No.1226 (2018/06/02)安倍ファシスト政権は日大以下の愚劣な組織
森友・加計問題で見えてきた日本の国家システム堕落の実態

 このところ、日大アメリカンフットボール部の危険タックル事件が連日報道されています。本質的には実に下らない大学スポーツ部の不祥事にすぎませんから、トップニュースで報じるような問題ではありません。このこと自身、日本のマスコミや報道機関の無能ぶりを示しているように感じます。
 とはいえ、日大の権力中枢にいた内田前監督ないし、内田前監督の意向を忖度したコーチによる選手への指示によって危険タックルが実行されたという構図は、まさに森友・加計問題におけるファシスト安倍晋三ないし昭恵夫婦の指示あるいはそれを忖度した「高給」官僚たちの行動に瓜二つであり、興味深いものです。この国の権力者たちの思考・行動パターンはどこも同じということでしょうか。これは日本という国の「長い物には巻かれろ」という文化・行動様式の典型なのかもしれません。
 この間の日大の無様な対応は批判されてしかるべきですが、それでも元凶であった内田前監督を辞任させることが出来ただけ、安倍ファシスト政権よりはましというところです。

 森友・加計問題についてはそろそろ幕引きとなりそうな雲行きになってきました。前にも書きましたが、安倍晋三や昭恵の関与の実態を示す文書記録はこの間も次々に出てきていますが、この天下の大馬鹿者は知らぬ存ぜぬを決め込み、問題を官僚組織や加計学園の嘘にすり替えて罪を押し付けてしまおうとしています。
 森友問題を捜査している検察は、安倍ファシスト政権を忖度して、実行犯を指揮した佐川前理財局長以下の高給官僚たちの立件を行わないことにしてしまいました。これでは、今後も文書記録の改ざんは根絶することはできないでしょう。
 財務省の内部調査では、森友問題を佐川前理財局長の国会答弁を正当化するために行われた文書改ざん問題に矮小化して問題を収束させようとしています。肝心の佐川がどうして発覚すれば自身の責任が問われるあのような虚偽の国会答弁・文書改竄・証拠隠滅を行ったのかという本質的な問題には一切触れないという、まさに茶番劇としか言いようのない屁理屈でこの局面を乗り切ろうとしています。

 私達一般庶民に関係のない問題であれば、バカバカしくて見ていられないと言いたいところです。しかし、事は国家の運営システム全体にかかわる事柄であり、他人事では済まされないところが正に悲劇です。
 権力者はその権力によって国家運営を捻じ曲げ、高給官僚たちは権力者ばかりを見て国民を顧みず、国権の最高機関であり、国民に選出された議員によって構成された国会に虚偽の報告を行い、その虚偽の下に法律が制定され、権力犯罪を捜査する検察組織もまた権力中枢を忖度して本気で捜査を行わない。
 ファシスト安倍の母体である自民党は、安倍晋三によって国会に偽情報が報告され、国会議論が蔑ろにされてきたにもかかわらずこれを追及することを放棄して、国政を私物化してきた安倍晋三をこの期に及んで擁護し続けています。

 問題は簡単です。どうして森友・加計問題が起こったのか?それは、森友学園の教育勅語を礼賛する前時代的な教育方針に共感する安倍晋三、感涙の涙を流す安倍昭恵が名誉校長になりこれに深くかかわり、国家戦略特区において獣医学部の新設を計画していた加計孝太郎が安倍晋三の長年の親友であるからです。つまり、この間の一連の森友・加計問題の本質的な原因は、ファシスト安倍晋三が総理大臣という立場にいたことであることは説明の必要すらないほど、明白です。

 しかし、権力者や高給官僚の行動を性善説に則って制度化している現行の日本の国家システムでは、安倍晋三のような平気で嘘をつく極悪人を権力の座から強制的に排除する仕組みがないのです。ではどうすればこの状態を脱することが出来るのか?
 実は現行の国家システムの中でも、それは簡単に出来ることなのです。日本は曲がりなりに普通選挙制度を持つ国ですから、選挙において安倍晋三のような嘘つきの極悪人を選挙で落選させ、安倍晋三を擁護する自民党議員を落選させる選挙行動をとればよいのです。

 しかし、本当の問題は、普通選挙制度があるにもかかわらず、自民党が圧倒的多数の議席をとり、安倍晋三が総理大臣になってることです。それは、言うまでもなく、選挙において多くの国民が自民党を支持したからにほかなりません。つまり今日の大規模な安倍ファシスト政権による国家犯罪を起こさせた根本的な原因は国民・有権者が大バカ者であり、その大バカ者に見合う政権ができたということなのです。言わば安倍ファシスト政権の悲惨な実態は国民意識の鏡なのです。

 このような問題が再発しないようにするためには、国民・有権者が自らの責任を自覚して思考停止状態から脱して、直近の国政選挙において投票行動で愚かな自民党政権に対して鉄槌を下すことなのです。

 

No.1225 (2018/05/20)安倍ファシスト政権の愚かな外交姿勢を憂う
“安倍ピンボケ外交の極みである今度の島サミット”

 安倍ファシスト政権の愚かな外交姿勢については何度も触れてきましたが、ここでは天木さんのメールマガジンから二題を転載しておきます。
 初めの記事は、鎌田慧氏に関連するものです。鎌田氏と言えば「自動車絶望工場」など、実際に労働者として生産現場に潜入するというユニークな取材方法などで、生産現場に密着したルポルタージュに定評があります。私自身かつて彼のルポルタージュに衝撃を受け、むさぼるように読んだものです。


□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】
□■ 天木直人のメールマガジン2018月5月1日第317号
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   南北首脳会談を祝福した鎌田慧氏こそミスター憲法9条だ 
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 歴史に残る南北首脳会談を素直に喜べない一億総安倍首相化の日本だが、はじめて素直に評価した人を見つけた。

 きょう5月1日の東京新聞「本音のコラム」で鎌田慧氏が書いている。

 「ここ板門店は分断の象徴ではなく平和の象徴になった」

 これは文氏の歴史的な名言であると。

 「対決の歴史に終止符を打つために来た」

 これは金氏の決意表明だと。

 東西ベルリンを遮断していたチェックポイント・チャーリーも、かつては恐怖の境界線だったがいまでは日常的な街路になった。異常な状態は人間の努力によって必ず修復される。それが歴史の教訓だ。それを信じたいと。

 そして鎌田氏はこう続ける。

 南北和解の光景を見て、私は日本はもう悪役にならずに済むと安堵したと。

 1950年から始まった朝鮮戦争で、日本の基地から米軍が出撃し、日本は砲弾輸出などで大儲けした。その砲弾の下でどれだけの人間が亡くなったことかと。

 もしも再び米国が北朝鮮を攻撃するような事になれば、戦争に対する想像力も平和への強い希求もない安倍首相は、集団的自衛権行使による自衛隊出動で、同じ誤りを繰り返すだろうと。

 まさしくこの鎌田氏の言葉は、あの南北首脳会談を見て日本国民が等しく共有しなければいけない言葉だ。

 南北対話を歓迎し、あの光景に心を動かさなければいけない理由である。

 この鎌田慧氏の言葉こそ、新党憲法9条の精神を言い当てている言葉だ。

 日本の政治がいま必要としている理念である(了)

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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】
□■ 天木直人のメールマガジン2018月5月20日第365号
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   安倍ピンボケ外交の極みである今度の島サミット
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 日本外交の質の悪さを象徴する恒例のサミット外交がある。

 それが、アフリカ首脳を集めたサミットと太平洋島しょ国・地域の首脳を集めたサミットだ。

 日本の首相が親分面して大勢の首脳をまとめて日本に集め、援助と言う札束にまかせて、言いたい放題、やりたい放題するパフォーマンス外交の事だ。

 米中露といった覇権大国には従属する一方で、弱小国には横柄この上なく振る舞う。

 それが税金の無駄遣いだけならまだ害は少ない。

 しかし、日本を危険にさらす外交となれば黙って見逃すわけにはいかない。

 きのう5月19日に閉幕した太平洋・島サミットがまさしくそれだ。

 北朝鮮の「瀬取り」、いわゆる制裁破りの船荷積み替え、の取締強化で連携することにしたという。

 南北首脳会談と米朝首脳会談で北朝鮮問題が解決されようとしている時に、なぜわざわざ、ひとり日本だけが、北朝鮮に敵対するような外交をするのか。

 しかも、北朝鮮に対して、関心も影響力もない太平洋・島しょ国・地域の首脳を前にして、そんなことを日本が命じるのか。

 それだけではない。

 いまや米国と軍事覇権を競っている中国に向かって、その海洋進出をけん制する目的があるという。

 米国も韓国もロシアも欧州も、いや、世界が朝鮮半島の平和と北朝鮮の非核化を歓迎している中で、その主役である北朝鮮と中国を敵に回すような外交を、ひとり蚊帳の外の日本の首相が、率先して行なってどうする。

 安倍外交のピンボケここに極まれりである
(了)


 

 北朝鮮が米韓軍事演習を非難し、このままでは米朝会談を中止することも考えられという発言があり、にわかに緊迫した状況を受けて、日本政府の外交に近い人の中には、会談中止を歓迎する雰囲気すらあると言います。何と愚かなことでしょうか。

 本来、国の外交政策とはあらゆる手段を講じて、自国民の安全を守ることです。本来ならば、米国に対してボルトンのようなネオコンの残党の強硬派を抑えて、何としてでも米朝会談を成功さ、東アジアの軍事的緊張を少しでも緩和するように働きかけるべきですが、ファシスト安倍やその官邸の外交は、個人的面子ばかりを重んじることに終始し、国民が最早見えなくなっているとしか言いようがありません。

 

No.1224 (2018/05/15)安倍ファシスト政権・自民党・官僚の危うい国家運営
自浄作用なく犯罪の隠蔽で手一杯、国際情勢の変化から取り残され孤立化

 さて、一か月ほど、情勢が変化しないので更新していませんでした。

 安倍ファシスト政権の「森・加計・スパ」に象徴される国家を私物化する権力犯罪について、相変わらず官僚は官邸を見て対応し、安倍は開き直って、この間暴露された事実は受け容れても、政策決定に影響はないとして何も問題はないと言い、まわりが忖度したとしても私には無関係だと。権力者性善説に立った日本の法制度の下では、この開き直ったファシスト安倍を強制的に権力の座から排除することはできません。国会は与党の圧倒的多数であり、与党自民党はいまだに安倍政権を擁護することに執着しており、安倍ファシスト政権・官邸に反旗を掲げる憂国の士はいないようです。

 一方、東アジア情勢は北朝鮮の金正恩の外交攻勢によって一気に動き出しています。正に「君子豹変す」というところでしょうか。この外交攻勢はしたたかな金正恩や北朝鮮トップによって周到に準備されたものだと思います。良いか悪いかは別問題ですが、北朝鮮が実質的に米国本土を直接攻撃可能な核兵器・ICBM保有国になったことによって、強力な対米交渉カードを握ったことが、傲慢な米国政府を交渉の場に引き出す大きな要因になったことは間違いなく、その意味で金正恩の政策判断は正しかったのだと考えます。
 米国は、おそらく北朝鮮の今回の外交姿勢の変化に乗って、北朝鮮強硬路線を変更するものと考えます。トランプは大統領選挙でも言っていたように本音では北朝鮮問題から手を引きたいと考えていたのでしょう。ただし、共和党支持者の手前、強い米国を演出しなければならなかったところに、北朝鮮が核保有国になり米国を射程に入れたICBMを持ったことで、米国の国民世論も対北朝鮮強硬路線の出口戦略を議論できる環境になったところに、北朝鮮の今回の外交姿勢の変化はまさに渡りに船だったのでしょう。

 今回の朝鮮半島・東アジアの軍事的な緊張の緩和はおそらく世界中が歓迎している変化です。そのような中で日本だけが米国の表面的な強硬姿勢に盲従的に付き合ってきたおかげで、まともな情勢判断ができず、韓国北朝鮮の融和に批判的な姿勢をとり続け、北朝鮮への圧力は緩めてはならない、圧力をかけ続けるべきだと言い続けてきたおかげで、北朝鮮は当面、日本を交渉から排除する方針をとるでしょう。愚かな大多数の日本のマスコミも、この愚かな対北朝鮮外交政策を追従するばかりでした。
 おそらくしたたかな金正恩は交渉に応じる条件として、日本に対して破格の経済的援助を要求し、日本はそれを飲まざるを得なくなるのではないでしょうか。
 この間の日本の対北朝鮮政策は根本的に外交になっていないと考えます。圧倒的な力の差がある場合、ないし一方が他方に対して殺生与奪の権利を握っているような場合でもない限り、見返りなしに交渉に応じることなど在りえないのは、誰にでもわかることです。日本人の中には政府のプロバガンダに乗せられ、北朝鮮は一方的に悪であり、日本は正義だなどと勘違いしている国民も多いようですが…。安倍ファシスト・自民党政権の対北朝鮮に対して譲歩しない強硬姿勢を最後まで取り続けたことで、将来の対北朝鮮との交渉再開において大きな譲歩を迫られることになるのでしょう。愚かなことです。
 これまでもこのコーナーで何度も書いてきましたが、むしろ米朝の軍事的緊張が高まった段階で、平和憲法を有する日本が率先して仲介役に乗り出し、いち早く北朝鮮との対話を開始していれば状況はまったく変わっていたはずです。残念です。

 

 内政・外交の双方において、日本の国家運営、国家システム、国会はガタガタに崩壊しています。このような状況を打開するためには、結局のところ国民が国家運営に対する無関心を脱して、民主主義国家の成員として覚醒し、しっかり判断をすることこそ必要だと考えます。当面の課題は直近の選挙において、ファシスト安倍やこれを擁護するような自民党に対して明確に否定の意思表示を行うことです。ただ、これは現状では、残念ながら、極めて難しいことであろうとも考えます。

 

No.1223 (2018/04/14)嘘で塗り固められた三流国家日本の温暖化対策
現在における最も巨大な権力詐欺は「人為的温暖化の脅威」とその対策

 さて、前回は安倍ファシスト政権下の権力による国家システムの私物化に端を発する民主主義国家システムの形骸化の問題を取り上げてきました。確かにこれも重大な権力による詐欺行為であり、許されないことであると考えます。
 しかし、
現代において最も巨大な権力による詐欺は、主要な先進国連合が結託して世界中を騙している「人為的二酸化炭素地球温暖化詐欺」であることを確認しておかなくてはなりません。この大仕掛けな詐欺行為は、世界中の気象研究者が談合して気象観測データを改竄・捏造し、スーパーコンピューターゲームの仮想空間に破滅的な将来像を描くことで一般大衆を騙し「人為的二酸化炭素地球温暖化説」なるものをでっち上げて自然科学の権威を用いた上に、先進工業国諸国のトップが談合して国連という政治的な権威を利用して作られたものです。
 しかし、人為的二酸化炭素地球温暖化説は、冷静に考えれば高校生にさえその嘘が分かるほどの全く子供だましの出来の悪いものであることは、本ホームページの「高校生のための地球温暖化論」「20世紀地球温暖化の実像」等の論考を見ていただければ理解いただけるものと思います。本当の原因は、いい年をした大人たちが、マスメディアが垂れ流す温暖化に対する怪しげな情報に対して、自ら考えることを放棄してのみ込まれている「思考停止」状態だと考えます。

 さて、この温暖化詐欺で金儲けをしようとしているのが原発・再生可能エネルギー業界です。注意しておかなくてはいけないのは、実際には、原発メーカーと再生可能エネルギー発電メーカーはその多くが重複していることです。彼らはどっちに転んでも「電力供給の脱炭素化」などという訳の分からない大義名分でぼろ儲けが保証されているのです。
 原発にしろ、再生可能エネルギー発電にしろ、既存の火力発電よりもはるかに発電設備に必要な装置システムが巨大であり、したがって高コストです。通常の市場ではこのような高コストの電力が選択されることはありません。しかし、全世界的、そして国内法においてこの高コストの電力を合法的かつ強制的に購入することを国民に強要することで、設備メーカーや電力会社はぼろ儲けすることになるのです。

 4月10日に経産省が2050年時点の長期エネルギー政策において、「有識者会議」という何ともいかがわしい連中によって再生可能エネルギーの「主力電源化」の方針が発表されました。新聞報道を紹介しておきます。

 さて、エネルギー政策と言いながら、実際には電力供給にしか触れていないこと自体がすでに国民を騙す詐欺です。日本の一次エネルギーの構成を確認しておきます。

 上図から分かるように、日本の一次エネルギー供給に占める化石燃料の割合は80%を大きく超えているのが現状です。上図において無視できる程度でしかない「その他」の中に地熱と再生可能エネルギーが含まれているにすぎないのです。

 参考のために、一次エネルギー供給量を電力化率という視点から見ておくことにします。電力化率とは、一次エネルギー供給量のうち、二次エネルギーとしての電力生産に投入される一次エネルギー量の占める割合です。下図に示すように、この20年間では電力化率は44%程度であり、大きな増加はありません。

 電力への転換ロスがあるため、最終的なエネルギー消費量に占める割合は電力化率よりも小さくなります。主要な発電方式である火力発電の変換では、発電効率は40%程度でしょうか。大雑把にざっくり考えると、最終エネルギー消費に対する電力の占める割合は

44%×40%=17.6%

程度ということになります。

 社会全体を「脱炭素化」するには、ただ電力供給の「脱炭素化」を100%にするだけではまったく不十分です。前提条件として、同時に電力化率を100%にしなければならないのですが、これはまったく実現不可能です。電力化率には触れずに電力供給の「脱炭素化」だけで社会全体が「脱炭素化」できるような与太話をいつまで信じるつもりなのでしょうか? それどころか、実際には、現在の電力供給量の「脱炭素化」だけに限っても、技術的・経済的に実現することはほとんど不可能なのです。

 さて、火力発電を高価な再生可能エネルギー発電で置き換えるためには、その発電装置システム、不安定電力を安定化させるために必要な電力バッファーシステム、広域で電力を融通するための高規格な送電線網の建設が必要であり、電力供給のために必要なハードウェアの規模は爆発的に大きくならざるを得ません。こうした工業的に生産されるハードウェアの製造のために、工業生産規模は爆発的に肥大化し、それを支えるための化石燃料消費もまた増大することになりますが、そのことに対しては何の検討もなされていないのです。電力供給の「脱炭素化」を行うためには工業生産分野で化石燃料消費が増大するため、社会全体で見た二酸化炭素排出量が削減される保証など全くないのです。

 ちなみに、新聞記事の図表では、「再生可能エネルギー(水力を含む)」という項目の割合が現在14%程度となっていますが、これも実際には大部分が旧来の水力発電であり、いつまでたってもあまり普及しない再生可能エネルギーをことさらに大きく見せるための姑息な表示というしかありません。

 上図から実際には、太陽光と風力を合わせて名目の発電量は5.4%程度ですが、不安定なクズ電力が実際にはどれほどの電力を有効に供給しているのか…。

 温暖化やその対策として進められている電力供給における再生可能エネルギーの導入による効果、対価として強制的に徴収される再エネ賦課金の総額について、冷静な議論を行わなければならないと考えます。

 

No.1222 (2018/04/13)嘘で塗り固められた三流国家日本の惨状
「もり・かけ・スパ」、自衛隊日報、厚労省でっち上げの原因は全て安倍

 この間の安倍周辺の動きを見ていて、あまりにもひどい状況にあきれ果て、コメントする気力さえ萎えそうな状況でした。例えば、4月12日の大分合同新聞の2面3面の記事を紹介しておきます。

 安倍一強体制における官邸への権力の集中の結果、行政機構の崩壊は目を覆うばかりです。このように次々と事実を記録した公文書の存在が明らかになっているにもかかわらず、安倍は一貫して文章の内容を認めず、自分は関与してないというのですから、これでは公文書を記録する意味がないとしか言いようがありません。
 この男の精神構造はどうなっているのか。「もりかけスパ」の一つでも総理辞職に値すると考えますが、この安倍という男は一体いくつの疑惑まで関与しているのか。このような男をのさばらせる自民党という政党も推して知るべしであり、もっと言えばそれを許しているこの国の国民のだらしなさに、情けない思いが募ります。

 さて、この間の「もりかけスパ」問題にかかわる文科省、財務省、国土交通省、経産省、農水省等の対応によって、完全に行政は国民ではなく安倍一強体制下で安倍ないし官邸を向いて仕事を行っていることが如実に露呈されました。彼らは、安倍ないし官邸を擁護するためには平気で嘘をつき、情報をでっち上げ、あるいは隠ぺいすることが明らかとなりました。
 また、イラク・スーダンへの自衛隊派兵時の日報隠ぺい問題にしても、憲法9条の改悪によって戦争放棄を廃して戦争をできる国にしたい安倍ファシスト政権の意向を酌んだ防衛省制服組と背広組の合作であろうし、働き方改革法案を成立させるためのバックデータをでっち上げた厚労省も同じです。
 一言付け加えておくと、防衛省・自衛隊との関係ではシビリアンコントロールの問題が取りざたされていますが、実力組織の実戦における現場の対応=戦闘・殺し合いに対して、シビリアンコントロールなど金輪際有効に働くことなど在りえません。軍隊に対するシビリアンコントロールなど幻想です。

 自民党は、これらの問題は官僚組織が勝手にやったことであり、政治の強いリーダーシップで初めて文書の存在が明らかになったのだと言っていますが、盗人猛々しいというか、その厚顔無恥さ加減にはあきれ果てます。
 官僚組織の良識を失った崩壊を引き起こしたのは、まさに安倍ファシスト政権による権力の一極集中によって、政官の力関係において政治権力の暴走が抑えきれなくなったことに起因していると考えます。その象徴が官邸主導の政策の推進であり、その典型的な事例が「特区制度」などによる、既成の法体系によるシステムの運用を、特定の事業者に対してのみ特例的・超法規的に適用を緩和して利益を供与するという政策です。
 今回の「もりかけスパ」問題は、特定事業者として、安倍に近しい「お友達」に対して特例を与えるという言語道断なものですが、そうではないにしても何らかの選考基準によって特定の事業者を選択してその事業者にのみ特別な優遇を行うという政策設計そのものに、権力の濫用によるさらなる権力への服従を強いる効果があることは明白です。
 その結果、「特区制度」をはじめとする官邸主導のごり押し政治は、既成の法体系を逸脱した行為を官僚組織に対して押し付け、既成の法体系によるシステム運営は「岩盤規制」という悪であり、これの重視を主張する官僚は「抵抗勢力」として冷遇され、更には人事権を持った官邸に排除されることになるため、勢い安倍・官邸の顔色を窺い「忖度」して、今回のような情報の隠ぺい、捏造をしてでも安倍・官邸の意向を実現させることになるのです。

 今の日本の国家システムは、安倍という稀代の愚かな統治者に権力が集中したことによって、内部崩壊しています。これでは、国権の最高機関でどんなに真摯に議論を行ったところで、そのベースとなる資料に全く信ぴょう性が保証できない状況になっているために、代議員制の民主主義が成り立たない状態になっています。
 これを立て直すことは容易なことではありませんが、基本的には政と官の力関係を是正するために首相・官邸の力を弱め、緊張関係を回復すること、政・官に対して性悪説に基づいて国民の立場に立った法規制を行うことが必要でしょう。そして何より重要なのは、国民が有権者として自我を確立し、積極的に政治にコミットすることです。

 

No.1221 (2018/03/20)民主主義国日本の国家システムの再生は不可能
政官癒着の国家システムの構造的問題を”佐川問題”に矮小化する者たち

 この間の安倍ファシスト政権によって引き起こされた森友学園への国有地払い下げの疑惑に対する政治家や官僚の対応を見ていると、到底この国の民主主義は再生できないように思われます。安倍晋三や麻生太郎らのこの問題を矮小化するためにする発言には反吐が出そうです。

 今回の決裁書改竄問題の本質は、第一に安倍ファシスト政権の意向に沿うように公文書が改竄されたことであり、第二にその結果として国権の最高機関に対して虚偽の報告がなされ、その虚偽の報告をもとに一年以上にわたって国会の審議が行われてきたことです。当然ですが、昨年の衆議院選挙の正当性、そして現在の安倍ファシスト政権の正当性も砂上の楼閣であるということです。国会議論を行う前提が崩壊しているのですから、何よりもこの問題の真相を解明するまではすべての国会審議は行うべきではないのは当然です。

 この問題に対する野党の対応の軟弱さには腹が立つ以前に情けなくてなりません。野党が本気でこの問題を解明するつもりであるならば、この問題の真相を明らかにするまではあらゆる国会審議をボイコットするしかないはずです。自民党は国会に出席しない野党を批判するでしょうが、正義は自らにあることを国民に訴え、支持を得る努力をしながら審議拒否を続けるべきです。

 現在の野党の中途半端な対応ではとても真相に近づけないのではないかと思います。この件について、天木さんのメルマガの記事を転載しておきます。


□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】
□■ 天木直人のメールマガジン2018月3月20日第216号
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   もし安倍暴政が生き延びるとすればすべては無能な野党のせいだ
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 まさかとは思うが、ひょっとして安倍・菅暴政コンビは生き延びるのではないか。

 そう思うほど安倍首相の開き直りは目に余る。

 ここまで証拠が明らかになっても、そしてここまで支持率が急落しても、妻と私には何の関係もないと言い張っている。

 予算委員会の集中審議でこの強気だ。

 それを許している野党は一体何をしているんだ!

 思わずそう叫びたくなる無能な野党だ。

 やる気のなさだ。

 そして、きょう3月20日の新聞を見て、その思いはさらに強まった。

 佐川前国税庁長官の証人喚問の議決が来週に持ち越されたという。

 こんな馬鹿な事はない。

 私は3月15日のメルマガ第205号「安倍の窮地を救う事になる立憲民主の裏切り」で書いた。

 物事には勢いというものがあると。

 窮地に陥った安倍の息の根を止めるのは今を置いてない。一気に攻めなくてはいけないと。

 その為には、すべての原因である昭恵の証人喚問実現に一点集中して、それに安倍首相が応じなければ、すべての国会審議をストップさせる覚悟で臨めと。

 野党もそう頑張っていたはずだ。

 ところが、立憲民主党の福山と辻元が、電話一本で自民党の二階と森山に丸め込まれ、佐川喚問で手を打って、あっさりと国会再開に応じた。

 これは裏切りだと私は激しく非難した。

 はたして翌週から始まった集中審議は見事に不毛に終わった。

 昭恵の喚問どころか、佐川の喚問すら決まらなかったのだ。

 おまけに来週まで持ち越しだという。

 今日3月20日の各紙がそう書いている。

 こんな間抜けた事はない。

 こんな事で、どうして昭恵の喚問が実現出来るというのか。

 何のための集中審議だったのか。

 国会再開だったのか。

 安倍の開き直りを許しただけの国会再開に終わった。

 安倍・菅暴政コンビと一緒になって財務省叩きをしただけの国会に終わった。

 そう思っていたら、さらに腰が抜けた。

 これもきょうの各紙が報じている。

 菅官房長官がきのう19日の政府与党協議会で、4月初旬に予定されていた安倍首相の訪米が、4月中旬に再調整になったと報告したというのだ。

 電話首脳会談でいったん合意し、しかもそれを安倍首相みずから誇らしげに発表した4月初旬の訪米が延期されて、再調整になった、などということは、前代未聞だ。

 よほどトランプに相手にされていないに違いない。

 しかし、私がここで言いたいのはその事ではない。

 安倍訪米に対して野党が一言も騒がない事だ。

 あの麻生財務相ですらG20を欠席せざるを得なかった。

 それほど森友文書改ざんは風雲急を告げる大問題となったのだ。

 麻生が外遊でもした時には、それこそ袋叩きにあっただろう。

 それにもかかわらず、安倍訪米は当然のごとくだ。

 菅官房長官が日程延期を口にしても野党はひとこともない。

 しかも4月中旬に延期だという。

 いつ辞めてもおかしくないのに、そして野党はいまこそ辞任に追い込まねばいけない時に、ひと月先の安倍4月中旬訪米を認めているのだ。

 せめてジェスチャーでもいいから何とか言ったらどうか。

 野党は無能なのか。

 それとも、本気で安倍降ろしなど考えていないのか。

 自分たちの生き残りや選挙のことが優先するとでもいうのか。

 安倍は本気で居直りを考えているに違いない。

 そのためには手段を選ばず何でもやるつもりだ。

 一人や二人の犠牲者などなんとも思わないだろう。

 それを上回る覚悟と気迫で迫らない限り野党は安倍を降ろせない。

 しかし、いまの野党からは覚悟も気迫も伝わってこない。

 ここまで世論の怒りが安倍夫妻の犯罪に向かっているというのに、そして、世論に押され、メディアも官僚も、安倍に反旗を翻しつつあるというのに、もし安倍・菅暴政コンビの居直りを許すなら、その責任はひとえに無能でやる気のない野党のせいだ。

 もし安倍・菅暴政コンビが生き残るなら、今度こそ野党は倍返しで反逆される。

 野党が潰されるのは自業自得だが、国民生活が潰されてはたまったものではない。

 それだけは絶対に許してはいけない(了)
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No.1220 (2018/03/10)崩壊する民主主義国日本の国家システム
高給官僚は権力にすり寄り、権力者=黒幕はトカゲの尻尾切りで安泰

 安倍ファシスト政権になってから、民主主義国家日本の国家システムの崩壊が止め処なく進んでいます。安倍ファシスト政権は、政権与党である自民党を使って国権の最高機関である国会議論を官邸の言いなりにコントロールしてほとんど形骸化させています。同時に官邸に高給官僚の人事権を集中することで、行政も官邸の言いなりに動くようになり、本来国民のための奉仕者であるべき官僚組織は政権への奉仕者に変質してしまいました。

 その結果、高給官僚たちは官邸に都合の良いデータをねつ造し、あるいは都合の悪いデータは隠蔽して、国会には政策議論を行うための真実の情報すら提出されなくなり、一体何を議論しているのかわからない状態です。働き方改革法案の裁量労働制の議論はまったくひどいものです。さらに森友問題では行政文書が隠匿・改竄されていたことはもはや明白です。機密保護法の制定で今後ますます公文書が開示されなくなることが多くなることは必定です。

 昨日の佐川国税庁長官の辞任会見にはあきれ果てたものです。彼は、彼の国会での虚偽答弁や事実隠ぺいの罪に見向きもせず、他人事のようなコメントばかりでした。おそらく彼は安倍政権を維持するためのトカゲの尻尾として切られたのでしょう。本当に国民への奉仕者としての反省から辞任するのであれば、真実をすべて告白した上で辞任すべきでしょうが、問題の本質については黙して語らず、最後まで安倍政権への忠誠を示していました。おそらく辞任後には論功行賞として手厚い待遇が約束されているのでしょう。

 それに引き換え悲惨なのが担当官僚の『自殺』です。彼は本当の意味でのトカゲの尻尾だったのではないかと思います。もしかすると殺されたのかもしれませんが、自責の念で自殺するつもりであったなら、せめて、すべてを告白して国家システムの劣化の真実を明らかにすべきであったと思います。

 

 

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