イラクへの報復攻撃は、国連の決議を無視したものでした。しかも侵攻の大義名分であった大量破壊兵器など存在しておらず、濡れ衣によって2つの独立国家の政権を崩壊させ、民間人を含む22万人以上もの大量の人々が欧米の侵攻によって虐殺されました(民間人だけでも13万人を超えていると言われています。)。蛇足ですが、この戦闘では米国は劣化ウラン弾という一種の核兵器を使用したため、遺伝的な影響が今も人々を苦しめ続けています。米国は、9.11テロ事件を口実にして、前々から米国の意に沿わないアフガニスタンやイラクの政権を倒すことが目的だったことは明白です。
 しかし、この乱暴な軍事行動について、日本の小泉政権も含めてこの報復攻撃に参加した国々は、正当な侵攻理由が存在しなかったことに対して、一切その誤りを裁かれることもなく、また反省もせず、謝罪もしていません。このような米国を中心とする圧倒的な軍事力による、目的を遂行するためには手段を選ばない無差別の大量虐殺に対して、憎しみや反感を持たない方が不思議です。
 
中東の人々の中にある欧米に対する憎しみや反感は、近年おさまるどころか、増々強くなっているのではないでしょうか?中東諸国の人々の中の国境を超えた対欧米の侵攻に対する抵抗運動は、その拠り所として共通の信仰であるイスラム教を軸としているのでしょう。
 9.11以降の“テロとの戦い”という名目で今日まで続いている欧米とこれに協力するUAE、ヨルダン、そして日本などによって構成されている有志国連合による、反欧米非国家組織に対する軍事攻撃が強まるにしたがって、これに対する抵抗運動である欧米諸国の言うところの“イスラムテロ組織”の活動も呼応するように激しくなり、先鋭化しているのは、あまりにも当然の結果です。

 以上のような状況を前提として、今回の誘拐問題を見なおしてみます。

 日本では、なぜ「イスラム国」のような暴力的な組織が勢力を広げているのか不思議だ、あるいはイスラム国のような過激なテロ集団は、極めて特殊な集団だという論調が大勢のようです。しかし、欧米やその同調国がこれまで中東で行ってきた虐殺行為を考えれば、抵抗運動が起きるのは極めて“自然”なことであり、有志国連合による攻撃が強まれば強まるほどこうした抵抗運動は先鋭化し過激化するのは当然でしょう。
 その中東において、欧米ないしこれに同調する国に抵抗している組織=イスラムテロ組織を軍事行動によって壊滅させることを目的に集まった有志国連合に加わり、経済的な支援をしている日本はイスラムテロ組織にとって明らかに『敵対国』であり、イスラムテロ組織の標的になることは、『合理的』なことです。
 これに対して、日本政府やマスコミは日本の有志国連合に属する中東の国に対する財政援助は『民生部門の人道的分野』に対する支援であって、軍事目的ではないといいますが、これは誠にバカバカしい手前勝手な理屈であり、有志国連合と武力対立している組織に対しては何の説得力もありません。『イスラムテロ組織を軍事的に壊滅させようという有志国連合に属する国に対する支援』なのです。民生部門に財政的援助を行えば、本来その国が民生部門に支出していた資金が軍事的目的に傾注されることになるのです。分かりきったことです。

 次に、イスラム国が敵対する有志国連合に対抗するために人質を取り、交渉のコマに使うことに対して、日本を含む有志国連合は卑怯で残虐な行為と非難しますが、これも非合理としか言いようがありません。国の正規軍による武力・正面装備による大量殺戮は正義であり、残虐ではなく、非政府武力集団による少数の人質の誘拐と処刑は極悪非道なのでしょうか?
 正面装備に劣る組織が圧倒的な武力に対抗するとき、卑怯も何もないでしょう。要するに自らの持てるもので殺し合いをするというのが武力衝突の本質であり、殺し合いにルールもなにもないでしょう。正に噴飯物です。
 名も無き大衆を虫けらのように、あるいはモノのように、自らは安全な場所に身をおきながら空爆で無差別・大量に殺害する行為のほうがはるかに人命を軽視した残虐な行為ではないでしょうか?無人爆撃機による無差別空爆は、正にナチスドイツの行ったガス室を使ったユダヤ人に対する大量虐殺の延長線上にある殺人機械によるの虐殺行為ではないのでしょうか?

 私はここでイスラム国の行為を正当化するつもりはありません。私は何度も述べているように絶対平和主義者であって、いかなる理由があっても他人の命を奪う行為には断固反対です。人殺しによって相手を屈服させ、治安を回復することなど許すべきではないと考えます。
 ここで主張したいのは、イスラム国の残虐行為も許されざることですが、それ以上に欧米有志国連合による大量虐殺も許すことが出来ない行為であることを、公平に見て判断すべきだということなのです。また、紛争を武力によって制圧するということは、殺し合いを肯定することにほかならないということ、日本が集団的自衛権を行使するということはその殺し合いに参加することを意味するのだということを現実感をもって理解しなければならないということなのです。

 日本人二人とヨルダン人の空軍パイロットの殺害事件の報復として、ヨルダンは即日でイスラム国関連の死刑囚の刑を実行し、僅か3日間で56箇所に報復爆撃を行い、7000人を虐殺したとしています(この3日間で7000人というのは誤りで、ヨルダン軍が空爆に参加して以降7000人という報道もあります。)。なんという非道なことをするのでしょうか!
 武力行使を継続する限り、中東諸国の中に不断に欧米ないしこれに同調する国に対する憎悪を増幅し続けることになり、たとえ今回はイスラム国を壊滅したとしても、いずれ第二、第三のイスラム国が台頭する事になり、殺し合いの連鎖が泥沼状態になるでしょう。何と愚かなのでしょうか。

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