集団的自衛権のリアリティーのない国会論戦

●集団的自衛権容認についての国会審議が始まりました。本日の審議のはじめに質問に立った自民党の中谷の質疑を少し聞いて呆れ果てました。

●安倍主導の集団的自衛権論議は絵に描いたようなフィクション・絵空事についての空中戦です。また、この問題についての街頭インタビューに答えるわけ知り顔の紳士、淑女諸君の「日本の防衛環境が変わったのだからいいのではないか」などという、スットボケた現実感のないコメントには反吐が出ます。

●技術的に考えて、いくら日本が交戦権をもって日米同盟軍を作ったとしても、日本の国土と国民が無傷で済む=安全を守ることは不可能なことは、子供でも分かることです。日本が交戦権を持てば殴り合いになって相手にも物理的・人的被害を与えることになるでしょうが、同時に日本の国土も被害をうけ、人的被害も被るのです。

●交戦権を持って、その上で日本を無傷で安全を守るためには、圧倒的な軍備で先制攻撃を行い、敵国に壊滅的な被害を与えることしかないのです。これが自衛のための戦争と呼べますか?あるいは、中国やロシアを圧倒的に凌駕するような、彼らの戦意を喪失させるほど圧倒的な軍事力を保持し、維持していけると思いますか?

●交戦権を持とうが、交戦権を放棄しようが、戦争状態になれば日本の国土と国民に被害が出るのは同じなのです。むしろ日米軍事同盟に巻き込まれれば、世界で最も憎まれている米国のとばっちりで危うくなるだけです。

●日本を完全に武装解除し、米軍基地を全て撤去させ、全方位外交を誠実に追求していく事こそ最も現実的な安全保障です。ガキのような安倍・石破・中谷らの幼稚な防衛戦略の火遊びばかりを進めて、対米国以外の外交をおろそかにしていては日本は危うくなるばかりです。日本の無能な外務省には優秀な外交官がおらず、お馬鹿で好戦的な安倍お友達内閣と一緒になって日本を危うくしている現状は悲しいことです。

追記:2014.06.08

■結局のところ、安倍の集団的自衛権容認政策の目的は日米防衛協力のためのガイドラインの改定に向けて、米国に対するお土産を作ることだけです。米国にとっては、東アジア地域の米軍の削減=防衛費の削減を実現できるのですから、誠に歓迎すべきことです。つまり、日本の集団的自衛権の行使が実現できれば、米国の東アジア戦略を日米同盟軍によって担うことが可能になり、人的にも金銭的にも米国の負担が著しく軽減できるということです。

あくまでも『米国の東アジア戦略』の一環であって、『日本の防衛』のためではないことに注意しなくてはなりません。日本は米国の東アジアにおける最前線基地=不沈空母、すなわち米国の安全保障のための駒の一つに過ぎず、米国にとってこれが多少攻撃を受けてもさほど問題では無いのです。むしろ米国の世界戦略の一部に組み込まれることによって、米国と敵対する国にとって日本を直接攻撃する大義名分を与えることになり、危険が大きくなるのです。

■更に、安倍政権では集団的自衛権を行使する地域を日本周辺に限定することはしない=世界中の米国の関与するあらゆる戦闘地域に日本軍が展開することを容認するとしています。とんでもない話です。こんなことを国連PKOと絡めて国際貢献などというのは詭弁です。

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