解題「温暖化の虚像」番外編

珍説、CO2地球温暖化説 by 江守正多

変節、CO2地球温暖化論者
 2021年1月8日のNHK総合「チコちゃんに叱られる」という番組に、かの有名な国立環境研究所の江守正多が登場して、彼の珍説なのか国立環境研の正式な主張なのかはわかりませんが、CO2濃度上昇による地球温暖化の仕組みを解説していました。

 これまで、CO2地球温暖化説の通俗的な説明は度々変節(笑)を繰り返しています。最初の頃は、大気の温室効果が大きくなって、太陽放射の吸収が大きくなって温暖化するとしていました。

初期のCO2地球温暖化に対する説明図

 この説明では有効太陽放射よりも地球放射による放熱量が小さく、地球大気の保有するエネルギーが単調に増加する熱暴走状態となり、安定した惑星ではありえない状態を示していました。これは、高校地学で教えられている内容にさえ反する基本的な誤りでした。
 この図では、温室効果ガスとして「二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、代替フロン等3ガス」が挙げられており、水蒸気は含まれていません。
 この図はいつの間にか消えてしまいましたが、いまだにこれを信じている人は少なくありません。ちなみに「チコちゃんに叱られる」では、江守氏の指示なのかNHKの判断なのかはわかりませんが、温暖化の説明図としてこれと類似の図が最初に登場したのには、正直少し驚きました(笑)。

 その次に登場したのは、いくら地表面放射の吸収に十分な温室効果ガス濃度になったとしても、更に温室効果ガスが増えればいくらでも温室効果は大きくなるという意味不明の説明でした。
 「チコちゃんに叱られる」に登場した江守正多も以前は国立環境研のホームページで次のように解説をしていました。曰く「CO2が増えると赤外線の放射・吸収の回数が増えるので地球表面に向かう赤外線量がいくらでも増える」と説明していました。これについては拙著「検証温暖化」pp.215-219に全文引用していますのでご参考まで。
 これを説明した温室効果の解説図は次のようなものでした。

二代目のCO2地球温暖化に対する説明図

 この図では有効太陽放射と地球放射は釣り合っていますから、初期の説明図の問題点をクリアーしています。途中のギザギザは時間経過に伴って大気中でエネルギーが移動していることを表しているようです。大気の温度は保有する気体分子の運動エネルギー量に比例するのであって、エネルギーが移動したところで何ら温度状態は変化しません。この説明図も失敗でした(笑)。

 そして今回の江守正多の説明で大きく変わったのは、前述の通り対流圏下層大気の中で最も大きな赤外活性気体である水蒸気は彼らの言う温室効果ガスには含めないという主張でしたが、今回の説明では180度変わって水蒸気が最大の温室効果ガスであると主張していた点です。
 番組の中で江守は、他人事のように「CO2の温室効果が一番大きいと思っている人が多いようですが実は水蒸気が最大です」などと抜け抜けと言っていますが、前出の図の書き込みでもわかるように、そういう情報を流してきたのはかつての彼ら自身です。
 ではなぜCO2濃度上昇を問題視しているのかという説明の下りはこうです。CO2濃度の上昇で少し気温が上がると大気中の水蒸気濃度が上昇することで水蒸気による温室効果が大きくなる正のフィードバック効果で気温上昇が加速されるということです。
 おそらく、CO2濃度の上昇程度では気温上昇を説明できないと考え、水蒸気濃度上昇による正のフィードバック効果の影響を考慮するとしたのであろうと思います。以前は水蒸気の赤外活性は温室効果に加えないと言っていたのに、まさにご都合主義の変節です。

 このように人為的CO2地球温暖化説の説明は何度も改訂されていますが、それほど理論的にいい加減なものであることを示しているように感じます。

江守CO2温暖化説を分析する
 今回の江守説の誤りを整理しておきます。相変わらず彼らの主張は地球表面からの赤外線放射に対する対流圏下層大気による吸収局面だけしか考慮していません。この近視眼的な見方が全ての誤りの元凶です。
 既に説明してきたように、地表面放射による放熱と対流圏上層大気ないし雲頂からの上向きの赤外線放射の合計が有効太陽放射と釣り合うように大気温度の分布が決まります。
 既に地球の表面放射に対する対流圏下層大気ないし雲による吸収は十分大きく、CO2濃度の多少の上昇は地表面放射の吸収局面ではほとんど効果はありません。むしろ対流圏上層大気の射出率の増加に寄与するために、対流圏上層大気の温度を低下させる効果を持ちます。したがって気温を低下させます。

 江守説の問題を三点挙げておきます。
①江守説ではCO2濃度上昇による気温上昇がトリガーとなって大気中の水蒸気濃度が高くなるとしていますが、そのトリガー自体が機能しません。
②仮に、大気中の水蒸気濃度が上昇すると対流圏の平均的な温度減率が小さくなるため、対流圏の下端と上端の温度差が小さくなります。したがって、対流圏上層の温度が変わらなければ、対流圏下端の温度=気温は低下することになります。

③水蒸気濃度が上昇すると雲量が増加し、日傘効果によって有効太陽放射が減少する。

 いまだに江守たちは地球の温室効果を地表面放射の吸収局面でしか考えていないことが致命的な誤りです。水蒸気濃度が上昇すれば単純に気温上昇を加速すると考えるところが彼らの短絡的な発想を如実に示しています。

 今回の番組では、CO2温暖化仮説についての江守説が披露されていましたが、産業革命以降の大気中CO2濃度上昇の主要な原因が人為的に放出されたCO2がであるという主張には触れていませんでした。この点については、産業革命以降の大気中CO2濃度上昇の主因、9割以上は自然変動ですから、今回のCO2温暖化江守説が仮に正しいとしても、温暖化の主因は自然現象ということには何ら影響しません。人為的CO2地球温暖化は虚像に過ぎません。
 

 

カテゴリー: 地球温暖化, 温暖化の虚像, 珍説、人為的CO2地球温暖化, 環境教育 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です