No.1400(2022/07/04) 環境問題・資本主義・自由貿易・ウクライナA
環境問題とは、自然科学的に見た人間社会の持続可能性についての諸問題A

§2 地球の表面環境の激変と生態系

 前回見たように、地球の表面環境は原始地球に生命が登場した40億年ほど前から現在まで、何度も激変を繰り返してきました。その変化に伴って、その都度、生物種のある者は絶滅しました。しかし激変を生き延びた生物種は新たな地表面環境に適応するために適応放散を活発化させることで、環境の激変前よりもむしろ多様性を拡大しています。

 地球の生物にとって過去最大の危機は7億年ほど前に起こったスターティアン氷期・マリノア氷期の寒冷化だと考えられています。この時期、地球表面は赤道付近も含めてほぼ全球が氷に覆われたのではないかと考えられています。最近よく聞くようになった「スノーボール・アース」という状態です。

 この寒冷化によって、先カンブリア紀(6億年ほど前に始まる古生代以前の地質年代の総称)に発生した海生生物の大部分が絶滅したと考えられています。
 しかし古生代に入り地表面環境が温暖化すると生物種の爆発的な適応放散が起こりました。これを象徴的に「カンブリア爆発」と呼ぶことがあります。

 このように、地球上の生物にとって、地表面環境の激変は環境に適応できない種の絶滅をもたらす半面、生物の進化を加速し多様性を豊かにしてきたことがわかります。地球の生態系はとても強靭です。

 この強靭な地球の生態系が確実に絶滅するのは、50億年ほど後に、太陽系の主星である太陽が寿命に近づき、赤色巨星の段階に向かうとき、地球の表面温度が高温化し、あるいは太陽に呑み込まれてしまう場合です。ここで言う「高温化」とは現在騒がれている「地球温暖化」などという氷河期における気温の揺らぎ程度とは異なり、数千℃という高温です。地球上の生物は炭素Cを核とする体組織を持ちます。太陽の膨張によって地球の生物は焼き尽くされCO2になるか炭化してしまうことになります。

 太陽の寿命の他に全生物種絶滅の可能性があるとすれば、地球の寒冷化による場合が考えられます。地球上の生物は炭素Cを核とする体組織と同時に、媒質としての水H2Oが決定的に重要です。水が液体として存在し得ない環境では生物は生存できません。南極点付近は極端に生物量が少ないことがこれを物語っています。スノーボールアースのような状態が長期間継続すれば、太陽の寿命以前に生物が絶滅する可能性があります。

 上図に示すように、地球は誕生以来、熱を一方的に宇宙空間に放熱しながら冷却を続けています。7億年前頃にはマントルの温度が低下して流動性が小さくなり、マントル対流速度が遅くなった結果、地表面に供給される熱が減少し、極端な寒冷化が起こりました。その後、海水がマントルに逆流し始め、含水率が大きくなったマントルの流動性が大きくなり、上部マントルの対流速度が速くなりマントルから地表面への熱の供給量が回復した結果、スノーボールアースの状態は長期間続きませんでした(上図(5)のイベント)。
 現在も海水はマントルへの逆流を続けており、やがてすべての海水がマントルに吸収されてしまうことになります。マントルの温度低下によって地表面への熱の供給が小さくなった時、地表面環境の寒冷化によって地球の全生物絶滅をもたらすのかもしれません。

§3 生態系と「人為的CO2地球温暖化脅威説」

 地球の生物は地表面環境の激変を含む変動に影響されながら変化し続けています。地球の表面環境の温度に着目すれば、生物が絶滅するのは地表面環境の温度が不可逆的に氷点下に低下する場合、あるいは生物の体組織が破壊されるほどの高温になる場合のいずれかです。

 生態系の豊かさは、第一生産者である光合成生物の豊かさが動物を含む生態系全体の豊かさを決定します。生化学反応である光合成は、環境温度が15℃程度よりも低くなると急激に生産性が低くなります。環境温度が恒常的に氷点下になれば媒質である水が液体として存在できなくなり、光合成は機能しなくなります。
 一方、大部分の動物の体組織を構成するタンパク質は60℃を超えると変性します。熱水を好むバクテリアでは100℃を超える熱水中でも変性しない特殊なタンパク質も存在しますが、哺乳類を含む高等生物は環境温度が60℃を超えると生存することは困難になります。

 40億年ほど前に原始海洋が誕生して生物が発生して以降、一般的に高温期は生物活動は活発であり、生態系は豊かでした。逆に、約7億年ほど前のスノーボールアースに典型的に見られる様に、地表面環境の寒冷化は生物にとって厳しい生息条件になります。
 昨今、「人為的CO2地球温暖化脅威説」という過去の地球の歴史を無視した非科学的な終末思想がIPCCなどによって吹聴されています。

 過去の地球の表面環境の変化を環境温度という側面から俯瞰しておくことにします。地球系外からの巨大隕石の衝突に見られる突発的・短期的・物理的な衝撃を除けば、地球環境温度の体制的な変化をもたらす周期的な寒暖変化をもたらしているのは、ウィルソンサイクルというマントルの対流パターンから大陸移動までを包括的に含む固体地球の変動機構によるものです。

 上図に示すように、氷河期の出現パターンは超大陸の出現パターンと完全に同期していることがわかります。つまり、地球の表面環境の温度変化に対して最も大きな原因は、地球の内部熱の地表面環境への放熱量の変動なのです。現在を含めて確認されている過去5回の氷河期は、地球内部の熱の地表面環境への供給量が減少していることが原因です。

 上図は現在に続く氷河期に入った550万年前頃から現在までの地球の表面環境の温度変化を示します。270万年前頃から氷河期の中における氷期―間氷期の気温変動が大きくなっています。これは、地球表面の大陸と海洋の配置と惑星としての地球の軌道要素(公転軌道の扁平率の変化、地軸の傾きの変化、歳差運動の変化など)の変動によって、地球の太陽光に対する吸収特性が周期的に変化することによって生じています。この周期的な地球の軌道要素の変化をミランコビッチ・サイクルと呼びます。最近の過去100万年では、10万年程度の氷期−間氷期サイクルで10℃程度の温度変化が記録されています。
 おそらく過去40億年の地球の表面環境温度に対しても太陽放射に対する地球表面環境の受光能の変化による気温変動があったでしょうが、海洋地殻の寿命は数億年程度とそれほど長くないため、それを確認する術はありません。

 以上見てきたように、地球の表面環境の温度に対して、影響の大きな二大要因は、地球内部から地表面への熱供給と太陽放射であることがわかります。

 上図に示す観測結果から、近年の気温変動と太陽放射照度の変動傾向は完全にシンクロしていることがわかります。一方、化石燃料の消費量=人為的なCO2放出量と気温変動には明確な関連性は見られません。人為的なCO2放出によって大気中のCO2濃度に影響はあるものの、気温変化に対して明確な影響は観測されておらず、影響は軽微であり主要な気温変動要因ではないと結論付けられます。

 地球型惑星大気の組成変化による赤外線吸収特性の変化によって、惑星表面環境の温度に多少変動はありますが、むしろ大気の量の変化の方が表面環境の温度に与える影響が大きいと考えられます。
 愚かなIPCCやこれを信奉する日本の主要な気象研究者は、地球に比較して金星の表面温度が高いのは金星の大気組成に占める二酸化炭素CO2濃度が高いからだという非科学的な主張をしています。しかし実際には、金星大気が厚く、金星表面の大気圧が92気圧程度と高圧であるために大気の断熱圧縮効果によって高温になっているのです。金星表面の92気圧470℃のCO2の体積濃度90%以上の大気を、断熱的に地球程度の1気圧にまで減圧すると、その温度は地球の平均気温である15℃よりもはるかに低くなります。これは気体の状態方程式を知っている高校生であれば理解できる問題です。「CO2地球温暖化説」は現実の地球の気温変化を無視した『風が吹けば桶屋が儲かる』的な非科学的な妄想です。

 さらに、人為的CO2地球温暖化説を信奉する人々は、例えば北欧スウェーデンのグレタ嬢のように、今後数℃の気温上昇で「暑さのために地球の生態系が破滅する」、「地球は燃えている」などという虚言=『人為的CO2地球温暖化脅威説』で大衆を扇動しようとしています。これは地球の過去の歴史的事実を無視した非科学的な杞憂にすぎません。

 下図に示すように、極地まで巨大恐竜が闊歩していた中生代白亜紀(〜6500万年前)の地球の表面環境の温度は現在よりも15℃程度も高温であったと考えられます。良く知られているティラノザウルスのような巨大肉食恐竜が生息していたことは、第一生産者である光合成生物の生産性が極めて高く、生態系が豊かであったことを示しています。

 下図に示すように、恐竜が闊歩していたジュラ紀や白亜紀の大気中CO2濃度は現在に比較して4〜6倍程度でした。

 過去の地球の歴史から、現在よりも大気中のCO2濃度が上昇し、環境温度が数℃程度上昇することは光合成生物の生産性を上昇させ地球生態系を豊かにするものであり、「暑さによって生態系が破滅」することはあり得ません。したがって、仮にCO2地球温暖化説が事実であったとしても、これは地球生態系にとって好ましい変化なのです。生態系を破滅から守るという文脈において、温暖化対策の必要性はありません。

 蛇足ですが、上図に示すように、大気中CO2濃度と地球の表面環境の温度には関連性はありません。

(続く)

 

No.1399(2022/06/29) 環境問題・資本主義・自由貿易・ウクライナ@
環境問題とは、自然科学的に見た人間社会の持続可能性についての諸問題@

 このところ、ウクライナ紛争のことばかり書いてきましたが、その過程で改めて現在の人間社会を考えるときの最も重要なキーワードが環境問題であると再認識しました。

 このホームページは、名前の通り、「環境問題」について自然科学的に考えることによって、人間社会の進むべき方向を考えていきたいという願望から22年前に開始したものです。詳細については既に本ホームページのメインの論考、例えば「環境問題総論」などにおいて議論は尽くしているので、この連載では今日的な環境問題を俯瞰的に見る視点を提供することを目的に話を進めていきたいと思います。詳細につきましては適宜既存のレポートを引用することにします。

 まず、ここで扱う「環境問題」とはどういうものなのかを定義することから始めたいと思います。

§1 地球の歴史と生態系について

 私たちが生活している地球という惑星が誕生したのはおよそ46億年ほど前だとされています。原始地球が生まれた当初は地表面までが「溶融したマグマ=マグマオーシャン」に覆われており、表面温度は数千℃の高温であったと考えられています。原始地球の周囲は300気圧を超える水蒸気H2Oと二酸化炭素CO2を主成分とする分厚い大気に覆われていました。
 その後、地球は原始大気の激しい対流によって宇宙空間に放熱を続け急速に冷却されました。数億年かけて大気に含まれていた大量の水蒸気が降雨となって原始地球に降り注ぎ原始海洋が出来上がりました。その過程で二酸化炭素の多くも雨水に溶けて海洋に吸収されました。

 その後、原始海洋の熱水の噴出口の周辺において40億年ほど前に原始的な生物が誕生したと考えられています。

 生物とは何かを定義することが必要です。生物は外界との境界を有することが必要です。次に、生物は外界に対して能動的に働きかけることによって外界から何らかの物質を取り入れ、同時に老廃物を外界に対して廃棄する「代謝機能」を有することが必要です。そして決定的に重要なのが、種の維持ないし世代交代するために何らかの遺伝情報の伝達機能を有することです。この三つの要件を満たすモノを「生物」ということにします。
 「生態系」とは、生物と生物の代謝に関わる固相・液相・気相を含む地球の表面環境の総体です。

 原子生物は進化を遂げ、やがてシアノバクテリアという光合成生物が誕生し、海水中の酸素O2濃度が増加し、海水中の鉄イオンFe2+を酸化することで赤鉄鉱が沈殿し、現在利用されている縞状鉄鋼層が形成されました。

 地球は内側の半径の半分程度が主に鉄で出来た金属核、外側半分が鉱物質のマントルによって構成されています。27〜28億年ほど前、外核を構成する液体鉄内部の電子が猛烈な対流運動を始めたことで強い地球磁場が形成されました。

 地球の強い磁場によって生物にとって有害な宇宙線が捉えられ(バン・アレン帯)、地表面にまで到達する有害な宇宙線量が激減しました。その結果、海中の生物はより浅い海にまで進出するようになり、効率的な光合成が行われるようになりました。やがて海生生物が海中に放出したO2は大気中にまで放出され地球大気のO2濃度が上昇し、紫外線を吸収することでオゾンO3層が形成されました。
 バンアレン帯とオゾン層の形成によって、地表面に到達する有害宇宙線、有害紫外線量が減ったことによって、生物は陸上に版図を拡大することになりました。

 その後、地球の生物は地球の表面環境の変化とともに進化し続け現在の姿になりました。しかし、その進化の過程は平穏で連続的な変化ではありませんでした。地球の表面環境は固体地球の変動機構や地球系外からの巨大なインパクト、生物と地表面環境の共変化の影響などを受け、時に激変することがありました。

 固体地球の変動機構としてマントル対流に伴う大陸移動とマントルの対流パターンの変動による地表面気温を含む地表面環境の激変があります。マントル対流による大陸の離合・集散の周期的変動=ウィルソン・サイクルに従って地表面環境の温度は大きく変動します。
 分裂した大陸が次第に一か所に集まり始めると地球内部からの熱の放出が次第に小さくなり、地表面環境は寒冷化し、両極地方には極冠(氷の塊)が生じ、氷河期になります。

 上図に示すように、地球誕生以後、現在を含めて5回の氷河期があったと考えられています。

 ウィルソン・サイクルのクライマックスとして地球上の大部分の陸地が一つにまとまり巨大な大陸=超大陸が形成されます。超大陸が形成されるとやがてそこには高温の下部マントルの巨大な上昇流=スーパー・ホットプルームが生じ、地表面環境への熱の放出が急増します。それに伴いスーパー・ホットプルームは大陸地殻を突き破り、激烈な火成活動とともに再び超大陸は分裂を開始します。こうして地表面環境温度は急上昇し、氷河期は終わります。
 現在は、アジア大陸を中心とする次の超大陸「アメイシア」の形成に向かっており、地球内部からの熱の放出の小さい氷河期にあります。

 地球外部からのインパクトとして最も広く知られているのが原始地球の創成期に起きた巨大天体との衝突による月の誕生という仮説、いわゆるジャイアント・インパクト説です。有力な仮説とされていますが、確定しているわけではありません。
 次に有名になったのは恐竜の突然の絶滅に関わったとされるユカタン半島付近への巨大隕石の衝突です。

 このように、地球誕生以来、地球の表面環境は幾多の激変を経験してきました。地球上に生物が誕生して以降だけでも数多くの環境激変イベントが起こりました。

 上図は原生代最後のベンド期以降の生物の科の数の変動を示しています。約6億年前の古生代以降、大規模な生物絶滅事件が5回程度起こったと考えられています。すべての絶滅事件の原因が特定されているわけではありませんが、地球の表面環境の大きな変化が原因であることは間違いありません。
 地球史上最大の生物絶滅事件は古生代ペルム紀と中生代三畳紀の境界で起こったP/T境界線の大量絶滅です。この大量絶滅事件は、約2.5億年前パンゲア超大陸が分裂を開始した時期に起こったと考えられています。超大陸の分裂に伴う激烈な火成活動による海洋のO2欠乏などが原因だと考えられています。P/T境界線で起きた大量絶滅事件によって、海生生物の95%以上、全生物の70%程度が絶滅したと考えられています。
 しかし最もよく知られている生物大量絶滅事件はP/T境界線よりもK/T境界線の大絶滅事件かもしれません。これは中生代白亜紀と新生代古第三期との境界である6500万年ほど前に起こりました。この大量絶滅事件は、直径10kmほどの巨大隕石がユカタン半島沖に衝突したことによって起こった環境の激変によるものと考えられています。この大量絶滅がよく知られているのは、中生代に陸上生態系に君臨していた巨大な恐竜を絶滅させたからです。

(続く)

No.1398(2022/06/18) 合理的分析能力を失った日本の報道と国民
米欧・日本の対ロシア経済制裁の戦略的失敗による物価上昇と飢餓の拡大

 ウクライナ紛争はいまだ出口が見えません。これは米欧・日本によるウクライナ・ゼレンスキー政権に対する兵器を含む物資・資金援助を背景とする現況を無視した自国民の犠牲を顧みないゼレンスキーの非現実的な領土欲が主要な原因です。

 米欧や日本によるロシアに対する経済制裁によって、原油・天然ガスなどのエネルギー価格の高騰に端を発する世界市場における全般的な物価高騰、小麦などの穀物価格の高騰が米欧諸国・日本だけでなく、経済基盤の弱い穀物輸入国に影響を与え始めているようです。

 この状況について、論理的な分析能力の欠如した日本の報道機関の報道は、この経済混乱のすべての原因がロシアの責任であるとする非論理的で感情的な非難に終始しています。これは全くお門違いのロシアを批判する「為にする議論」の典型です。
 そもそも、米欧諸国によるロシアに対する軍事行動の一環としてロシアに対する物資供給の停止=兵站を断つこと、およびロシア製品の不買による戦争遂行資金提供の停止によってロシアを攻撃することを目的に始まったことです。
 ロシア製品の不買を進めることによって、世界市場における石油・天然ガスおよび小麦の流通量が減少し、価格が高騰することはこの作戦の当初から予測可能だったことであり、いまさら何を言っているのでしょうか? あるいは、米欧はごく短期間の経済封鎖でロシアを撃退できるものとして、長期化による世界市場の混乱を検討していなかったのでしょうか?それでは余りにも杜撰な作戦と言うしかありません。
 ここにきて、小麦価格の高騰・絶対量の不足によってアフリカなどの経済力の弱い国々の飢餓の蔓延の可能性を指摘し、これをすべてロシアのせいだと喧伝する米欧・日本の主張は本末転倒です。この自ら招いたエネルギー価格の高騰、小麦の供給不足の責任をロシアに転嫁するのは非論理的な主張です。この問題の第一義的な責任は対ロシア経済封鎖を開始した米欧・日本の側にあることは論を俟ちません。

 現実にアフリカ諸国で飢餓が深刻になる可能性があるとしたら、その原因となる対ロシア経済制裁を行っている米欧・日本の責任において対処するべきです。
 一つは対ロシア制裁を主導している米国、EU、日本が自国の食糧を切り詰めてでも飢餓発生国に対して優先的に食糧を提供することで飢餓問題を回避することです。
 あるいは、ロシアに対する経済制裁を停止し、ウクライナに対する兵器・物資・資金援助を停止し、即刻ルガンスク人民共和国・ドネツク人民共和国ないしロシアとウクライナ・ゼレンスキー政権との和平交渉を進めることです。

 対ロシア経済制裁を継続しウクライナに軍事援助を行い戦闘を長引かせておきながら、その一方で自ら開始した対ロシア経済制裁によるエネルギー・小麦価格高騰による世界経済の悪化をロシアの責任として非難する米欧・日本の主張は完全に論理的に破綻しており、これは米欧・日本の対ロシア経済制裁が戦略的に失敗しつつあることを示していると理解すべきです。

 このような状況を米欧・日本政府の主張通りに報道する日本の報道機関は、論理的な現状の分析能力を完全に失っているか、あるいは米欧・日本政府の広報・洗脳機関になり下がったかのいずれかということです。

 

No.1397(2022/06/13) 参議院選で憲法・平和に言及した共産党の見識
平和ボケ・ウクライナボケ・大国ボケしてしまった日本政府・マスコミ・国民の意識

 

 最近のマスコミ報道の偏向ぶり、異常さにはほとんど恐怖さえ感じます。なぜこんな異常な報道を平気で流せるのか・・・?それ以上に、このバカバカしい報道に対して納得してしまう大多数の国民の存在に慄然とします。

例えばこんな報道がありました。


2022年6月9日大分合同新聞

 日本はウクライナ紛争において直接ロシアから何の被害も受けていないのにもかかわらず、米欧、NATOの言い分を盲信した上に、その尻馬に乗ってロシアに対して経済制裁を行い、あまつさえ、アジア諸国に対して経済制裁にもっと協力するように吹聴して回っているのです。
 こうしたロシア敵視の経済制裁を先行して行っておいて、ロシアの対日本の漁業協定に対しては従来通り認めるのが当然だと主張するのは、どう考えても異常であり傲慢です。ロシアに対して正当な理由もなく正に「一方的に」経済制裁を行った日本こそ理不尽です。
 こうした考え方は、米欧の覇権によって世界支配するという傲慢な思想、米欧のやることはすべて正義であり、それ以外は悪であるという思いあがった思想に洗脳されているとしか言いようがありません。日本国民は米欧流の大国意識に染まってしまっているようです。
 勿論、日本政府や保守党政治家は米欧の世界戦略を理解した上で、日本国民をだまして今回のウクライナ紛争を利用してロシアや中国を敵役に仕立て上げ、国民の「愛国心」を煽り、日本を軍事国家化するために利用しようとしているのです。これに気付かない(?)マスコミや国民は愚か者としか言うべき言葉が見つかりません。

 またこんな記事もありました。


2022年6月11日大分合同新聞

 これはほとんど説明の必要もないでしょう、アジア安全保障会議での岸田発言は、中国に力によって対抗するアジアにおける軍事同盟を牛耳ることを日本が目指すことを述べたものです。正に肥大化してしまった傲慢な大国意識、しかも軍事大国意識が露骨に見えます。
 しかし現実には、米国の「国防計画指針(DPG)」にある通り、米欧の白人至上主義者は本質的に日本を対等なパートナーとして認めておらず、あくまでも米国の傀儡としてアジアの管理を担わせることが目的です。日本は米国の道具として利用され、今回のウクライナのように犠牲になるのです。

 米国は経済力や軍事力という「力によって」威圧することで、「一方的」に「米国にとって都合の良いアジアの秩序」を作り上げ、それを維持しようとしているのです。日本の保守党政権は米国の虎の威(米国の軍事力による威嚇・恫喝)を借り、更には一体化して、「米国に都合の良いアジアの秩序」からのおこぼれに与かろうとしているのです。

 このような状況下で参議院選挙が間近に迫っています。岸田政権の憲法9条を破壊する妄動、日本が敵性国家と認識した国に対する先制攻撃である「反撃能力」の保持、GDP比2%への防衛費の増大などの日本の軍事国家化への政策が具体化されようとしています。この敗戦後最大の日本の岐路にある現在、マスコミはウクライナ報道を受けて日本の国難を煽りむしろ軍事国家化を推進するような報道を行い、こうした報道に国民は「理解を示し」日本国内は何事も起こってないように平穏であることこそ異常事態です。
 このような中で、参議院選挙の公約として、日本共産党だけが憲法9条の堅持、平和外交による安全保障を掲げています。温暖化問題では無能な共産党ですが、日本の政党の中では唯一まだ理性的な判断能力を残しているようです。

追記:2022.06.18
 6月16日のテレ朝の夜の報道番組「報道ステーション」において9党の党首が参議院選の政策を語っていました。共産党に加えて、れいわ新選組の山本太郎氏、社民党の福島みずほ氏も護憲・軍拡反対の立場を表明していました。
 護憲・軍拡反対を主張する党首の主張は戦争状態といういわば外交の失敗を招かないために平和外交を徹底するという現実的具体的政策の提案であったのに対して、軍拡路線を肯定する自民岸田、維新松井、国民民主玉木らの主張は、ウクライナ情勢の事実確認・論理的な分析を行わないまま、米欧の主張を盲信して、ただただ日本周辺危機を感情的に煽り、危険だから軍備拡張をと感情的に主張するばかりでした。これは軍備拡張によって日本の国土や人命を守れるのかという本質的に重要な技術的考察を欠いた空論・精神論にすぎません。


2022年6月9日大分合同新聞

 

 最後に、最近のウクライナ情勢について、大地舜氏の動画を紹介しておきます。

 

 

No.1396(2022/06/02)戦後の平和国家日本の終焉の始まり
米欧の偏向情報を盲信し崩壊した報道と形骸化した民主主義、そして大国主義の復活

■再び東アジアの覇権を握ることを目指す岸田保守党政権

 いよいよ日本が平和国家であることを止めて、大航海時代から連綿と続く欧米主導の力(軍事力と経済力)による世界支配体制に名実ともに完全復帰する時が急速に近づいたように感じます。

 近世15世紀の大航海時代以降の世界は、いち早く資本と科学技術の集積を成し遂げた西欧の力(軍事力、経済力)による暴力的な覇権拡大の繰り返しでした。それは、残念ながら現在もそのまま継続しています。
 かつて明治期以降の近代日本は、欧米列強の覇権主義による侵略の危機という状況の中で、自らも「富国強兵」政策によって急速に富を集積し、同時に軍事国家化を実現し、欧米列強に伍して周辺地域への版図拡大を進め東アジア〜東南アジアに対する植民地支配を行いました。明治以降、第二次世界大戦で敗北するまで、国家としての近代日本は「大東亜共栄圏」、「八紘一宇」、「脱亜入欧」という言葉に象徴されるように、欧米と同様に覇権主義国家でした。

 第二次世界大戦の末期に、近代日本は米軍によって本土を爆撃されることで初めて近代戦争の実相を経験することになりました。その過程で、世界で初めて原子爆弾による攻撃を受け、その被害の過酷さを経験し、その影響は現在まで継続しています。
 私たちの親あるいは祖父母の世代の日本人の多くは戦地に肉親を送り出し、彼らは海外の戦場での敗走を経験し、あるいは日本に残った者たちも本土爆撃を経験しました。広島や長崎では原子爆弾によって一瞬にして何万人もの生命が奪われ、放射線被曝の後遺症は癒えることはなく現在まで苦しみ続けている方がいます。

 この敗戦の経験から、敗戦後武装解除された米国占領下であったとはいえ、近代日本のアジア太平洋地域に対する侵略や虐殺、苛烈な植民地支配の反省の下に、あらゆる国家間の紛争の解決手段として決して武力を行使しないという「平和憲法」を制定し、覇権主義から離脱しました。この日本国憲法は普遍的な価値を有する日本の最も誇るべき財産だと考えます。

 自民党は、この平和憲法を改定することを党是とする政党です。もっと端的に言えば、自民党は日本国憲法の本質である、憲法9条の規定する交戦権の放棄を削除し、日本を再び戦争のできる国にすることを目指す政党です。
 これは、自民党は第二次世界大戦敗戦以前の日本の戦争行為を本質的に反省していないからに外なりません。彼らにとって戦争に負けたこと、戦略的に状況を見誤ったことだけが誤りだという認識なのであろうと推測します。その結果、第二次世界大戦の遂行に加担した敗戦前の政治家がそのまま戦後自民党の中枢に残り続けることになりました。
 近年、岸信介の直系である安倍晋三は戦前の「美しい日本=戦争によって他国を侵略した日本」を取り戻すことを目指し、憲法9条の改正に執着していることは周知の事実です。そして安倍政権の後継の岸田政権は、米国ネオコンと同盟関係を強化することによって再び東アジアで中国と覇権を争う国になることを目指しています。

 そして今回のウクライナ紛争へのロシアの侵攻を、東欧・ロシアにまで覇権拡大するために利用する米国と、これに同調して、日本の平和憲法を形骸化し、戦争のできる国になって東アジアにおける覇権を握ろうとする岸田自民党政権が結託しているのです。

■殺す側のマスコミ報道では見えないもの

 人間社会は、残念ながら平等ではありません。コミュニティの規模によらず、相対的に力のある側と弱い側が存在します。かつて元朝日新聞記者であった本多勝一は力のある側を「殺す側」、力が弱く虐げられる側を「殺される側」と表現しました。
 殺す側にある人がすべて弱者を意識的に迫害するわけではありません。殺す側、力のある側に居る人々は相対的に裕福であり、社会的な地位の高い人々であり、その多くは「善良な人々」です。ボランティア活動や社会奉仕をする人も少なくありません。
 一般的にコミュニティは力のある者にとって都合の良いシステムになっています。その中で平凡に暮らしている善意の大多数の人々には、そのコミュニティで迫害されている弱者の存在に気付かないまま生活しています。
 通常の歴史の正史とは、支配者・強者=殺す側の視点で書かれています。歴史の陰で虐げられてきた多くの人々の歴史は、よほど意識的に調べなければ気付かないものです。例えば世界史における大航海時代から現在まで続く欧米による侵略・略奪をほしいままにしてきた歴史について、私たち日本人は欧米の視点からの新天地開拓の歴史として認知しています。その陰で虐殺され土地を奪われたネイティブがどのような苦難に見舞われたかなど、ほとんど知りません。

 極端な例として正に殺す側と殺される側の衝突が武力紛争・戦争です。今回の2022年2月24日に始まったロシアのウクライナに対する侵攻について、NHKのウクライナ人の女性ディレクターがウクライナに住む彼女の家族に取材した「セルフ・ドキュメンタリー」の一部を見る機会がありました。


「ウクライナ語で叫びたい」

初回放送日: 2022年4月18日

「わたしの国が戦場になった」 日本在住ウクライナ人ディレクターによるセルフドキュメント。ウクライナ人であり、ロシア語で育った自分。侵攻前後の葛藤の記録。

日本で働くNHKディレクターのカテリーナはウクライナ人。首都キーウ生まれで家族全員、ロシア語を話してきた。しかし、2014年ロシアのクリミア併合以来、ウクライナ語を使う動きが広まった。どの言葉を話すべきなのか?家族や友人に取材していたさなか、ロシアによる侵攻で、祖国すべてが戦場へと変わった。急速に価値観が変わり、家族の身にも危険が。国、言語、アイデンティティーについて思索した2か月間のドキュメント


 紹介文で分かるように、彼女とその家族にとって、今回の武力衝突は2022年2月24日のロシア侵攻によって始まったのです。
 一方、ウクライナ東部のドネツク共和国、ルガンスク共和国で取材していたフランス人記者の報告ドネツク人民共和国出身者の話を聞くと、2014年の米欧によって仕組まれた軍事クーデター「マイダン革命」の直後から8年間以上、ウクライナ政府による東部地域に対する攻撃・虐殺が継続しているのです。
 マイダン革命によって成立したウクライナ政権は、公用語からロシア語を外すことに象徴されるように、ウクライナ東部地域などの親ロシア系のウクライナ人を迫害し、アゾフ大隊など過激な武装集団によって虐殺を繰り返していたというのが事実です。ウクライナ政府による東部地域への攻撃に対する停戦合意であるミンスク議定書が第三国(ドイツ、フランス)の立会いの下で交わされていることからも確認することができます。
 殺す側のウクライナ政府を支持しているごく普通の善良なウクライナ人にとって、キーウから遠く離れた東部地域の反政府勢力に対する虐殺など、遠い世界の出来事であり、見えていなかったのです。しかし、ウクライナ東部の親ロシア系のウクライナ人はマイダン革命以降8年間以上もアゾフ大隊などネオナチ・極右民族主義者武装組織によって攻撃され、虐殺され、地獄のような日々が続いていたのです。
 これが見えていなかったNHKの女性ディレクターやその家族の立場は、「ゼレンスキー政権を支持する平均的なウクライナ人」だということを示しています。
 そして、2022年2月24日はウクライナ東部の二つの共和国の求めに応じてロシアが同盟国の危機を救うために集団的自衛権の行使として「参戦」した日にすぎません。しかし、ゼレンスキー政権を支持する平凡で善良なウクライナ人は、その時点で始めてウクライナの内戦を実感を持って認識したということを示しています。

 米欧に支援されたキーウのウクライナ政権=ゼレンスキー政権側=殺す側に立つ米欧やそれを盲信する日本の報道機関にとっては、2022年2月24日まで8年間以上にわたってウクライナ政府軍・アゾフ大隊などによって東部ウクライナの親ロシア系住民1万人以上が虐殺されてきた事実が見えない、あるいは敢えて見ないように装っているのです。

■権力に制御された報道と崩壊した民主主義

 日本の報道では、ロシアがウクライナ軍を「一方的」にネオナチであると「決めつけている」としていますが、アゾフ大隊など過激な民族主義者たちはネオナチであるというのが客観的な事実です。もちろんこのことを米国や西欧諸国も知っています。
 米国はウクライナのネオナチや過激な組織を集めて軍事訓練し、ウクライナに投入して親ロシアウクライナ政権を2014年に「マイダン革命」という軍事クーデターで崩壊させ、米国傀儡政権を樹立しました。これに中心的に関わったのが米国ネオコンの現国務次官ビクトリア・ヌーランドであり、彼女の夫ロバート・ケーガンはネオコンの幹部です。そして、最近のウクライナ報道でよく登場する米国の戦争研究所の所長キンバリー・ケイガンもネオコンであり、ロバート・ケイガンの妹です。

 このように、2014年から続く米国傀儡ウクライナ政権によるネオナチを使った東部地域への攻撃・虐殺を仕組んだのは米国ないし米国に主導されたNATOであり、彼らはこれを隠ぺいするために、同じ穴の狢である米国の戦争研究所の発表をニュースソースとした大量宣伝を行っているというのが実態です。

 それだけではありません。ゼレンスキー政権の治安機関であるSBU(ウクライナ保安庁)はロシアと話し合いで問題を解決しようと考える市長を処分しているそうです。以下、「桜井ジャーナル」から一部引用します。

 例えば、ルガンスクのボロディミル・ストルク市長は3月1日に誘拐され、拷問された上で胸を撃たれて死亡。3月5日にはロシアと交渉しているチームのひとり、デニス・キリーエフがキエフの路上でSBUの隊員に射殺され、3月7日にはゴストメル市長だったのユーリ・プライリプコの死体が発見された。ウクライナでは11名の市長が行方不明だとも言われている。
 SBUのチームによる「国賊狩り」が行われる中、4月21日にはウクライナの南部にあるミコライフ州のビタリー・キム知事が「ウクライナ24テレビ」の番組に登場、「全ての裏切り者を処刑する」と語った。そうした処刑を実行するための秘密部隊を編成、すでに作戦を遂行しているともいう。キムにとって「裏切り者」とはゼレンスキーの政策に同意しない人びとだ。そのゼレンスキー政権は2022年3月19日に11の野党を禁止、政府の政策を支持する放送局以外のメディアは消えたと言われている。これが西側支配層の考える「民主主義体制」なのだろう。

 ゼレンスキー政権の行っていることは、正に専制的な独裁・恐怖政治にほかなりません。つまり、米欧の言う民主主義とは、米欧の行動を一方的に盲信する、あるいはこれに服従する国家体制の謂いでしかないことが分かります。

 米欧の「自由と民主主義」を掲げる国々は、正当なウクライナ政権をネオナチなどを使った軍事クーデターで破壊し、傀儡ウクライナ政権とネオナチなどの過激な軍事組織を使ってウクライナ東部地域などの親ロシア系のウクライナ住民を虐殺してきたという事実を隠ぺいするために、米国の軍需産業から多額の援助を受けているシンクタンク戦争研究所から発表する事実と異なる情報によって米欧、日本などのマスコミ報道をコントロールしているのです。

 例え制度的に民主主義をとっていようとも、こうした偽りの報道によって権力に都合よく洗脳されてしまった国民による選挙に一体何の意味があるのでしょうか?それが普遍的な価値なのでしょうか?
 米欧ないし日本の民主主義とは、「力のある者、金持ち=殺す側」の「殺す側」のための民主主義でしかないというのが実態です。
 民主主義が本来の機能を発揮できるのは、あくまでも大衆が事実に即した情報に制限なくアクセスできることが前提です。そのためには、権力に迎合しない弱者の側に立つ報道が事実に即した情報を提供することが必要です。
 しかし、今回のウクライナ紛争に対する米欧、そしてわが日本のマスコミ報道機関の報道内容を見ていると、既に米国ないし日本政府の洗脳装置になってしまったことが非常によくわかります。第二次世界大戦後の日本の報道機関の反省は既に忘れ去られ、またしても戦争中の大本営発表と変わらない状況になっていることを、私たちは肝に銘じておかなくてはなりません。

■偽りの人道主義

 米欧の軍事行動は、往々にして人道主義に基づく介入であるとしています。しかしこれは建前にすぎません。
 今回のウクライナの内戦は、2014年に軍事クーデターによって不法に樹立されたキーウのウクライナ政権がロシア語の公的使用を禁じるなどの親ロシア系のウクライナ人を迫害する政策をとり、政権樹立直後から親ロシア系住民の多く住んでいる東部地域などに対してネオナチのアゾフ大隊などによって攻撃・虐殺を開始しました。
 米欧諸国が人道主義を主張するならば、キーウのウクライナ政権の理不尽を糾弾すべきです。実際には、ネオナチを利用して正当なウクライナ政権を軍事クーデターで崩壊させ、東部地域の攻撃を主導しているのは他ならぬ米欧諸国自身なのです。
 米欧の言う人道主義とは、米欧にとって都合の良い人々の人権だけを守ることにすぎないのです。

 さらに言えば、米国のように年間50兆円規模の「武器=人を殺すための機械」を製造販売している国が、人道を語るなど悪い冗談です。
 そもそも、同胞である兵士の生命を犠牲にしながら守られる繁栄を当たり前のこととして受け入れる米国のような軍事国家の人道主義など、全く信頼できないと考えます。同胞に対して命を差し出すことを求めるような社会を人道的などとは言いません。

 ■日本の平和について考える

 ウクライナ報道によって、日本国中が日本の更なる軍事国家化に理解を示すようになっています。しかし、それは愚かな判断です。
 核の傘があろうと、いくら軍事力を大きくしようと、抑止力など幻想にすぎず、一旦武力衝突が起きれば100%国土を破壊から守り、人命を守ることは不可能であることは、ウクライナ紛争が事実によって示しています。
 むしろ巨大な軍事力を持つことは東アジア諸国に軍事的な脅威を与えることになり、かつての愚かな軍拡競争を再燃させることになり、それ自体が軍事的な緊張関係を増幅し、戦争を招来する危険性を高めることになります。

 今一度冷静になって、私たちの目指す平和とはどのようなものなのかについてよく考えてほしいと思います。

 このまま暴力的な米国の覇権主義に追従して、自らもアジアに対して覇権国家になることを目指す今の日本のありようが果たしてよいことなのでしょうか?

軍事力による見せかけの平和があるべき姿なのでしょうか?

同胞やあなたの子供たちに兵士として死ぬことを求めるような社会が果たして平和な社会と言えるのでしょうか?

 

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