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実録・APU立命館アジア太平洋大学学生起業家による風力発電計画の顛末

HP管理者 近藤邦明

§0. はじめに

 二酸化炭素地球温暖化が環境問題の中心的な問題として取り上げられるようになって以降、その改善を目的として、新エネ特措法に掲げられた『新エネルギー』、中でも自然エネルギーに対する期待が高まっています。
 しかし、まず第一に、新エネ特措法が作られた根拠である、二酸化炭素の増加が地球の温暖化の主要な原因かどうかが非常に疑わしいというのが現状です。この問題は非常に複雑な地球科学の問題であるため、『公式には』未だ結論が得られていません。
 ただ、『原因がわかってからでは遅すぎる』という理由で、可能性があるのならば早めに対応すべきだという主張も、一つの考え方だと思います。
 しかし、仮に二酸化炭素地球温暖化が事実だとして、その対策として考えられている新エネルギーの導入であれば、少なくとも、その導入によって現行のエネルギー供給技術(特に発電技術)よりも、新たに導入されるエネルギー供給技術が、明らかに二酸化炭素の排出量が削減できることを確認しておくことが必要です。
 第二の問題は、現在進められようとしている新エネルギーの多くは、驚くべきことに、二酸化炭素排出量が削減できるかどうかの検討すら行われていないのです。
 このような状況の下、別府市では、APU立命館アジア太平洋大学の学生起業家によって、売電を目的とする風力発電による電力会社が、2005年の発電開始を目指して動き始めています。しかもこの計画は、別府市民に対して、『環境問題に対する啓蒙』とりわけ『新エネルギーへの理解』を喚起する目的で、電力会社への出資という形で市民参加を考えています。

 ここでは、APU学生の風力発電計画を検討することによって、新エネルギーの持つ問題点を明らかにして行きたいと思います。

(2004.01)


§1. 経 過
§2. プロジェクト進捗状況
§3. 風力発電に関する報道
§4. 風力発電への疑問
§5. 別府市民への対応
§6. ご協力のお願い
§7. APUおよび高元氏の真摯な対応を要求する(2005/05/05)
§8. APU風況精査報告書(2005/05/14)
§9. プロジェクト総括(2005/05/26)


§1. 経過

 APUのホームページによると、2002年4月に学生起業家による風力発電売電会社プロジェクト、通称『ナウシカプロジェクト』が立ち上げられました。この間の経過を、APUのホームページから見ておきます。


APUで養った実践力を味方に、ビックプロジェクトを遂行中です。

 2002年4月、APUのキャンパス近郊の丘陵に、大型の風力発電機を設置するプロジェクトを立ち上げました。エネルギー問題の改善に貢献するとともに、APUの学生や別府市民の方々に環境問題について考える契機を提供したいという想いからでした。まずはキャンパス近郊の風向や風速などを調査し、その結果をもとに発電量や経済性を評価。また風力発電に関わる地方自治体の方々や研究者などが一同に会す「風サミット」に出席するなど、さまざまな方法でアプローチを繰り返しています。暗中模索でのスタートでしたが、APUで養った「自ら考え、問題を発見し、解決できる」確かな実践力が味方となり、現在もプロジェクトは順調に進展しています。

■現在までの主な活動経過

2002年
3月 宮崎県北方町ETOランド」に設置されている風力発電機を見学し、スタッフの方と面談。
4月 風力発電機設置プロジェクトチームを結成。APU周辺において風速、風向のデータを収集。
5月 発電量や経済性を評価。
6月 「愛媛県瀬戸町農業公園」にある風力発電機を見学。スタッフの方から多くのアドバイスをいただく。
8月 風力発電機の輸入販売メーカーである「有限会社NEIC-JAPAN」の方々と面談する。
10月 風力発電に関する交流会「風サミット」に参加。
11月 「ようこそAPUへ」で研究成果を発表。
12月 「三菱重工業 株式会社」と「株式会社 エコシステム」の方々にAPUのキャンパスを視察してもらう。
2003年
3月 「株式会社 エコシステム」からAPUの風況シミュレーション結果をもらう。
6月 NEDO(新エネルギー産業技術総合開発機構)に風況精査申請。


そして、2003年7月8日の大分合同新聞の夕刊に、『風の丘に市民風車』『発電会社を起業』『APU学生が挑戦』という大見出しの記事が掲載されました。内容を一部示しますと、『別府市の立命館アジア太平洋大学(APU)の学生が、風力発電と売電を手がける株式会社「大分新エネルギー」を設立した。環境に優しいエネルギーづくりに、広く市民からの出資を募る”市民風車”を目指す。』云々・・・。(関連記事 西日本新聞社ホームページ)

その後の経過は以下の通りです。

2003年11月 NEDOによる1年間の風況調査が始まる。
2003年12月 第一回目の話し合い※。
2004年 1月 ナウシカプロジェクトより、二回目以降の話し合いを拒否する通知。


※ ナウシカプロジェクトは、別府市民の参加を呼びかけているため、風力発電の有効性に疑問がありましたので、プロジェクトの学生代表者に話を聞くことにしました。第一回目の話し合いを2003年12月16日にAPU構内で行い、具体的な内容の検討はそれ以降の継続的な話し合いを通して行うことにしました。
 しかし、残念ながら2004年になると、代表者の対応が一転し、今後一切の話し合いを拒否する通知がありました。(詳細な経緯は、『別府市民への対応』で紹介します。)


§2. プロジェクト進捗状況

 APUの風力発電事業は、2005年夏の営業運転を目指して計画が進行中です。この事業は、NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の『風力発電フィールドテスト事業』として進められています。
 NEDOによりますと、風力発電フィールドテスト事業とは、「・・・風況精査の共同研究事業者を選考して実施するものです。風力発電の一般普及の素地を形成するため、風力発電の立地が有望と考えられる地域において、詳細な風況観測(風況精査)を1年間実施し、風況データの収集・解析を実施することにより、本格的な導入普及に資す・・・」とされています。

 しかしながら、その実態は、風力発電事業に対する国庫からの財政補助制度と考えられます。 風力発電フィールドテスト事業の対象となる事業項目は、以下の4つです。

@ 風況調査(精査)1カ年
風力開発の有望地域において、風況の精査を実施し、地域特性に応じた風力発電の設置地点の選定など、風力開発形態の検討を行う。
A システム設計
風力発電の導入可能な地域において、その地域特性に応じた具体的な風力発電設備の設計を行う。
B 風車設置
風力発電設備の建設
C 運転研究(平成8年度より)共同研究期間4年間
運転研究を行い、運転データの収集及び評価を行う。

 そして風力発電フィールドテスト事業の対象となった事業に対しては、以下の財政的な支援が提供されます。

@風況調査(精査) :NEDOが全額負担
Aシステム設計 :NEDOが1/2負担
B風車設置・運転研究 :NEDOが1/2負担

 風力発電フィールドテスト事業では、風力発電事業を実施しようとする企業や団体からの応募の中から、実現の可能性の高い事業を選定しています。APU学生起業家による風力発電計画は、実際には『大分新エネルギー株式会社』という会社組織によってこの事業に応募し、『平成15年度風力発電フィールドテスト事業』に選定され、昨年11月から1年間の風況精査が、現在行われています。

 APU学生起業家による風力発電プロジェクトは、九電に対する売電を想定した事業です。そのためには、九電との売電契約が必要です。
 次のセクションで詳細に検討しますが、風力発電による電力供給は、時間的に極めて不安定であるため、供給電力の品質が低下するため、既存の電力供給システムと無条件に連系することはできません。
 そのため、特に風力発電方式による余剰電力購入については、他の電力とは区別して特別枠を設けて、毎年審査が行われています。平成16年度の受付規模は、九州本土で5万kWになっています。平成15年度の実績と同規模です。
 大分新エネルギー株式会社は、平成16年度の電力系統連系に応募するようです。


§3.  風力発電に関する報道

 注目すべき最近の風力発電に関する報道記事を幾つか紹介します。

■まず、国内の風力発電では『先進地』である北海道のある町の風力発電に関する報道です。

ニュースワイド:恵山町・風力発電事業破たん1カ月半 /北海道(毎日新聞)
破たん3セクの風力発電施設、町が無償譲り受け(日本経済新聞)
シリーズ:ヒューマンエナジー 「風力発電が破綻?」 (北海道経済産業局)

 3番目に紹介した記事が、『北海道経済産業局』の記事であることは大変興味深いものです。環境問題に対するイメージ作りのための広告塔としても、風力発電を維持していくことが困難になりつつあることを象徴的に示しているものと考えます。風力発電の役割はそろそろ終焉を迎えつつあるようです。

 報道によりますと、計画段階で風況調査が杜撰であった事が破綻の大きな原因とされていますが、それはほとんど考えられません。
 恵山町の風力発電施設は、2基で定格出力が2,900kWです。これに対して、当初の年間計画発電量は、6,000,000kWhに設定されています。計画発電量を得るための、定格出力に対する稼働率は、

6,000,000kWh ÷ ( 2,900kW×24h/day×365day ) = 0.236 = 23.6%

であり、国内の他の風力発電施設と同程度です。報道によりますと、実績はこの計画発電量の更に27%だと言いますから、定格出力に対する稼働率の実績は、

0.236 × 0.27 = 0.064 = 6.4%

という低い値です。風力発電では、少しの風速の変化が発電出力を大きく変動させます。電力の安定供給、あるいは経済的な運営から考えても、あまりにもリスクが大きいことは明らかです。
 初年度の収支は、売電収益が2,008万円で、全体として4,666万円の赤字を計上したと言います。発電経費は6,674万円程度かかっていることになります。この発電施設が、予定通り年間600万kWhを発電した場合には、電力1kWh当たり11.1円程度の運転経費ですから、平均的な値ですが、実際には1kWh当たり41円以上がかかったことになります。
 電力会社への売電単価は11円前後ですから、予定通りに稼動したとしても、利益が出る可能性はほとんどありません。売電専業の市民風車を運営することは、あまりにも危険だと考えます。

 風力発電は、発電出力の変動が激しく、既存の発電システムに出力変動の過大な負荷を引き起こします。風力発電の先進地である北海道では、既に限界が近づいているようです。九州電力管内でも、地域によっては既に風力発電の導入が限界に達しつつあります。

■「環境問題を考える」HP管理者からNo.129風力発電についての疑問?(2004/07/10)

■今年(2004年)は日本本土に接近・上陸する台風の多い年です。屋外で自然環境に曝される風力発電施設は、形状的に最もこうした自然災害を受けやすい発電施設です。この夏日本を襲った台風によって、風力発電施設の受けた被害はかなり多いのではないかと思われます。しかし、なぜかネット上で検索する限り、風力発電施設の被害情報はほとんど見つけることが出来ません。そんな中で、愛媛県瀬戸町にある第三セクター(株)瀬戸ウィンドヒル(三菱重工90%、瀬戸町10%)の被害状況について報告したレポートを紹介しておきます。

「環境問題を考える」HP管理者からNo.149自然災害と風力発電(2004/10/13)

■愛媛県のお隣、高知県でも台風被害が報告されています。高知県長岡郡大豊町の大豊風力発電所がそれです(高知県企業局)。関連情報は以下のホームページをご覧ください。

台風16号 農作物被害18億7600万円−国重文「竹林寺」でも瓦飛ぶ/高知(毎日新聞 2004年9月2日)

■少し変わった被害として、佐賀県鎮西町の風力発電施設で、強風による過負荷が原因と思われる火災が発生しています。

風力発電設備で火災 プロペラ1枚が燃えて落下−鎮西町 /佐賀(毎日新聞 2004年8月31日)

■大分県に隣接する宮崎県の北方町にある風力発電施設も台風被害にあっています。

ETOランドの風車補修 台風で亀裂(宮崎日日新聞 10月17日)


§4. 風力発電への疑問

 新エネ特措法で定義されている『新エネルギー』、あるいは大分県では『エコエネルギー』と呼ばれている新エネルギー技術の多くは、その目的とする二酸化炭素排出量を削減する効果が果たしてあるのか、十分に検討されていません。
 太陽光発電(太陽電池)は、同じ発電量を得るためには、火力発電以上に大量の石油を消費し、その他の鉱物資源については火力発電の数倍〜十数倍以上の資源を必要とします。風力発電についても、火力発電よりも石油消費量が少なくなるかどうか、非常に疑わしいのです。
 更に、風力発電は、自然エネルギー発電の中でも、最も出力変動の大きな発電方式で、既存の電力供給システムに多大の負担を強いるものです。総合的に判断すると、こうした自然エネルギー発電の導入は、社会システム全体から排出される二酸化炭素量を、かえって増大させる可能性が高いのです。

 以下、ホームページ『環境問題を考える』の関連するレポートを紹介します。

APU学生起業家による風力発電計画を考える
■二酸化炭素地球温暖化脅威説批判 §8 石油代替エネルギー技術の技術評価
石油代替エネルギー供給技術の有効性の検討

太陽光発電について
No.088 怒れ!大分市民
No.089 太陽光発電稼働率に関する補足

エネルギー政策について
■大分県エコエネルギー導入促進条例批判

二酸化炭素地球温暖化について
■二酸化炭素地球温暖化脅威説批判


§5. 別府市民への対応

 風力発電について、二酸化炭素排出量の削減、あるいは総合的な資源利用効率の効率化を含めて、果たして環境問題の改善に有効であるかどうか、疑問はぬぐえません。APU学生の風力発電計画は、環境問題の改善に有効であることを前提に、『環境問題について考える契機を提供する』という目的で、別府市民から風力発電計画への出資を募る予定です。
 そのためには、少なくとも、風力発電がどのように環境問題の改善に有効であるかを、別府市民に対して合理的な説明をする必要があります。
 しかし、APU学生起業家には、残念ながら環境問題はおろか、風力発電に対してさえも、ほとんど理論的な問題を考えていないという驚くべき実態が明らかになりました。この基本的な問題を明らかにしないまま、プロジェクトを進めることは、あまりにも別府市民を馬鹿にした、不誠実な対応であり、看過できないと考えています。


 以下、2003年12月〜2004年1月のプロジェクト代表者とのやり取りを収録します。正確のため、通信メールのやり取りも全て収録いたしますので、多少冗長になりますが、ご了承ください。


■ 2003/11/18 近藤 ⇒ APU広報

前略

 私は、別府市在住でホームページ『環境問題を考える』の管理人の近藤と申します。

 さて、西日本新聞あるいは大分合同新聞の報道によりますと、貴大学マネジメント学部在籍の宇侍見勲さんが代表となっている『ナウシカプロジェクト』という名称の風力発電による起業プロジェクト(正式には株式会社 大分新エネルギーというのでしょうか?)が進行中とのことです。記事によりますと、環境問題に対する啓蒙も兼ねて、別府市民からも資金を募るとのことでした。
 つきましては市内に在住するものとして、このプロジェクトには非常に注目しております。その具体的な内容等につきまして、直接、宇侍見さんにお会いして、お話を伺いたいと考えております。お手数ですが、宇侍見さんとコンタクトをとるためにはどのようにすればよろしいか、お教えいただきたいと存じます。よろしく、ご検討ください。

草々

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近 藤 邦 明
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■ 2003/11/18  宇侍見 ⇒ 近藤

近藤様

ナウシカプロジェクト代表の宇侍見です。メールを送って下さりありがとうございました。

現在テスト期間中で、僕も含めスタッフ皆バタバタしており、彼らの意向は確認できていないのですが、僕個人としては、近藤様と協力できる点が大いにあると思いますし、またその必要性もあるように思います。

来週にはテストも終わっていますので、またなにか連絡できると思います。

取り急ぎご連絡させていただきました。

宇侍見


■ 2003/11/18  近藤 ⇒ 宇侍見

宇侍見 様

 はじめまして。試験期間中とは知らず、ご多忙のところ、誠に申し訳ありませんでした。時間が出来ましたら連絡いただきたいと存じます。取り急ぎ用件のみにて失礼いたします。

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近 藤 邦 明
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■ 2003/11/19  APU広報 ⇒ 近藤

近藤 邦明様

APUで広報を担当しております、古川と申します。
この度は、ご連絡ありがとうございます。

ナウシカプロジェクトの宇侍見さんに、近藤様から問合せがあったことを伝えており、宇侍見さんより、近藤様のメールアドレスにご連絡させて頂きます。

なお、APUは21日まで試験中でございまして、宇侍見さんからの連絡が多少遅れることもあるかと存じますが、ご了承くださいますよう、お願い申し上げます。

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立命館アジア太平洋大学
ネットワーク・オフィス 古川恵子
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■ 2003/12/01  近藤 ⇒ 宇侍見

宇侍見 勲 様

 前略

 試験は終わられましたでしょうか?ご多忙の折とは推察いたしますが、ご連絡いただきたいと存じます。まずは、用件のみにて失礼いたします。

 草々

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近 藤 邦 明
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■ 2003/12/03  宇侍見 ⇒ 近藤

近藤さま

 立命館アジア太平洋大学の宇侍見です。連絡が遅くなって申し訳ありません。

 さて、近藤さまのHPを見せていただきました。大変鋭いご指摘を受け、改めて勉強しなおす必要を感じました。

 しかし、なにより私が深く感銘を受けましたのは、近藤さまの環境問題に対する熱意ある姿勢に対してです。浅はかながらも環境問題について学んできた私にとって、同じ別府市にこれだけ真剣に考えておられる方がいらっしゃったというのは、大変うれしい限りでした。

 私どもも社会的責任のあるプロジェクトだということを改めて自覚するとともに、よりいっそう勉学に励みたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いします。

             宇侍見勲


■ 2003/12/03  近藤 ⇒ 宇侍見

宇 侍 見 勲 様

 メールを拝見いたしました。直接お会いした上で、お話を聞かせていただきたいと存じます。近いうちに、ゆっくりお会いできるような時間をとっていただきたいと存じます。時間・場所につきましては、宇侍見さんの方でご指定ください。

 近 藤 邦 明 拝


■ 2003/12/12  宇侍見 ⇒ 近藤

近藤様

 立命館アジア太平洋大学の宇侍見です。連絡が遅くなって申し訳ありません。

 先日の予定通り、来週の月曜日13時からではどうでしょうか?もしご都合が悪いようでしたら火曜日の同時刻でも構いません。なお場所は、私どもの大学でよろしいでしょうか?

 以上です。

    宇侍見勲


■ 2003/12/12  近藤 ⇒ 宇侍見

宇 侍 見 勲 様

 こんばんは。お忙しいところ、時間をとっていただきありがとうございます。ご指定の時間で結構です。APUの前を何度か通過したことはあるのですが、構内の状況は全くわかりません。出来れば車で伺いたいと思うのですが、どのようにすればよろしいか、ご指示くだされば幸いです。ルートとしては、十文字高原から下るつもりです。よろしくお願いいたします。

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近 藤 邦 明
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■ 2003/12/13  宇侍見 ⇒ 近藤

近藤様

 それでは月曜日の13時からでお願いします。

 構内に入る際に正門で受付をすることになりますが、その際は見学に来たと言ってください。そうしないと手続きが面倒になりますので。正門で許可をもらったら駐車場を教えてもらえます。私は駐車場で待たせていただきます。もしなにか問題があった場合は私の携帯電話に電話をしてください。

 それではよろしくお願いします。

     宇侍見勲


■ 2003/12/16  近藤 → 宇侍見

宇 侍 見 勲 様

 こんばんは。本日はお忙しいところ、時間をとっていただき、ありがとうございました。今後とも継続的に情報交換を行ってゆきたいと存じます。まず、本日お渡しした資料について、ご意見や不明な点がございましたら連絡いただきたいと存じます。
 また、私どもの持っていない風力発電についての情報などありましたらご提供いただきたいと存じます。
 情報・意見交換を通じて、良い結果が出せるものと考えております。よろしくお付き合いください。まずはお礼まで。

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近 藤 邦 明
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■ 2003/12/16  宇侍見 ⇒ 近藤

近藤さま

 宇侍見です。本日はありがとうございました。まだまだ勉強不足な私どもですが、一生懸命励んでいこうと思います。

 今後ともよろしくお願いします。

   宇侍見


■ 2004/01/13  近藤 ⇒ 宇侍見

宇 侍 見 勲 様

 寒中お見舞い申し上げます。

 さて、宇侍見さんたちの風力発電計画の実施まで、残された時間は1年余りとなりました。今年末にはNEDOによる風況調査結果が出るわけですが、それまでに、環境問題対策における風力発電の有効性、あるいは問題点について、理論的に明らかにしていきたいと考えております。

 私どもの環境問題、二酸化炭素地球温暖化脅威説ないし風力発電に対する評価につきましては、既にお渡しした資料に示したとおりです(尚、資料をお渡しした後にHPを一部追加・更新した部分がありますので、この点につきましては、お手数ですがweb上でご確認いただきたいと存じます。)。
 まず、第一段階としまして、前回提示しました私どもの環境問題、二酸化炭素地球温暖化脅威説ないし風力発電に対する評価に対して、意見交換を行いたいと考えております。つきましては、近いうちに意見交換の場を持ちたいと考えております。日時・場所を検討ください。尚、今回は前回と異なり、風力発電についての具体的な検討作業になりますので、出来れば少し落ち着いて話の出来る場所をご検討いただきたいと存じます。
 詳しくは、次回の話し合いの場でお願いいたしますが、宇侍見さんたちとの意見交換の経過を、何らかの形でHP上で報告して行きたいと考えております。現在、日本各地において、宇侍見さんたち同様に、環境問題対策の一環として、NPO法人として風力発電事業を考えているケースは少なくないため、この意見交換の経過を紹介することは、非常に有意義だと考えております。この点につきましても、併せてご検討ください。

 以上、よろしくお願いいたします。

2004/01/13

 近藤邦明 拝


■ 2004/01/14  宇侍見 ⇒ 近藤

近藤様

 明けましておめでとうございます。

 さて、先日の近藤様のメールについて考えた結果、環境問題、二酸化炭素地球温暖化脅威説などは高度な科学的知識と素養を要するものですので、とても私共には歯が立たず、貴重なお時間を割いて頂いても、近藤様のお役に立てることはないと存じますので、謹んで辞退申し上げたいと存じます。

 また風力発電に対する評価につきましては、これまた、私共勉強を始めた段階で、内容のあるお話は出来ないと存じますので、辞退させて下さい。

 以上何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

 宇侍見勲


■ 2004/01/15  近藤 ⇒ 宇侍見 (書面) 

宇 侍 見 勲 様

 前略

 メールを拝見いたしました。前回の話し合いの後のメールのやり取りを考えますと、少し意外な内容でしたので、真意を確認させていただきます。

 まず、前回の話し合いの時点において、宇侍見さんたちのプロジェクトにおいて、環境問題ないし風力発電について、ほとんど問題点の認識がなく、今後、プロジェクト実施までにこの点について学習していくとともに意見交換を行うことで、風力発電の実態を把握することが確認されました。その中で、場合によってはプロジェクトの中止も含み、検討を行うことが確認されました。
 話し合いの時点では、私どもの疑問に答えるだけの準備が時間的にも無理だと考えましたので、とりあえずこちらからの問題提起の内容を資料としてお渡しした次第です。

 そこで今回のメールの内容ですが、これはまだ宇侍見さんたちの中で、問題点の洗い出しが出来ていないので、「現時点」ではまだ話し合えるだけの準備ができていないということと理解しておりますが、これでよろしいでしょうか?
 もしそうであれば、前の話し合いでもお話したとおり、逆に問題点の洗い出し作業のお手伝いをすることはやぶさかではありませんのでご一考ください。

 あるいは、このプロジェクトを、当初の新聞発表にあった、
『別府市の立命館アジア太平洋大学(APU)の学生が、風力発電と売電を手がける株式会社「大分新エネルギー」を設立した。環境に優しいエネルギーづくりに、広く市民からの出資を募る"市民風車"を目指す。云々・・・。』(大分合同新聞)
という、環境に優しい事業という位置付けを撤回して、単に経済行為として風力発電を行うことに軌道修正されたのでしょうか?もしそうであるならば、その旨前回同様にマスコミを通して、はっきり意思表示することが法人としての社会的責務だと考えます。この場合、市民から出資を募ることは当然放棄されなければなりません。
 もしこうした手続きを踏まずに、このままプロジェクトを進めるということになれば、これは詐欺行為です。

 以上2点の疑問に加えて、今後、宇侍見さんたちはプロジェクトをどのように進めようと考えていらっしゃるのか、具体的にご説明ください。

 老婆心ながら一言付け加えさせていただきますと、今回の宇侍見さんたちの起業は、学生のお遊び、起業シミュレーションではなく、社会的な責任を負った法人の現実のプロジェクトであることを、常に意識して行動されることを望みます。社会の中で何かを行う場合、全てを自らの責任において行われるならいざ知らず、他者に対して何かを訴え、協力を得ようとするのならば、他者に対してそれなりの責任を負わなければなりません。説明責任を回避することは許されません。

 以上、私の思い過ごしによる、非礼があるかもしれませんがお許しください。しかしながら、これは非常に重要な問題ですので、明確にご説明ください。尚、お手数ですが、回答は書面にてお願いいたします。

草々
2004/01/15
近 藤 邦 明


■ 2004/01/29  近藤 ⇒ 宇侍見

宇 侍 見 勲 様

 前 略

 先日お送りいたしました書面による質問について、お手許に届いてから、既に10日以上が経過しております。回答にそれほど時間のかかる内容ではないと思いますので、そろそろご回答いただきたいと存じます。もし回答するおつもりがないようでしたら、その旨至急ご連絡ください。
 私どもに残された時間はそれほど多くありませんので、時間を無駄にしたくありませんので、よろしくお願いいたします。

 草々

近 藤 邦 明 拝


■ 2004/01/30  宇侍見 ⇒ 近藤

近藤さま

 返事が遅くなって誠に申し訳ありません。

 さて、私どものプロジェクトについては、現在風況精査中であり、科学・技術的な面については勉強中です。また学業、アルバイトと極めて多忙で、時間的な余裕が全く無い為、今後の交信については、辞退させていただきたいと存じます。

 近藤さまのご期待に添えませんことを深くお詫び申し上げます。

  ナウシカプロジェクト
    代表 宇侍見勲


■ 2004/01/30  近藤 ⇒ 宇侍見

ナウシカプロジェクト
代表 宇侍見勲 様

 メールを拝見いたしました。

 まず第一に、この際、あなた方が学生であるかどうか、アルバイトが忙しいかどうか、時間がないかどうかなどは、この件には一切かかわりないことです。問題は、あなた方が風力発電を目的とする会社起業を行った人物であるということです。しかも、その会社が『環境に優しいエネルギー供給を目指す』ことを謳い文句に、別府市民から出資を募って事業を遂行しようとしていることです。
 本来ならば、いまさら風力発電の勉強をするなど、とんでもない話です。そうはお思いになりませんか。市民から出資を募ろうという法人が、市民から事業内容に疑問が提起されたにもかかわらず、それを無視し、自ら話し合いを拒否することなど、ほとんど自殺行為です。

 去る12月の話し合いでは、協議しながら良い方向で問題解決の糸口を見出せるのではないかと、少し期待もいたしましたが、残念です。今後は別の形でこの件に対応していくことにいたします。風力発電計画につきましては、当初の予定通り進められるのだと了解いたします。この点につき、誤りがあればお知らせください。

以上

2004/01/30
近 藤 邦 明 拝


■ 2004/02/05  近藤 ⇒ APU

APU立命館アジア太平洋大学 御中

 拝啓

 掲題の件につきまして、昨年末貴大学に問い合わせ、プロジェクト代表者である貴大学学生宇侍見氏を紹介いただき、去る12月に面会して話し合いを持ちました。
 ご承知のことと存じますが、ナウシカプロジェクトにおきましては、環境問題に対する別府市民への啓蒙のため、事業に対する市民からの出資による事業への参加を呼びかけております。
 事業内容につきまして、疑問に思うことがあり、代表者である宇侍見氏に面会を求めることになった次第です。昨年末の話し合いにおきましては、宇侍見氏に、私どもの提起した疑問に対する回答を行うだけの十分な準備が整っていなかったために、二回目以降の継続的な話し合いにおいて問題点を明らかにすることが合意されました。
 しかしながら、今年に入ると宇侍見氏の対応は一転し、前回の話し合いの了解事項を一切反故にして、二回目以降の話し合いはおろか、メールの交信すら拒否する旨の通知がありました。詳細につきましては、拙ホームページ「APU立命館アジア太平洋大学学生起業家による風力発電計画を考える」の『別府市民への対応』でご確認いただきたいと存じます。

 この間、宇侍見氏周辺でどのような状況の変化があったのか、想像に難くありませんが、プロジェクトへの別府市民の参加を求めておきながら、市民からの事業に対する疑問に対して、自ら意見交換の窓口を閉ざす今回の行動は、市民を愚弄したはなはだ不誠実な対応と考えております。
 今後は、及ばずながらこの事態を出来る限り多くの市民に知らせていく所存です。貴大学の関係者がこのような行動をとることを非常に残念に思います。以上お知らせまで。

敬具

2004/02/05
近藤邦明 拝


 一回目の話し合い(APU側学生代表者他1名参加)では、継続的な意見交換による前向きな話し合いを行うことを確認しました。
 しかし、年明け後、態度は一転し、一回目の話し合いの確認事項を一切反故にして、今後、話し合い、メール交換を含む意見交換の一切の拒否を通知してきました。このあからさまな豹変ぶりには、彼らに強い影響力を持つ教官、ないしNEDO等の、強力な圧力がかかった可能性が強いと考えられます。


§6. ご協力のお願い

 風力発電計画の事業内容について、別府市民からの疑問に、APU学生起業家ないし株式会社大分新エネルギーが答えることを拒否する背景には、風力発電の二酸化炭素排出量の削減効果、あるいは環境問題改善に対する実効性に、彼ら自身、非常に不安を覚えていることの現われだと思います。
 APU学生起業家の、『新エネルギーに対しての理解を深めてもらう』機会を提供するとして、出資による市民参加を募るという目的と、彼らの話し合いすら拒否する行動とは、全く矛盾しています。もし本当に環境問題について考える契機にしたいのであれば、市民との意見交換の窓口を閉ざすべきではありません。そして、別府市民が納得できるような、理論的・合理的説明を行うのが最低の義務だと思います。

 もしこの主張にご賛同いただける方がありましたら、APU立命館アジア太平洋大学に対して、ナウシカプロジェクトに市民との話し合いを続けるよう要請するメールを送っていただきたいと思います。

(2004.02)


§7.  APUおよび高元氏の真摯な対応を要求する 


 以上の呼びかけを行って以来、結局私の知る限り、この1年間、ナウシカ・プロジェクトとして別府市民に対する風力発電に関する説明会を1回も開くことなく、現在に至っております。

 当初計画では、2005年、この夏に風力発電の営業運転が始まる予定になっていました。しかし、今のところ別府市十文字原に、風力発電施設が建設されている気配はありません。
 昨年夏頃から、風況調査の結果が思わしくないだとか、九州電力の系統連携枠に入るかどうかわからないという、事業からの撤退をにおわす情報を報道機関にリークしていましたが、正式な発表は現在に至るまで行われておりません。

 先月末より、APUネットワーク・オフィス広報担当に対して、ナウシカ・プロジェクトの進捗状況について照会した結果、同プロジェクトの担当教官であるマネジメント学部教授の高元氏から、驚くべき説明を受けました。
 高元氏曰く、『ナウシカ・プロジェクトは当初から風力発電による起業を目指したものではなく、あくまでも風力発電の可能性を探る研究プロジェクトであった。故に、当初の研究の目標は達成したので、中止ではなく、プロジェクトとして完了した。』というものでした。
 これは、当初の報道機関に対する発表を全く覆すものであり、これまでのナウシカ・プロジェクトについての報道は、論理的には、全て虚偽報道であったことになります。報道機関があえてこのような記事を捏造することは有り得ませんので、APUあるいは高元氏は、これまでの報道発表あるいは今回の説明のいずれかで虚偽の説明をしていることは明らかです。
 この高元氏の矛盾した説明に対して、APU広報担当は、ナウシカ・プロジェクトは高元氏の個人的な会社である『大分新エネルギー株式会社』の事業であって、APUとしては関知しないという、極めて無責任な態度を示しています。
 ナウシカ・プロジェクトは、APUマネジメント学部教授たる高元氏が、表向き彼のゼミ学生による学生起業として行ってきた事業であり、今更APUは無関係などという説明は社会通念上、通用するものではありません(APUのホームページでもしばしば取り上げているのは、なぜ?)。APUの責任放棄は別府市民を欺く卑劣な態度というほかありません。

 このように、嘘を嘘で塗り固めた説明しか出来ない背景には、風力発電という発電方式が本質的に欠陥を持った発電システムであることに起因していると考えられます。電力各社は、既に風力発電に対する『解列』を考え始めており、これによって風力発電の欠陥はますます明らかになってくると考えられます。
 もし、真摯な立場で、学問的に風力発電に取り組んできたのであれば、なぜ今回のナウシカ・プロジェクトによる発電計画が中止せざるを得なかったのかを、詳細に分析して公開することこそ、新エネルギーの評価に資するものであり、必要なことだと考えます。虚言を弄してまで隠蔽するなど、言語道断です。しかも、風況調査にはNEDOからの補助金という公金を利用しているのです。

 APU立命館アジア太平洋大学ならびに同学マネジメント学部高元氏に対して、猛省を求めるとともに、ナウシカ・プロジェクトについての真摯な総括を行うことを強く求めるものです。

2005/05/05

HP管理者 近 藤 邦 明


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