解題「温暖化の虚像」⑨

大気中CO2濃度の上昇は気温を低下させる③

気温はどのように決まるのか?
 前回は、対流圏下層大気に含まれる赤外活性気体による地表面放射の吸収について考察しました。現在の地球の対流圏下層大気では、地表面放射の吸収局面では、圧倒的に濃度の高い水蒸気H2Oと雲による吸収が支配的であり、二酸化炭素CO2やメタンCH4による吸収は極めてマイナーな要素であることを述べました。気温上昇による赤外活性気体濃度の上昇による正のフィードバック効果はそれほど大きくはなく、あったとしても最大の効果を持つのはH2O濃度の上昇であることを述べました。

 今回は温室効果のもう一つの側面である地球系外への赤外線放射による放熱について考えることにします。
 地球大気に温室効果がなければ=赤外活性がなければ、有効太陽放射によって供給されるエネルギーと地表面放射によって地球系外へ放出するエネルギーが平衡します。
 地球大気に赤外活性気体が含まれることによって、地表面放射の9割程度(102/114)が一旦対流圏大気の運動エネルギーとして吸収されます。

 その結果、地表面放射で地球系外へ放出されるエネルギーは有効太陽放射で供給されるエネルギーの17%(12/69)程度であり、残りは対流圏上層大気あるいは雲頂からの上向きの低温赤外線放射が担うことになります。
 実際には地球の対流圏大気中で起こる複雑な気象現象によって、場所によって地球系外への赤外線放射による放熱量には大きな幅があります。ここでは平均的な性質について考えることにします。

 地球の大気システムによる低温赤外線放射による放熱は、雲頂からの赤外線放射と大気に含まれる赤外活性気体からの赤外線放射です。
 雲頂あるいは対流圏上層大気からの赤外線放射の強さは大気の温度によって変化します。地表面放射と大気システムからの低温赤外線放射の合計が有効太陽放射と平衡するように対流圏上層の大気温度が決まります。対流圏上層の大気の温度が定まれば、そこから下方の大気の鉛直温度分布は大気の平均的な温度減率に従って、1km当たり6℃程度上昇することになります。

 有効太陽放射は変化せずに平均気温が上昇した場合、対流圏上層の大気温度も上昇し、大気システムからの低温赤外線放射による地球系外へ放出するエネルギー量が増加します。すると大気システムの保有するエネルギー量が減少するため、気温は低下することになり、再び有効太陽放射と平衡する温度状態が回復されます。
 地球大気の温度状態は、変化に対する負のフィードバック機能を持つため、平均的に見れば、地表面放射と大気システムからの低温赤外線放射の合計は有効太陽放射と常に平衡することになります。

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