No.947 (2014/08/08)平和国家か戦争国家か?

 沖縄戦の終結した日を記念する6月23日の慰霊の日に始まり、8月6日の広島原爆の日、8月9日の長崎原爆の日、そして8月15日の敗戦記念日と続く、前世界大戦に対する懺悔の季節です。

 このホームページでは、過去を懺悔するのではなく、未来に向かって日本がどのように国になるべきかが重要であることを述べてきました。私は絶対平和主義者であり、いかなる戦闘能力も保持すべきではないと考えていることは繰り返し述べてきました。

 残念ながら現実は、戦後最悪の保守政権である安倍政権によって、事実上日本の交戦権を復活させる戦前回帰の閣議決定が行われました。安倍は「戦後レジューム=平和憲法」を破棄して、日本を取り戻す=明治〜敗戦前の軍国主義的覇権主義国家を取り戻すことを目指しています。

 集団的自衛権を容認する閣議決定に先んじて武器の条件的輸出解禁が行われました。重工メーカーにとって、兵器産業は競争相手が少なく利益率の高い最も魅力的な産業の一つです。武器輸出の解禁は重工メーカーにとって歓迎すべきことであることは間違いないでしょう。
 しかし、重工メーカーの兵器製造部門が拡大していくことは、国家の軍国主義化を加速することになり、あるいは世界の戦争地域の拡大を待望する事になり、戦争状態から抜け出すことができなくなる大きな要因となります。米国を見てください、兵器産業不況による失業を救済するためにも世界各地で軍事行動を継続することが必要なのです。ついに日本の重工メーカーも欧米各国のような普通の国の「死の商人」の仲間入りを果たすことになるのです。

 このホームページでは、原爆の日の平和宣言を『脳天気』だと批判してきました。このところの日本の軍国主義化の傾向に目をつぶったまま、世界に向けて核廃絶・国際平和を訴えるなど、噴飯物だと思うからです。
 今年の原爆の日は、安倍政権による集団的自衛権容認という平和憲法に対する露骨な攻撃・形骸化を受けていかなる『平和宣言』が出るのか、少し注目していました。しかし、松井広島市長の平和に対する主張はあまりにも弱々しい内容でした。

 平和宣言を聞いていつも思うのですが、なぜ核兵器の廃絶だけに限定するのでしょうか?通常兵器なら戦争行為を黙認するのでしょうか?穿った見方をすれば、通常兵器だけの自衛隊を容認し、兵器産業の武器輸出を容認するため、なのではないのか…、だから私は平和宣言が擬物なのだと常々思うのです。

 本当に日本の平和国家としての立場を維持することを求めるのならば、原爆の日の来賓に安倍晋三や米国駐日大使ケネディを招聘する意味が理解不能です。安倍晋三の式辞では、市長の平和宣言に呼応するように、核兵器廃絶のみに言及し、通常兵器による抑止力の保持による集団的自衛権・交戦権の容認には全く頬被です。

 さすがにこの広島市長や安倍晋三の国民を馬鹿にした発言には、被爆者団体は反発を示しました。

 このところ、暗澹たる気持ちになることばかりでしたが、新聞の世論調査で集団的自衛権容認の閣議決定に対して否定的な若者が増加傾向にあるという記事が、少し救いです。

 絶望的な状況ですが、護憲・平和国家を希求する勢力は、来る11月の沖縄県知事選、そして来春の統一地方選挙に向けて、集団的自衛権容認の閣議決定に反対するという一点に絞っていますぐ行動を開始すべきだと考えます

No.946 (2014/08/06)県立高校の出鱈目な違法行為を告発する

 久しぶりに大分県の県立高校の話題です。このコーナーの記事『No.917 (2014/03/18)PTA強制加入の違法性の検討』で報告した通り、出来るだけ話し合いでの問題解決を目指して娘の通う高校と大分県教育庁高校教育課と話合いを続けてきましたが、3月に一方的にこれ以上の交渉を打ち切るという理不尽な対応が示されたために、大分県教育庁に対して県立高校の行為についての行政不服審査法に基づく審査請求を行いました。既に4ヶ月以上が経過しますが、未だに審査結果の報告はありません。
 勿論、審査庁である大分県教育庁は県立高校とは同じ穴の狢(ムジナ)、もっと言えば教育庁の指示に従って高校の管理職は学校経営を行っていますから、まともな審査が行われるとは端から考えていません。この審査請求の本当の目的は大分県教育庁の出鱈目な方針が文書として記録されることです。

 その後も高校は全く反省することもなく、更に違法行為を重ねています。『No.933 (2014/05/16)学習しない県立高校・PTA・教育庁の面々A』で報告したように、文書を変造してまで保護者から金をだまし取ろうというのですから呆れ果ててしまいます。

 大分県教育庁に対して審査請求をするだけでは彼ら(大分県教育庁、県立高校ならびにPTA)が反省する可能性は皆無だと考えます。そこで、明らかに刑法犯罪を立証しやすい明白な彼らの行為について、刑事告訴することにしました。
 5月26日に別府警察署に告訴状を提出しました。当日は告訴に至る経緯の概略について事情聴取が行われました。その後、関係資料を集め、数回の事情聴取が行われました。そして、8月4日に告訴が受理されました。受理された告訴状のコピーを示しておきます。

 今後この事件は、警察によって捜査が行われた後に検察に送致されます。

 この事件が今後起訴されるかどうかはわかりませんが、少なくとも警察が私の告訴状を受理したということは、一連の県立高校の対応が刑事犯罪を構成する要件を満足しているという判断を下したことを示しています。このことを高校や大分県教育庁は重く受け止めていただきたいところですが・・・無理でしょうね。

 

No.945 (2014/07/19)安倍政権で崩壊する日本

 安倍政権によって、この一年間で、第二次世界大戦後に獲得した日本の評価すべき部分が急速に破壊されつつあります。おそらく、この一年間の変化は日本という国の一大転機として記録されることになると思います。

 あまりにも急激な右傾化に対して、私自身どのように対応すべきか、未だ方向が定められていません。とりあえず、スクラップブックとして、気になる記事を貼り付けておきます。

 

No.944 (2014/07/11)驕る安倍政権によるNHKに対する恫喝

 安倍政権の驕りきった傍若無人な行動はとどまるところを知らないようです。集団的自衛権の閣議決定に関するNHKの報道番組に出演した菅官房長官に対するキャスターの質問に対して恫喝を行ったそうです。天木直人のメールマガジン2014年7月11日第481号をそのまま転載しておきます。 

 


「安倍官邸のNHK恫喝」をスクープした週刊フライデーの大殊勲


  全国紙をはじめとして、最近の大手メディアは政府の御用聞きのよう
な報道ばかり流しているので、まともに読んだり、聞いたりするのが馬
鹿らしくなってくるが、そのかわり雑誌が健闘している。

 きょう発売の週刊フライデー7月25日号もその一つだ。

 「安倍官邸がNHKを土下座させた」という見出しの、とっておきの
スクープ記事が掲載されている。

 その要旨はおよそ次の通りだ。

 すなわち7月3日に生放送されたNHKの「クローズアップ現代」
に、菅義偉官房長官が出演して集団的自衛権行使容認の閣議決定につい
て宣伝しようとしたところ、国谷裕子(くにやひろこ)キャスターが次
のような突っ込んだ質問をしたという。

 「他国の戦争に巻き込まれるのではないか」

 「憲法の解釈を変えていいのか」

 週刊フライデーはあえて「突っ込んだ」と書いているが、こんな質問
は、国会でも散々繰り返され、メディアも毎日のように書いて来た当た
り前の質問だ。

 ところが番組が終わった後で、「誰が中心になってこんな番組をつ
くったのか」、「誰が国谷にこんな質問をさせたのか」、と官邸が恫喝
し、犯人さがしをした
と言うのだ。

 驚いたのはNHKの対応である。

 籾井会長以下、上層部は平身低頭し、国谷キャスターは「すみませ
ん」と泣き出したという。

 こんな恥ずべき恫喝を安倍官邸はNHKに対して行っていたのだ。

 こんな恥ずべき全面服従を、NHKは安倍官邸にしていたのだ。

 フライデーのその記事は書いている。

 本誌は念のためそのクローズアップ現代の録画を見たが国谷キャス
ターに非礼な言動はどこにもなかった、と。

 その一方で、フライデーは次のように書いてる。

 NHKのコールセンターには、この放送を観た視聴者から「聞いてほ
しい事を聞いてくれた」、「今後も期待している」との声が多数寄せら
れた、と。

 「どちらが、正しいか、国民はよく知っているのだ」とフライデーは
その記事を締めくくっている。

 このフライデーのスクープ記事は、いまの日本の歪んだ状況を見事に
教えてくれている。

 この国を悪くしているのは、もちろん、ウソとでたらめを繰り返す安
倍政権
であり、それに対して何も抵抗出来ないこの国の政治である。

 しかし、それにもましてこの国を悪くしているのは、国民に本当の事
を伝えない大手メディアのジャーナリズム精神の放棄である。

 大手メディアがまともな報道をしていれば安倍政権の負けの皮など
あっという間に剥げるに違いない。

 安倍政権は国民の手でたちどころに引きずり降ろされている。

 大手メディアが報道しない真実を一つでも多く、見つけ、それを書き
続けて行く事は、やはり重要であるということだ(了)


 

No.943 (2014/07/02)集団的自衛権閣議決定/立憲国家崩壊の始まり

 昨日、変節者公明党の協力で、安倍自民党ファシスト政権は、憲法第9条を無視した集団的自衛権行使を可能にする閣議決定を行いました。
 公明党山口は、公明党が居たおかげで、「集団的自衛権行使に対する制限を十分かけることが出来た」という自画自賛の記者会見をしました。愚か者です。

 なぜ安倍が今回の閣議決定をここまで急いだのかを考えなくてはなりません。これは言うまでもなく、日米安全保障に関するガイドラインの改訂作業に向けて、米国にお土産を献上するためです。米国は国内的に軍事費による負担の軽減と、直接的な軍事介入に対する批判をかわすために、米国の世界戦略の一部を日本が肩代わりすることを求めているのです。
 従って、これに応じることを目指す閣議決定ですから、いくら公明党が歯止めをかけたといったところで、米国は軍事行動の肩代わりを求めてくるのはわかりきっています。勿論安倍とてこれは先刻承知であり、あるいは米国との間に密約でもあるのかもしれません。

 自民党としては、いくら公明党の顔を立てて文言について譲歩しようが、集団的自衛権について、少しでも行使を容認することさえ含まれていればそれで十分だったはずです。後は、「小さく産んで大きく育てる」いつものやり口で、曖昧な文言はいくらでも解釈変更できるのですから、大丈夫だと考えているのは明らかです。

 既に安倍政権に取っての山は越したのです。これからは、具体的な法整備で少しづつ大きく育てるだけです。国会審議において共産党や社民党は正論である憲法問題で閣議決定の取り消しを求めるでしょうが、既に時遅しです。他の政党は自民党に対して閣議決定の説明を求めた上で、個別法案の審議には賛同することは目に見えています。

 本当にこれを止めるためには、世論を大きくして衆議院を解散させた上で、護憲政党に対して過半数の議席を与えることですが、現実的には不可能でしょう。分岐点は前回の選挙において改憲を公約とした安倍自民党に政権を渡すかどうかだったのです。残念です。

 以下、管理者の雑記帳から過去の書き込みを転載しておきます。


集団的自衛権のリアリティーのない国会論戦

投稿日: 作成者: HP管理者

●集団的自衛権容認についての国会審議が始まりました。本日の審議のはじめに質問に立った自民党の中谷の質疑を少し聞いて呆れ果てました。

●安倍主導の集団的自衛権論議は絵に描いたようなフィクション・絵空事についての空中戦です。また、この問題についての街頭インタビューに答えるわけ知り顔の紳士、淑女諸君の「日本の防衛環境が変わったのだからいいのではないか」などという、スットボケた現実感のないコメントには反吐が出ます。

●技術的に考えて、いくら日本が交戦権をもって日米同盟軍を作ったとしても、日本の国土と国民が無傷で済む=安全を守ることは不可能なことは、子供でも分かることです。日本が交戦権を持てば殴り合いになって相手にも物理的・人的被害を与えることになるでしょうが、同時に日本の国土も被害をうけ、人的被害も被るのです。

●交戦権を持って、その上で日本を無傷で安全を守るためには、圧倒的な軍備で先制攻撃を行い、敵国に壊滅的な被害を与えることしかないのです。これが自衛のための戦争と呼べますか?あるいは、中国やロシアを圧倒的に凌駕するような、彼らの戦意を喪失させるほど圧倒的な軍事力を保持し、維持していけると思いますか?

●交戦権を持とうが、交戦権を放棄しようが、戦争状態になれば日本の国土と国民に被害が出るのは同じなのです。むしろ日米軍事同盟に巻き込まれれば、世界で最も憎まれている米国のとばっちりで危うくなるだけです。

●日本を完全に武装解除し、米軍基地を全て撤去させ、全方位外交を誠実に追求していく事こそ最も現実的な安全保障です。ガキのような安倍・石破・中谷らの幼稚な防衛戦略の火遊びばかりを進めて、対米国以外の外交をおろそかにしていては日本は危うくなるばかりです。日本の無能な外務省には優秀な外交官がおらず、お馬鹿で好戦的な安倍お友達内閣と一緒になって日本を危うくしている現状は悲しいことです。

追記:2014.06.08

■結局のところ、安倍の集団的自衛権容認政策の目的は日米防衛協力のためのガイドラインの改定に向けて、米国に対するお土産を作ることだけです。米国にとっては、東アジア地域の米軍の削減=防衛費の削減を実現できるのですから、誠に歓迎すべきことです。つまり、日本の集団的自衛権の行使が実現できれば、米国の東アジア戦略を日米同盟軍によって担うことが可能になり、人的にも金銭的にも米国の負担が著しく軽減できるということです。

あくまでも『米国の東アジア戦略』の一環であって、『日本の防衛』のためではないことに注意しなくてはなりません。日本は米国の東アジアにおける最前線基地=不沈空母、すなわち米国の安全保障のための駒の一つに過ぎず、米国にとってこれが多少攻撃を受けてもさほど問題では無いのです。むしろ米国の世界戦略の一部に組み込まれることによって、米国と敵対する国にとって日本を直接攻撃する大義名分を与えることになり、危険が大きくなるのです。

■更に、安倍政権では集団的自衛権を行使する地域を日本周辺に限定することはしない=世界中の米国の関与するあらゆる戦闘地域に日本軍が展開することを容認するとしています。とんでもない話です。こんなことを国連PKOと絡めて国際貢献などというのは詭弁です。


 

No.942 (2014/06/20)福島原発事故による食物の放射能汚染の実態

 マスコミ報道は福島原発事故による食物汚染など既に過去のもののような報道ばかりが目立ちます。福島の汚染の状況を冷静に分析してその危険性を公言しようものなら、風評被害だとばかりにバッシングを覚悟しなければならないような異常な状態です。「美味しんぼ」に対する反応も常軌を逸しているように思います。

 繰り返しになりますが、環境中に放出されてしまった放射性物質に対する対応の基本は、できるだけ狭い空間に閉じ込めることに尽きます。福島を中心とする放射性物質汚染地域からはできるだけ物質を拡散させないことが基本です。汚染地域からの農産品・魚介類を食べて復興に協力しましょうなどというのは科学的とはいえない対応です。

 さて、ブログ『雑草庵の破れた障子』に掲載された“山のキノコ”氏によって作成された食用の放射能汚染基準を超えた山菜や野生生物の分布図、並びに記事をそのまま転載させていただきます。


これが汚染の実態なのか?  厚生労働省の発表データから作成。

2014-06-16

100ベクレル/kg超の汚染食品分布図

分布図の根拠のデータセット (厚生労働省発表)

● 厚生労働省 報道発表資料 から 食品中の放射性物質の検査結果について を閲覧しました。そして、2014年4月1日〜6月14日の間にリリースされた資料をチェック。食品中に100ベクレル/kgの基準値を超える放射性物質が検出されたものを抽出しました。以下にもれなく列挙します。なお、資料を目を凝らしてチェックすると、
100ベクレルはセーフ! としていますね。100ならばセーフ、110ならばアウト! 出荷しないようにと要請です。

しかし、「要請する」 ということはどういうことなのか?? 法的な 「命令」 と違って、単に〜してくださいとお願いするだけではないのか? という疑問が生じます。法的強制力があるのかどうか? 要請に応じない業者にはどう対処するのか?? 罰則があるようではなさそうだし…。政府自身が 「食べて応援しよう!」 などと放射能汚染の可能性がある食品の流通普及にやっきになっているのです。で、100ベクレル超過の食品が発見されて、生産者や流通業者に市場に出さないようにと要請しても、業者が守らない可能性は当然に考えられますよね。あるいは、業者はお役人とのトラブルを避けるために、口先だけハイハイと言うことを聞いてその場をしのぎ、お役人の見ていないところで結局は要請を無視することもあるでしょう。要請に応じたかどうかのチェック体制はあるのだろうか? タチの悪い悪徳業者ならば、汚染度の高い食品を汚染のほとんど無い食品のなかに混ぜ込んで販売する、というぐらいの芸当は朝飯前です。(実際ありましたよね。内部告発が出てきましたわね) 政府は完全に 「事故など無かった、放射能汚染などあり得ない」 と言わんばかりのスタンスです。こういう状況でありますから疑心暗鬼が膨らんで、おかみの言うことは皆ウソにみえてきますわね。おかみの言うことの逆をするぐらいがちょうど良いのかもしれません…。

● 政府 (農水省) は、「食べて応援しよう!」 と言いながら、原子力災害対策特別措置法に基づく食品に関する出荷制限 を広い地域に、(物にもよるけど) 青森県から長野・静岡県まで網にかけていますよね。なんか矛盾しています。それに出荷制限をかけているいる品目は、自然物 (野生きのこ・野生の山菜・イノシシやクマ肉など) が多いのは異様な感じがします。野生品は流通量が僅かですし、それらの業者は窃盗しています。原発事故で商売が出来なくなった山採りキノコ業者が、東京電力に補償を求めたところ、東京電力は 「キノコは窃盗物であり、窃盗物の商いに関しては補償はしません」 という返事でした。つまり、影響力の少なさから天然品だけを問題にして誤魔化しているのではないのか? という疑念がどうしても湧いてきます。野山の天然品のベクレルは高くて、隣接する田畑の作物のベクレルは低いというのは、どう考えても不自然ですわねえ…。


以下に、資料毎の通し番号・その食品の産地・その食品名・検査結果のベクレル/kg、の順に配列しています。

追加分、上掲分布図に未反映です
食品中の放射性物質の検査結果について(第883報) 2014年6月17日(火)掲載
自治体から入手した放射性物質の検査結果
   512 栃木県那珂川町 イノシシ肉 110
  2374 岩手県一関市 クマ肉 380
  2376 岩手県一関市 クマ肉 230
  3647 秋田県湯沢市皆瀬地内 野生ネマガリタケ 120
  3658 秋田県湯沢市皆瀬地内 野生ネマガリタケ  110
緊急時モニタリング又は福島県の検査結果
   42 福島県猪苗代町 野生ネマガリタケ 200
   43 福島県猪苗代町 野生ネマガリタケ 150
  281 福島県富岡町 ウスメバル 120
  305 福島県北塩原村 桧原湖 イワナ 140
  573 福島県天栄村 野生フキ 140
  710 福島県福島市 (製造加工場所) 大豆粕 110
追加分終了

● 汚染ネマガリダケが福島県のみならず秋田県で発見されましたね。加工品にも汚染が見つかりました。前エントリーで申したように、吾輩はタケノコが大好物であります。自分の地方にある種類のタケノコを自分で採集するだけでなく、自分の地方にない種類のタケノコは購入してでも手に入れて食べるのですけれども、誠に悲しむべき事態であります。東北地方は山菜ファンやキノコファンから見たら憧憬の聖地で、山菜・キノコともその種類も産出量も他の地方を遥かに凌駕しています。自分の地方にないものは、山形県月山とか福島県会津地方などの山菜業者から宅配便で購入していましたが、これではもう購入はできませんわ。この山菜キノコの聖地を汚した原子力ムラの利権者どもは、犯罪集団と言っても過言ではないでしょう。原子力ムラの指導的立場にある者どもは、みなA級戦犯に相当するやつらであり、日本にまともな司法が機能するならば牢屋にぶちこむべきであるのですが、日本は三権分立ならぬ三権連立の相互補完構造で、絶望的であります。こういう事態であるのに、再稼働をたくらむとは、正気の沙汰ではありません。気が狂っているのでしょう。

それにしても全く理解しがたいのは右翼の連中です。日本の歴史や伝統を愛し国益を主張する右翼たちが、完全に原発推進派なんです。日本の美しい緑の国土を放射能で汚したんだから、美しい国土を愛する右翼こそが誰よりも原発反対でなければいけないのに、原発推進なんです。高線量汚染地帯は実質的に国土 (=領土) 喪失と同等です。尖閣諸島や竹島を問題にするのであれば、高線量汚染という形での領土喪失をなぜ問題視しないのか? 矛盾しています。山あり川あり森ありの美しい国土を放射能ゴミで汚すということは、右翼的な表現では、皇居や伊勢神宮にゴミを投げ込むのと同じです。右翼たちの言動には矛盾がありすぎます。

静岡県御前崎ちかくの浜岡原発は、まさに東海地震想定震源域の只中にあります。海溝型の巨大地震が原発の真下で起こる可能性が高いです。近年、地震計が高密度に配置されてから、直下型の内陸地殻内地震で2000ガルとか 4000ガルなどの信じがたい激しい揺れが観測されていますよね。申すまでもなく重力加速度は980ガルですが、鉛直方向に980ガル以上の加速度が作用したら地表の物体は宙に浮かびますよね。新潟中越地震では山古志村で巨石が空中に浮かんだという目撃証言がありました。恐いですわね。内陸地震でもおそろしいのに、マグニチュード8クラス(モーメントマグニチュードでは9もありえる)の地震が浜岡原発の真下で起こったならば、想像もできないほどの地獄絵となりましょう。その危険性は非常に高いと言わざるを得ません。風向きにもよりましょうが、首都圏壊滅、日本屈指の工業地帯の中京圏も壊滅です。そのときは、おそらく日本の終焉だろうと思います。ていうか、そのときは日本は世界から袋叩きです。1回目の原発事故ならば、まあ、なんとか、こらえてくれても、(世界から被害請求が来ていないので) 2回目となったら、もはや容赦はありません。世界から被害請求・慰謝料請求が殺到ですワ。 “東アジアのあの気違い猿どもめ” と袋叩き です。在外邦人は白い目で見られ迫害されるでしょうね。それでも再稼働すると言うのだろうか? 狂っていますね。

2014年6月9日(月)掲載 (第882報)
自治体から入手した放射性物質の検査結果
  1305 長野県軽井沢町 野生ゼンマイ   110
  1306 長野県軽井沢町 野生コシアブラ  400
  1307 長野県軽井沢町 野生コシアブラ  230
  2723 宮城県栗原市   ツキノワグマ肉  160
  4452 宮城県三迫川支流新湯沢 (栗原市) イワナ 150
  4453 宮城県三迫川支流新湯沢 (栗原市) イワナ 120
  5677 群馬県桐生市 ツキノワグマ肉   260
緊急時モニタリング又は福島県の検査結果
   214 福島県富岡町 シロメバル      310

2014年6月3日(火)掲載 (第881報)
自治体から入手した放射性物質の検査結果
  1246 長野県野沢温泉村 野生コシアブラ 140
  1247 長野県中野市 野生コシアブラ  120
  1380 栃木県日光市 渡良瀬川 イワナ  140
  2120 群馬県みなかみ町 野生コシアブラ 530
  4343 千葉県柏市 手賀沼 ギンブナ 110
  4344 千葉県柏市 手賀沼 コイ    210
  5388 新潟県津南町 野生コシアブラ 170
  5389 新潟県津南町 野生コシアブラ 120
緊急時モニタリング又は福島県の検査結果
   279 福島県 楢葉町シロメバル   240
   292 福島県伊達市布川 (阿武隈川水系)  イワナ130
   299 福島県伊達市石田川 (阿武隈川水系)ヤマメ160
国立医薬品食品衛生研究所の検査結果
    34 新潟県* 野生コシアブラ  130  
  *市町村不記載、群馬県内で流通。

2014年5月26日(月)掲載 (第880報)
自治体から入手した放射性物質の検査結果
  648 長野県軽井沢町 野生コシアブラ 110
  650 長野県軽井沢町 野生コシアブラ 300
  6078 長野県野沢温泉村 野生コシアブラ 110
  649 長野県軽井沢町 野生タラノメ 140
  794 宮城県丸森町 イノシシ肉   140
  795 宮城県丸森町 イノシシ肉   120
  2976 宮城県丸森町 タケノコ露地栽培 170
  3006 宮城県丸森町 タケノコ露地栽培 150
緊急時モニタリング又は福島県の検査結果
  80 福島県いわき市 コモンカスベ  150
  151 福島県楢葉町 シロメバル   190

2014年5月19日(月)掲載 (第879報)
自治体から入手した放射性物質の検査結果
   423 栃木県益子町 イノシシ肉  170
   424 栃木県益子町 イノシシ肉  400
  1993 宮城県丸森町 タケノコ露地栽培 160
  5273 宮城県丸森町 タケノコ露地栽培 210
  2113 栃木県さくら市 野生タラノメ  120
  6061 長野県長野市 野生コシアブラ 340
緊急時モニタリング又は福島県の検査結果
    39 福島県広野町 野生ワラビ  430
    41 福島県葛尾村 野生ワラビ  110
    50 福島県広野町 野生ゼンマイ 700
    60 福島県相馬市 野生ウド    110
    70 福島県葛尾村 野生ウド    380
   574 福島県川内市 野生ウド    110
   575 福島県川内市 野生ウド    460
    75 福島県猪苗代町 野生タラノメ 140
    92 福島県天栄村 野生タケノコ  110
   237 福島県新地町 クロダイ     510
   244 福島県楢葉町 コモンカスベ  210
   256 福島県楢葉町 ババガレイ(ナメタガレイ) 190
   257 福島県広野町 ババガレイ(ナメタガレイ) 240
   303 福島県北塩原村 北塩原村大塩川 (阿賀川水系)イワナ 210
   304 福島県伊達市 石田川 (阿武隈川水系) イワナ 740
   312 福島県伊達市 布川 (阿武隈川水系)ヤマメ   130
   313 福島県伊達市 石田川 (阿武隈川水系)ヤマメ  350

2014年5月12日(月)掲載 (第878報)
自治体から入手した放射性物質の検査結果
    570 宮城県栗原市 クサソテツ  210
    573 宮城県栗原市 コシアブラ  330
    575 宮城県栗原市 コシアブラ 1200
  3006 群馬県高崎市 イノシシ肉  170
  3008 群馬県安中市 イノシシ肉  380
  3012 群馬県南牧村 イノシシ肉  210
  3014 群馬県片品村 イノシシ肉  180
  4122 山形県最上町 (最上地域神室山系) コシアブラ 200
緊急時モニタリング又は福島県の検査結果
   62 福島県いわき市 コモンカスベ 110
   71 福島県いわき市 スズキ     130
   146 福島県富岡町 シロメバル   110
   285 福島県大玉村 野生ゼンマイ  140  
   298 福島県広野町 野生ウド     140

2014年5月7日(水)掲載 (第877報)
自治体から入手した放射性物質の検査結果
  1329 岩手県釜石市 野生ワラビ   220
  1379 宮城県栗原市 野生タラノメ  350
  1380 宮城県栗原市 野生タラノメ  500
  1432 栃木県鹿沼市 野生ゼンマイ  110
  1499 群馬県東吾妻町 (今川) イワナ  130
  1502 群馬県中之条町 (上沢渡川) ヤマメ 120
緊急時モニタリング又は福島県の検査結果
   138 福島県いわき市 コモンカスベ 150
   149 福島県いわき市 ババガレイ(ナメタガレイ)140
   160 福島県いわき市 マコガレイ  120

2014年4月30日(水)掲載 (第876報)
自治体から入手した放射性物質の検査結果
   50 宮城県岩沼市二の倉沖 クロダイ 110
   662 栃木県那須塩原市 旧黒磯市 野生タラノメ 220

2014年4月28日(月)掲載 (第875報)
自治体から入手した放射性物質の検査結果
   449 栃木県市貝町 野生コシアブラ 210

2014年4月25日(金)掲載 (第874報)
自治体から入手した放射性物質の検査結果
   74 宮城県栗原市 クサソテツ 320
   75 宮城県栗原市 クサソテツ 480
緊急時モニタリング又は福島県の検査結果
   31 福島県楢葉町 ワラビ  620
国立医薬品食品衛生研究所の検査結果
   39 栃木県 (市町村不明) 野生コシアブラ 400
   41 栃木県 (市町村不明) 野生タラノメ   190

2014年4月24日(木)掲載 (第873報)
自治体から入手した放射性物質の検査結果
   18 宮城県栗原市 野生タラノメ  160
   159 栃木県日光市 中禅寺湖 ブラウントラウト 240
   182 栃木県高根沢 野生コシアブラ 240

2014年4月23日(水)掲載 (第872報)
緊急時モニタリング又は福島県の検査結果
  115 福島県富岡町 シロメバル    120
  180 福島県猪苗代町 秋元湖 イワナ 110
  184 福島県福島市 小川(阿武隈川水系) イワナ 210
  194 福島県猪苗代町 秋元湖 ヤマメ        140
  196 福島県伊達市 石田川 (阿武隈川水系) ヤマメ 200
  197 福島県伊達市 布川 (阿武隈川水系) ヤマメ  140

2014年4月22日(火)掲載 (第871報)
緊急時モニタリング又は福島県の検査結果
   29 福島県会津美里町 クサソテツ(コゴミ) 130

2014年4月17日(木)掲載 (第868報)
自治体から入手した放射性物質の検査結果
   154 栃木県日光市 (旧今市市) タラノメ  220

2014年4月16日(木)掲載 (第867報)
緊急時モニタリング又は福島県の検査結果
   122 福島県いわき市   スズキ  130
   147 福島県いわき市 マコガレイ  150
   252 福島県桑折町産ケ沢川 (阿武隈川水系) イワナ 120
   257 福島県金山町 (沼沢湖) ヒメマス    110
   260 福島県桑折町産ケ沢川 (阿武隈川水系) ヤマメ1 20

2014年4月10日(木)掲載 (863報)
緊急時モニタリング又は福島県の検査結果
   38 福島県楢葉町 フキノトウ 440
   44 福島県葛尾村 フキノトウ 290
   46 福島県葛尾村 フキノトウ 130
   47 福島県葛尾村 フキノトウ 210
   48 福島県葛尾村 フキノトウ 120
 


追記:2014.06.22

 今回紹介した100ベクレル/kg以上の放射能レベルが検出された食用に適さない野生の食物の採取地点の分布図と2012年11月のセシウム134、137の合計の地表面沈着量の分布図を比較してみます。両者は比較的良い対応を示していることが分かります。

 今回紹介した分布図から分かる通り、福島第一原発事故で放出された放射性物質に強く汚染された地域では、今なお食用に適さないと国が認めるレベル以上に汚染された野生食物が数多く採集されているのです。汚染は過去のものではありません。
 日本は森林の多い国です。里山を含めて森林部分の除染は事実上不可能であり、放射能レベルが自然に減衰するまで時間の経過を待つしかありません。高レベルに放射性物質に汚染された地域の住居とその周辺の極一部の除染をしたからといって、住民を帰還させるような無謀なことを行うべきではありません。除染を行われていない森林からの放射性物質の流入によって汚染レベルはまた高くなると考えるべきです。

 今でも遅くはありません。高濃度の汚染地域は放棄して、その地域の住民に対しては新しい土地での生活の再建を最大限保証する事こそ、科学的・合理的な判断です。
 住民の「生まれた土地へ帰還したい」という心情は十二分に理解できますが、だからといってすぐにでも安全に故郷に帰還できるような耳障りの良い、いい加減な絵空事で住民を惑わすような政策は行ってはなりません。
 高濃度の汚染地域は、放射性物質に汚染された瓦礫や廃物を含めた放射性廃棄物の処理施設などを集積することが最も合理的です。放射性物質の最終処分地を福島県外に作るなどというのは非科学的で無謀な発想です。地元の反発は当然考えられますが、福島の高濃度汚染地域に最終処分地を建設することこそ、合理的な判断であることを正確に説明し、地元住民の納得を得る事こそ行政の仕事であると考えます。 

 

No.941 (2014/06/20)県立高校の密室内の犯罪は裁けないのか?

 このHPでは、大分県の県立高校における教科書記述の問題やPTA問題、学校私費会計の問題について報告してきました。大分県教育庁(教育委員会)、県立高校そしてPTAはいくら不法行為を指摘しても自ら反省して身を正すことをしません。うるさい保護者は無視しておけばそのうち居なくなるという驕りがあるのでしょう。

 また、大分県でもいじめによる自殺や体育系部活動における行き過ぎた指導などの問題が起こっていますが、国家あるいは地方公共団体による厚い壁は、責任の所在を曖昧にしたまま問題をウヤムヤにしてしまいます。こうした体質が大分県教育委員会、県立高校、PTAによるどろどろの癒着構造を創りだし、風通しの悪い伏魔殿を作り出しています。

 さて、数年前、大分県立の竹田高校の剣道部の部活動中に剣道部員が熱中症で倒れ、指導者の不適切な対応で死に至るという事件が起きました。その事件を見ていた亡くなった生徒の弟さんの手記によれば、指導者は動けなくなった生徒に「気迫がない」として暴行を加えるなどして手当てが遅れたといいます。


 これが学校という特殊環境で起こった事件でなければ、この指導者は暴行致死罪、あるいは少なくとも業務上過失致死罪に該当するはずですが、結局、刑事事件としては嫌疑不十分として不起訴となり、民事訴訟の一審でもその責任が問えないという一般人には理解できない判決が出されました。

 控訴審についての新聞記事を紹介します。高校を中心とするこの伏魔殿の闇はどうにか出来ないものでしょうか…。

 

No.940 (2014/06/19)改正国民投票法の投票年齢引下げに反対

 13日に改正国民投票法が成立しました。これで憲法改正の手続きが確定しました。この法案には共産党と社民党以外の与野党が賛成しています。衆参両院において憲法改正を発議する2/3の要件を満たすことが、可能な情勢のです。しかし、本来国家権力を律するための憲法を政府・与党・国会の側から率先して憲法論議を先導するという流れは倒錯しています。

 この改正国民投票法では将来的に投票資格を20歳から18歳に引き下げます。これには私は反対です。実際の社会生活を経験していない、あるいは社会人としての経験の浅い今の若者達は、残念ながら社会についての思慮があまりにも浅く、国家の根本をなす憲法論議に対してまともな判断を下せるとはとても思えません。
 特に日本の学校教育に於いて、政治経済について現実に則した教育が全く行われていないため、高校を卒業したばかりの若者は教科書の記述を鵜呑みにしており、自らの頭で何も考えていないのが実情です。私はできるだけ政治や経済、社会情勢について娘に語りかけて意見を求めるようにしていますが、どうも実感を持って考えているようには見えないのです…。
 私はこれは日本の学校教育の決定的な失敗だと考えていますが、国家権力・自民党政権にすれば、敢えて『由らしむべし知らしむべからず』という愚民政策を継続するためにこのような教育を施しているのでしょう。
 教育委員会制度の改悪による、国家権力の学校教育に対する関与が一段と強くなり、検定教科書では日本の領土問題を小学校の教科書に記載するなど、保守化傾向が強まりつつあります。学校教育によって国家政策を刷り込まれ、ある意味洗脳状態にある若者を国民投票に組み込むことで、政権与党の目論見通りの憲法改正が実現することを狙っているように思えます。これはオウムのような特殊なマイノリティーの洗脳よりもはるかに悪質な洗脳であり、亡国の政策だと考えます。

 

No.939 (2014/06/19)国際法・憲法・集団的自衛権、そして公明党

 自民党・安倍政権は、高い支持率を背景になりふり構わず憲法解釈を変更して、集団的自衛権を容認する閣議決定を強行しようとしています。
 その説明において、集団的自衛権は“国際法”上認められている国家固有の権利という言い回しがよく使われます。国際法とは、単独の成文が存在するわけではなく、国際条約や国家間の慣習などの総体を指すものです。集団的自衛権が国家の固有の権利という場合、国連憲章の第51条のことを指しているようです。
 しかし今更国際法上認められているから日本政府も集団的自衛権を行使できるようにするというのは全く筋の通らないことです。国際法とは、国家間の取り決めであり、独立国家の国家運営にまで直接的に干渉するものではありません。
 日本は立憲主義の法治国家であり、民主国家=国民主権国家です。その最も基本となる法体系が日本国憲法です。国民から国家運営を委任された政府の権力の濫用を抑え、主権者たる国民の権利を守るために憲法があります。
 日本政府・国家権力を律するのは日本国憲法であって、国際法ではありません。憲法が国際法に優先することは当然であり、国際法が許しているからといって日本政府が憲法を踏みにじることに、何の合理性もありません。原則論はここまでとします。

 さて、自民党は集団的自衛権行使の3要件を示しました。また、政府は集団的自衛権に関する閣議決定の文案を提示しました。
 自民党の示した3要件の核心は“わが国への武力行使が発生したこと、または他国に対する武力攻撃が発生し、わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される恐れがあること”というものです。
 他国に対する武力攻撃がわが国の存立を脅かすとはどんな状況でしょうか?、生命・自由・幸福追求の権利を根底から覆す状況とは何でしょうか?意味不明です。
 この要件であれば、世界中の何処かに戦闘行為が勃発すれば、実質的な脅威がなくても政府が『恐れがある』と判断すれば日本は武力行使できるということでしかありません。実質的に政府にフリーハンドを与える要件でしかありません。
 政府の集団的自衛権に関する閣議決定文案では、集団的自衛権行使の地理的な制約は設けないとしています。つまり、条件さえ揃えば日本は世界中のいたるところで武力行使する事ができるようにするというものです。

 このようなことが憲法第9条の範囲で許されるなどというのは、詭弁でしかありません。このような閣議決定の下で各種の法律が整備されるというのならば、最早憲法など空文にすぎないということです。

 さて、公明党は平和を守り弱者を救済することを結党の理念としていた政党だったはずですが、次第に変質してきました。特に安倍ファシスト政権の与党になるや、権力に魅入られてしまったようです。露骨に弱者を切り捨て、積極的に武力行使を出来る国にしようとする安倍極右ファシスト政権与党にとどまるために、結局は条件をつけつつも集団的自衛権容認路線に転向することが明らかになりました。公明党の議員諸君、権力とはそんなに美味しいですか?!

 しかし、私が一番怖いと思うのは、このような戦後最大の国家運営の分岐点にありながら、大多数の国民は声を上げず、脳天気にゲームの仮想空間に遊び、マスコミ・報道機関も評論家的に人ごとのように成り行きを眺めているだけという状況です。集団的自衛権の問題だけでなく、弱者や労働者を切り捨て大企業本位の政策を強行に推し進める安倍政権の支持率がどうしてこのように高い水準を維持できるのか、恐ろしい時代になろうとしているようです。
 集団的自衛権の容認に反対する集会の映像を見ると、大多数は中高年の人たちであり、戦場に駆り立てられることになるかもしれない若者たちの姿がほとんど無いことが象徴的です。教育委員会への権力の関与の強化によって、今後ますます教育の場における国家主義的な刷り込みが強まることは否めないでしょう。4年後の憲法改正の国民投票の年齢制限の18歳への変更は、こうした状況を最大限に利用しようとするものなのでしょう。

 

 

 

No.938 (2014/06/18)電力小売り自由化と太陽光発電

 このところ、PTA問題で個人的にバタバタしていたため、HPの更新が滞っていました。世の中はサッカーのワールドカップで馬鹿騒ぎしているようです。個人的にはサッカーというスポーツは見ていて面白いゲームだと思いますが、私達にはもっと実生活に直結する重大な問題があるはずです。
 ファッショ的な安倍自民党政権による日本の憲法を形骸化するとんでも無い解釈変更は、戦後の日本における最大の国家政策の改悪だと考えますが、その閣議決定を目前にして尚、国民のこの問題に対する反応の鈍さは一体どうなっているのでしょうか?

 重要な事件がまとまって起きていますので、今日はまとめて備忘録として簡単にコメントしておきます。まずは掲題の件から。


 電力の小売自由化について、幾人かの読者の方からその意味を問うメールをいただきました。私が著書の中で電力市場の自由化を支持していることへの疑問です。

 その内容の一つは、電力の小売の自由化を行うと、太陽光発電や風力発電をはじめとする非効率的な電力供給システムが加速度的に普及してしまうのではないか、という疑念です。
 日本では太陽光発電の施設規模の拡大がここ数年著しいようです。その原因は、再生可能エネルギー特別措置法によって、太陽光発電をはじめとする不安的な自然エネルギー発電電力に対して、市場の電力売買価格よりも著しく高い値段で電力会社に買い取りを義務付け、その小売売電価格との逆鞘を消費者に負担させているからです。
 つまり、太陽光発電や風力発電という不安定で低効率、従って高コストの発電システムによる発電事業者は、電力会社による買い取り制度があるからこそ存在可能なのです。仮に彼らが独立した電力小売事業者として電力市場に参入しようとすれば、これまでは電力会社に押し付けていた不安定電力を安定化するための付帯設備費と送電線の利用料を負担することになり、電力供給コストはこれまで以上に大きくなります。
 従って彼らが電力小売り市場に参入しても、高価格で多少不安定でも太陽光発電や風力発電電力を使いたいという“環境オタク”の奇特で裕福な消費者以外は見向きもしないでしょう。実質的には太陽光発電や風力発電などの不安定な再生可能エネルギー発電専業の事業者が電力小売市場で生き延びることは考えられません。彼らは今まで通り電力会社への卸業者の道を選択するしか無いでしょう。

 ではなぜ電力小売市場を自由化したのでしょうか?これは、福島原発事故を含め、地域独占による電力供給システムによる様々な問題が顕在化してきたため、その批判をかわすためであろうと考えられます。更に今後発送電分離が行われる予定です。
 今回の小売電力市場の開放によって新たに市場に参入するのは、電力会社以外のエネルギー供給企業や大規模な生産設備を持つ製鉄などの装置産業が中心になると考えられます。彼らは電力小売市場に参入する場合、最新の火力発電システムあるいは既存の生産ラインからの廃熱・廃物などを利用した発電システムを利用することによって、おそらく電力会社よりもはるかに低コストの電力を安定供給することが可能でしょう。
 こうした新規参入する高効率の電力供給システムを持つ事業者が増えることは、非効率的な発電装置、太陽光発電や風力発電などを駆逐するために有効であろうと考えられます。
 これに対抗して太陽光発電や風力発電を電力小売市場で普及させるためには、現状の電力会社による買取制度と逆鞘の消費者への価格転嫁では不可能です。電力自由化と同時に太陽光発電や風力発電を普及させるためには、事業者に対して、原子力発電同様に、国庫からの直接的な財政的な補助金をつぎ込まなくてはならなくなるでしょう。これによって小売価格を低くすることは、莫大な国庫からの資金投入が必要となり、電力供給における総合的な社会的費用は爆発的に大きくなります。
 どのような経済的な仕組みを作っても、非効率的で不安定で高コストの発電システムを無理やり普及させれば、遠からず破綻することは当たり前の結論です。

 

No.937 (2014/05/30)政治的圧力で崩壊する安全規制委員会

 東京電力福島第一原発の空前の大原子力発電所事故が起こって3年余、原子力発電所の事故現場では事故処理の最初のステップである事故原子炉の安定的な冷却システムすらまだまともに稼働できない状態で、放射性物質を敷地外に垂れ流し続けています。
 一方、周辺の汚染地域では、放射線管理区域を上回るような汚染地域の避難指示を解除して住民の自宅への帰還を行うなど、非人道的な政策が進行しています。

 電力会社を始めとする企業、その意向を受けた日本政府・安倍は、福島原子力発電所事故を受けて作られた『世界で一番厳しい安全基準による安全な原子力発電システム』を海外へトップセールスして回るしまつです。呆れ果てた暴挙です。これは正に『原子力安全神話の復活』です。

 そのような中で、独立の組織として原子力発電所の安全性について規制を行うという触れ込みでスタートしたのが原子力規制委員会でした。勿論、この組織自体原子力発電を継続することを前提として作られた組織ですから、安全規制に対してそれほどの実効性を期待していたわけではなく、幻想は持っていませんでしたが、福島原子力発電所事故以前よりは多少まともになっていたと思います。

 ところが、原子力規制委員会の一部委員の任期切れに合わせて、政府・自民党の圧力で、これまで比較的原子力発電所の運転再開に厳しい条件をつけていた島崎邦彦委員の後任に、原子力関連企業との金銭的なつながりが強い“原子力村”の一員であり、原子力発電推進を公言する原子力学会会長の東京大学田中知教授がねじ込まれることになりました。

 原子力発電所事故原因の科学・技術的な解明もまだ十分ではなく、目処もつかない原子炉の処理作業や、広大な汚染地域と多くの被災住民を尻目に、ここまで露骨な政治的圧力で原子力発電所再開についての基準を緩めようとする安倍・自民党政権のおごりは、原子力事故に対する反省もなければ、何も学んでいない大馬鹿者であることを示しています。

 

No.936 (2014/05/22)大飯原発訴訟一審判決に対する評価

 昨日、関西電力大飯原発の運転再開差し止め訴訟の一審判決が出されました。詳細な内容はまだ判決文を読んでいませんので、取り急ぎ、新聞報道の内容を参考に検討しておくことにします。

 まず全体的な評価です。これまでの原発に関する運転差し止め訴訟判決の内容に対して、今回の判決の内容は画期的でした。
 これまでの裁判では、国の原子力発電所に対する許認可手続きに則った原子力発電所の運転は手続き上瑕疵はない=運転に問題は無いとしてきました。しかし、国や電力会社が絶対に安全であると言ってきたにもかかわらず、福島第一原発の過酷事故が発生した経験から、たとえ国の安全基準を満足していたからといって、安全性が担保できるわけではないという前提に、裁判所としての独自の判断を示したことです。

 もう少し具体的に、私の個人的な判決に対する評価点をまとめておきます。

@絶対安全な設計震度は確定できない
 このHPでは繰り返し述べてきたことですが、構造物の設計では、何らかの基準に基づいて確定した設計用のモデル地震動に対して構造物の設計を行います。これは、何らかの外力を確定しない限り、構造物の応答を計算できませんから、避けられない限界です。
 一方、極めて長期間にわたって発生する自然現象に対しては、過去の限られたデータからもとめた確率分布モデルをもとに将来の発生を確率論的に予測する他ありません。ところが確率論的には、対象構造物に求められる耐用期間中において100%の確率で絶対発生しない程大きな地震動の大きさを一意的に確定することは不可能です。確率論的に言えることは、どのように大きな設計のための地震動を想定したとしても、耐用期間中にそれを超える地震が起きないことを100%保証することは絶対に出来ないということだけです。
 つまり、原発事故の原因を地震に限ったとしても、原子力発電所があるかぎり、100%の安全性を保証することは絶対に出来ないというのが科学的な結論なのです。逆に言えば、原子力発電所による災害を絶対に起こさないことを目的とするならば、原子力発電所をなくす以外にないということです。
 判決では、『関電側の基準地震動(耐震設計の目安となる地震の揺れ)の1.8倍の1260ガルまでは過酷事故には至らないとする主張は、「それを超える地震は来ないという根拠はない」と退けた。』としており、これは全く正しい判断です。更に、いかなる安全な設計・対策を施したとしても、原子力発電所がある限り原子力発電所の過酷事故は起こりうることを前提として考えなければならないことを明記して欲しいところです。
 原子力発電所の運転可否の判断は、過酷事故が起こることを前提として、事故が発生した場合における対応が、原子炉設置者の責任において、被災の可能性のある住民に対して十分安全性を担保できるのか、住民がその対応に納得できるものなのか、という視点で考えるべきです。

A国民の生存権はエネルギー政策における経済性よりも優先される
 これは当然のことであり、電力各社が経済性を理由に原子力発電の早期運転再開を求る昨今の状況、これをよしとする愚かな都市住民に対するカウンターとして喝采を送りたい。日本の本当の富とは、日本の気候風土であり、そこに住む住民の生活の安寧であり、これに勝るものはありません。刹那的・金銭的な富の最大化を目指す国家・企業のために、この本質的な日本の富を破壊する危険性を持つ原子力発電の運転を優先することなどあり得ないと考えます。

B人為的CO2排出削減を理由に、国民の生存権を犯す事はできない
 科学的な根拠も薄弱なCO2地球温暖化の脅威に比較して、原子力発電所事故の過酷事故による環境破壊の危険性のほうがはるかに重大なものであることを正しく認識していると考えます。


 今回の福井地方裁判所の樋口英明裁判所の判決内容は、極めて妥当なものだと考えます。ただし、関西電力は当然控訴することになるでしょうから、上級審で司法の判断がどのように変質するかは、現状では全く見通せません。国は最高裁判所に対して強力な圧力を掛けることになるので、一審判決が180°覆される可能性は極めて大きいと考えるべきでしょう。それをさせないためには国民が脱原発の確固たる意思表示をすることしかありません。脱原発運動は正にこれからが正念場です。

 

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