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No630(2011/07/06)
朝日新聞の自然エネルギー発電報道

 日本の新聞(大衆紙)報道は、歴史的に見て、大衆にとって重要な情報を配信するというよりも、時の権力の意思を代弁して大衆を扇動することに機能してきたように感じます。太平洋戦争における報道、戦後の一億総懺悔、東京オリンピック、原子力平和利用、高度経済成長賛美、・・・・、人為的CO2地球温暖化脅威説、そして今回の自然エネルギー発電導入。
 残念ながら日本の新聞報道は一貫してその軸足を大衆ではなく権力の側に置き、科学性・論理性が欠如しているというのが不変の特性のようです。

 さて、そこで朝日新聞の自然エネルギー発電に対する報道の内容を検証することにします。進歩的・良識的なイメージで売っている朝日新聞ですが、かねてから人為的CO2地球温暖化脅威説を正しいとして、自然エネルギー発電に対して最も積極的な導入促進の立場をとっています。
 今回、2011年6月27日から「電力の選択 ポスト3.11」という連載記事が掲載されました。第1回の記事で朝日新聞の立場が明確に現れているようです。“政策見直し 経産省抵抗”“自然エネルギーの将来性”という見出しが紙面に躍っていました。
 朝日新聞の立場は、原発事故の遠因ともなった電力会社の発送電を含めた独占体制を批判的に捉えているようです。原発事故を契機にこうした電力会社の既得権益を排除する発送電の分離を含む電力供給の自由化、自然エネルギー発電を含めた電源の自由化・分散化という方向性を打ち出しているようです。
 この朝日新聞の立場は、いわゆる反原発運動や進歩的知識人などの立場に近いように見えます。しかしその本質は、福島第一原発事故によって揺らぎ始めた従来の古い体質の重厚長大産業とこれを牛耳ってきた自民党−経団連グループから主導権を奪取したいと考える新興勢力である孫正義のソフトバンクを筆頭とする電気・情報・通信産業グループに軸足を移そうとしているというのが実態でしょう。


1.原発と自然エネルギー発電

 原子力発電と自然エネルギー発電に注目が集まることになった六つの大きな出来事がありました。

 一つは1970年代のオイルショックです。この事件を契機に石油が有限の地下資源であることが認識されました。日本ではこの事件の後、工業生産プロセスの省エネルギー化が進みました。同時に原子力発電が急激に増加し、また新たなエネルギー源として太陽光などが注目され、国はサンシャイン計画という自然エネルギー利用の実用化プロジェクトを開始しました。自然エネルギーの工業的利用の実験研究は、あまりにも効率が低く不安定であったためにサンシャイン計画は見るべき成果を残すことができないまま頓挫しました。
 第二、第三の事件は1979年の米国スリーマイル島原発事故、1986年のソ連チェルノブイリ原発事故です。この二つの原子力発電所事故によって世界的に脱原発の世論が高まり、米国では新規の発電用商用原子炉が全く建設されない状況になりました。また、欧州では脱原発を国策とする国が現れました。
 そして第四の事件が、人為的CO2地球温暖化脅威説の蔓延と1997年のCOP3(第3回国連気候変動枠組条約締約国会議)京都議定書によるCO2排出量削減の義務付けです。この京都議定書によって原子力発電所が息を吹き返し新たな世界的建設ブームとなり、一旦脱原発を目指した国の中にも原子力への回帰の動きが起こりました。同時に欧州では自然エネルギー発電を拡大する動きも加速することになりました。
 このような中で、朝日新聞を含む日本の主要新聞は、人為的CO2地球温暖化脅威説の宣伝活動に主要な役割を果たしてきました。とりわけ朝日新聞は突出して温暖化対策として自然エネルギー導入促進を扇動しています。
 日本ではほとんど報道されることが無かった、しかし非常に重要な第五の事件があります。それは2009年11月にIPCC(気候変動に関する政府間パネルIntergovernmental Panel on Climate Change)の主要研究者の電子メールがハッキングされたClimategate事件です。この事件の重大性は、ハッキングされた電子メールの中に国連気候変動枠組条約の科学的な基礎である多くの気象観測データが人為的CO2地球温暖化脅威説に都合が良いように改竄されていることなどが記されていたからです。
 人為的CO2地球温暖化脅威説はそれ以前から多くの問題が指摘されており、自然科学的にはほぼ誤りであることが明らかになっています。日本でも、この人為的CO2地球温暖化脅威説の直接の利害関係者である日本気象学会に参加する研究者を別にすれば、物理学、化学、地球物理学などの自然科学の多くの分野の研究者から誤りが指摘されています。しかし、このClimategate事件について、日本の主要新聞はほとんど報道を行わず、Climategate事件という大事件があったことを知らない日本人が大多数なのです。
 そもそも、現在の原子力発電建設ブームと自然エネルギー発電導入の動きは、人為的CO2地球温暖化脅威説が自然科学的に正しいものとして、その対策としてのCO2排出量削減を目指して始まったのです。その人為的CO2地球温暖化脅威説自体が誤りである可能性が高いという重大な問題をきちんと報道しない日本の新聞各紙の責任は大きいと考えます。これは、温暖化対策を国策として進める日本政府や主要新聞の大広告主である電力会社などの大企業にとって都合の悪い報道を自粛した結果なのです。ここでも新聞各社は大衆の知る権利よりも国家や企業の利益を優先する判断をしたのです。
 新聞報道も含めて人為的CO2地球温暖化脅威説に対する自然科学的な議論を尽くしていたなら、原子力発電の増設や自然エネルギー発電の導入などという愚かな政策が取り上げられる合理的な理由など無かったのです。この基本的な問題はいまだに結論が出されずに店晒しにされています。

 そして第六の事件が今回の福島第一原発事故です。


2.自然エネルギー発電に対する非科学的な報道

 日本の自然エネルギー発電に対する一般的な評価は「環境に良いのはわかっているが、導入コストが高いことだけが問題である」というものです。この段階で既に科学的な判断が放棄されているのが自然エネルギー発電に対する評価の特徴です。
 ここで言う「環境に良い」とは、具体的には今後導入が考えられる最新の火力発電に比較してCO2排出量が削減できるということが最低の条件です。しかし、実際には風力発電や太陽光発電を大規模に電力供給システムとして導入した場合、明らかに最新の火力発電以上に石油を消費し、その他の鉱物資源については少なくとも数十倍の浪費になります。
 詳細は既に何度もHPの別の記事に書いてきましたので、要点だけ列挙しておきます。

●自然エネルギーは空間的な密度の低い拡散したエネルギーなので、これを集約して工業的に意味のある有用なエネルギーにするためには例外なく単位発電電力量あたりの発電装置規模が飛躍的に大きくなる。
●自然エネルギーは予測不能な非定常な変動をするため、電力の安定供給のためにはバックアップ用の発電装置、蓄電装置、制御装置、揚水ダム、高圧送電線網の追加建設などの付帯設備が必要になる。
●以上の自然エネルギー発電装置およびバックアップ用の発電装置、蓄電装置、制御装置、揚水ダム、高圧送電線網等を含めた“自然エネルギー発電システム”によって電力を供給するためには莫大な工業製品の製造と巨大施設建設が必要である。製造・建設過程で消費された石油量に自然エネルギー発電システムの運用に必要な石油量を加えた総石油量を単位発電電力量当たりの石油消費量に換算すると、最新の火力発電の単位発電電力量当たりの石油消費量を大きく上回る。

 自然エネルギー発電は導入コストが高いことだけが問題なのではなく、こうした巨大で不安定・低効率の発電装置を作り、運用するために石油などの工業的なエネルギーや鉱物資源を大量に必要とし、その結果として必然的に導入コストが高くなるのです。
 朝日新聞の記事は、こうした自然エネルギー発電システムについて最も本質的に重要な技術的な問題点を隠蔽したまま、自然エネルギー発電が普及しないのは全て電力会社の既得権益の独占と電力供給制度の問題であるとして問題を摩り替えているのです。
 不幸にも自然エネルギー発電が日本の主要発電システムとして導入されることになれば、国民はいつ停電するかもわからない低品質の電力を本来ならば払う必要も無い法外な料金で強制的に買わされることになるのです。
 また、国内の自然エネルギー発電装置製造メーカーや関連する一部企業は短期的には活況を呈しますが、長期的には多くの製造業は電力料金の安い海外へ流失し、国内産業は壊滅的な打撃を受けることになります。自然エネルギー発電が日本社会を崩壊させることになるでしょう。


3.朝日新聞の連載記事を検証する

 朝日新聞の連載記事について、主に技術面から見た問題点を指摘することにします。

 一回目の記事におい次のような記述があります。


原発が国策による「大規模・集中型」なら、自然エネルギーは地域や個人も参加する「小規模・分散型」だ。


 朝日新聞の記事では、自然エネルギーが小規模・分散型であることを肯定的に評価しているようです。しかしこれは実態とはかけ離れた認識です。
 風力発電では現在1基当たり1000kWクラスが最小規模です。仮にウィンド・ファーム形式で集中的な風力発電を導入すればこれは正に大規模・集中型の発電施設です。また、太陽光発電においてもメガ・ソーラー発電所も増えつつあります。
 既に北海道電力では風力発電の不安定電力が送電線網に悪影響を及ぼす可能性がある場合には送電線網から切り離す「解列」を行うことになっています。更に風力発電の導入量を増やすためには津軽海峡を渡る高圧送電線網を追加して、電力消費量の大きな本州の送電線網に繋げることが必要といわれます。
 自然エネルギー発電という不安定電力を大規模に導入するためには巨大な電力需要を賄う送電線網が存在することが必要なのです。風力発電に限らず、不安定な自然エネルギー発電電力が増えれば増えるほど電力の大消費地との高圧送電線網が必要になるのです。
 不安定な自然エネルギー発電は小規模・分散型では運用が出来ないため、大規模・集中型の送電線網に「寄生」することによって始めて存在が許される「お荷物」なのです。自然エネルギー発電の大規模導入は広域の高圧送電線網によって大消費地とつなぐことによって成り立つ正に「大規模・集中型」の発電システムなのです。
 連載二回目には、一回目に評価した小規模・分散型の特性とは正反対の主張をする支離滅裂振りです。例えば次のような記述があります。


 そう(北電が電力品質に悪影響を与えない範囲で風力発電を受け入れていることを指す。)であれば、電力需要が多い東京、中部、関西に電気を送れないか。風がよく吹くのは、北海道や東北、九州。需要が比較的少ないこれらの地域で需給バランスを図るよりも、地域の垣根を越えれば風力を受け入れやすくならないか。


 つまり、北海道・東北・九州と関東・中部・関西の間に広域大容量高圧送電線網を追加してはどうかというのです。このような大規模高圧送電線網を整備するために一体どの程度の事業費が必要で、どれだけの石油をはじめとするエネルギーと鉱物資源が必要になるのかに朝日新聞の諸君は全く思いが至らぬ愚か者のようです。
 この例でもわかるように、不安定な自然エネルギー発電電力の導入量が増えると、不安定電力を利用するための追加施設がますます大規模化するために発電原価はむしろ上昇すると考えるべきです。それに従って国民の電力料金負担はますます大きくなるばかりです。

 第三回はスペインの自然エネルギー発電導入の事例紹介です。全文を転載しておきます。





 この記事は、スペインは如何に自然エネルギー発電の導入がうまくいっているのかを紹介し、「日本には解決するだけの技術はある。あとは意志の問題だ。」とまとめています。なんと愚かなことでしょうか。
 自然エネルギー発電の導入を行うべきか否かの判断は技術的に可能かどうかという問題ではなく、それによって石油消費量を削減することが可能かどうかなのです。朝日新聞の記事は完全に論点を見失っています。
 記事は読んでいただくとして、スペインの実情と問題点を紹介することにします。



 スペインの電源別電力構成比の内、風力発電は9%程度を供給しています。ここに記された最大電力4500万kWは2007年の実績ですが、風力発電の1560万kWは設備容量なので注意してください。スペインは欧州の大きな送電線網に接続することで、不安定電力を安定化するために国内消費だけでなく隣国のフランスやポルトガルと電力を融通しあっています。



 スペインの実情は能天気な朝日新聞の記事とは異なり、RE(再生可能エネルギー)大量導入時の課題として不安定電力の問題は大きく、大規模停電の危険性をあげています。



 ここに挙げられている課題は重要です。
 2007年のスペインの風力発電電力の供給量は9%程度ですが、既に火力発電による調整能力(下げ代)の不足が生じ、風力発電の過剰な電力供給が処理できなくなったために、風力発電の発電量を抑制せざるを得なくなっているのです。つまり過大な風力発電設備の導入によって風力発電の設備利用率は低下するのです。
 また風力発電の導入増大に対応するために広域大容量の高圧送電線が必要だが建設が困難であり、この点からも風力発電の発電量を抑制せざるを得ないようです。
 これ以上の風力発電の導入を行うためには新たに瞬間予備力機能等の新たな機能を追加したり揚水発電所の建設が必要となるとしています。
 このように風力発電など自然エネルギー発電の大規模導入における問題点は全てその制御不能な不安定性にあります。日本における自然エネルギー発電の議論では発電量ばかりが注目されて、供給電力の不安定性という質の問題があまりにも軽視されています。

 確かにスペインは日本に比較して自然エネルギー発電電力の割合が高いのは事実です。しかし、朝日新聞の記事では既存の火力発電の発電効率を犠牲にした無理な導入が、実質的に石油消費の削減に結びついているかどうかは全く検討されていません。この点をまず明らかにしない限り能天気に「日本には解決するだけの技術はある。あとは意志の問題だ。」と結論付けるのは無責任極まりないと考えます。
 報道に必要なのは、先発国の経験から問題点を抽出することです。朝日新聞の記事のように、表面的に成功している部分だけを取り出して紹介するなど、太平洋戦争時の大本営発表を垂れ流したのと同じ、ほとんど謀略宣伝と言ってもよいでしょう。

 発送電分離

 福島第一原発事故以降、電力会社の地域独占に対する批判の声が上がっています。電力会社が管轄地域で大部分の電源と送電線網の両方を保有していることに問題があると指摘されています。朝日新聞の連載記事では第二回に触れられています。
 発電と送電を分割し、発電部門を徹底的に自由化することは発電の効率化あるいは経費節減に有効だと考えます。ただし、送電部門はどのような発送電のシステムを構想するかによもよりますが、単純に自由化を行えば、安定電力供給に問題を生じさせる可能性があるので注意が必要でしょう。
 朝日新聞の連載記事では次のように述べています。


 しかし技術が進み、小規模でも効率よく電気を供給する方法が生まれた。そこで送電と発電の部門を分け、発電事業の新規参入を認めて争わせれば電気料金が下げられるという考えが出てきた。
(中略)
 欧州では、多くの国で送電会社が国有化されるなどして送電網の公共性が重視された。結果として、政府が決めた自然エネルギーの普及策が反映されやすくなった。


 ここで朝日新聞は何を主張しているのかよくわかりません。彼らは自然エネルギー発電を小規模・分散型の発電システムだと認識しています。しかし既に検討してきたように、自然エネルギー発電は不安定なため、小規模な送電線網では運用は難しく、大規模な送電線網の存在が必要ですから、ここで言う「小規模でも効率よく電気を供給する方法」の範疇には含まれません。
 また、電力の価格・品質で自由競争を行えば、太陽光発電や風力発電は高コストで不安定なため真っ先に市場からはじき出されます。
 こう考えると、発電部門の自由化と自然エネルギー発電の導入は実は全く逆の方向性であることがわかります。発送電分離を行って、しかも自然エネルギー発電を普及させるためには、電力市場を自由化するのではなく、国家が強力に介入して自然エネルギー発電電力を優先的に市場価格を無視した高額で強制的に送電企業に買い取らせること(Feed-in Tariff)が必要になります。その結果、送電企業が民間であれば、電力料金は下がるどころか大幅に上昇することになります。また、自然エネルギー発電量の多い地域では送電を引き受ける企業は価格競争に敗れて淘汰されることになり、やはり自然エネルギー発電は普及することはありません。
 つまり、自然エネルギー発電を普及させるためには、自然エネルギー発電会社の電力を優先的に高額で買い取らせるという強力な国家の市場介入と、採算性を度外視した国営あるいはそれに準じる大規模な送電会社を国家の財政投入で運営する以外に無いのです。
 「欧州では、多くの国で送電会社が国有化されるなどして送電網の公共性が重視された。結果として、政府が決めた自然エネルギーの普及策が反映されやすくなった。」ではなく、これ以外に高コストで不安定な低品質電力である自然エネルギー発電を普及させることなど不可能なのです。

再生可能エネルギー特別措置法案

 これは言うまでも無く日本版のFeed-in Tariffです。自然エネルギー発電電力に対して市場価格を無視した高額固定価格で全量を買い取る制度です。これは発送電分離でも触れましたが、市場に対する国家の強力な介入であり、発電事業の自由化とは真っ向から対立する法案です。
 こうした国家による市場への介入は健全な技術開発を妨げ、低効率で不安定な自然エネルギー発電の本質的な技術的問題点を隠蔽することになります。更に、原発利権に代わる発電事業者と国家の間に巨大な利権構造を生む温床になることは明らかです。
 こうした愚かな法案が提出されるということは、菅民主党政権には自然エネルギー発電を技術的に評価できる能力が無いか、あるいは承知の上である特定の企業グループに対して利益供与を行うことを狙っているのかいずれかです。この法案を、自然エネルギー発電導入促進の立場から好意的に報道する朝日新聞もまた、愚か者であるかあるいは「特定の企業グループ」との繋がりを深めようとしているのかのいずれかです。

スマートグリッドと孫正義

 連載の最終回において、“自然発電 世界では成長産業”という大見出しが掲げられています。朝日新聞の記事の内容は、成長産業であるという表面上の現象だけに目を奪われて内容を分析することなく、おいしい分野に日本は出遅れていると言っているだけの無内容なものです。
 例えばスペインで太陽光発電が急拡大したのは国による高額買取制度という永続性の無い無理な財政措置が招いたバブルであり、買い取り額を減額した結果2008年以降は急速に市場が縮小しました。そのほかの先発国の経験からも、比較的豊かな国が理念先行でかなり無理な高額買取制度などの優遇措置を行ったことによって市場が形成されたものであり、既に多くの国で制度的なほころびが生じはじめています。
 それは本質的に自然エネルギー発電というものに技術的・経済的な合理性がないため、いくら補助金を投下しても独り立ちすることができず、長期的には国家財政を脅かすことになるからです。自然エネルギー発電市場は自然環境に配慮する余裕のある比較的な豊かな国に一時的に発生したものであり、普遍的な世界標準となることはあり得ません。
 連載を通じて、朝日新聞の記事は自然エネルギー発電導入を扇動するための能天気な薄っぺらな内容ばかりで、このような内容を信じて自然エネルギー発電の導入に向かえば、原子力発電がそうだったように取り返しのつかない過ちを犯すことになるでしょう。私たちは、先発国の失敗にこそ学ぶべきなのです。

 さて、目端の利く経営者である孫正義は、民主党の再生可能エネルギー特別措置法案の閣議決定、そして福島第一原発事故直後に自然エネルギー発電へいち早く参入する意思を表明しました。これは再生可能エネルギー特別措置法によって生まれる巨大な利権構造を見越して、民主党政権あるいは経産省に深く食い込むとともに自然エネルギー発電と同時に導入されることが予想されるスマートグリッドという全戸に繋がる情報通信網を手に入れることを目論んでのことです。
 蛇足ですが、耕作放棄地を太陽光発電所にするという孫の「電田プロジェクト」は正に亡国の発想です。日本にとって本質的に重要な食糧生産の場である農地は農地として復活させることこそ重要なのであって、わずかばかりの低品質電力を生産するために使うべきものではないと考えます。
 震災後、カッコつきの進歩的知識人の中には、孫正義の行動を日本の将来のエネルギー政策を率先して導入しようとする先進的な動きだとして称揚する愚か者が多数現れました。また、朝日新聞も同じようなスタンスを取っているようです。朝日新聞は新たなパトロンとして電気・情報・通信に食い込むために今回の連載記事を企画したのかもしれません。